ちょっとはやめに2020年の振り返り

12月中旬。今日の鳥取は雪が降っている。
鳥取に来て6度目の冬。この寒さも暗さも、もう当たり前になっている。

2020年を振り返って、きっとほとんどの人はコロナ禍での生活の変化を大きな出来事として挙げるだろう。ぼくにとっても、もちろん大きな変化だった。

ただ、地方だからこそ、「ステイホーム」「三密回避」をしても、充実した時間が送れることにも気づき、改めてこの地の暮らしの豊かさを実感したりもした。


春から夏にかけて。4年ほど運営をしている民泊施設を移転し、新しい拠点のDIYを毎週末せっせと進めた。部屋を一つ解体して庭にしたり、壁を一部くり抜いて窓をはめたり。ネットや本で調べたり、なんでもできるご近所さんに相談しながら、素人ながらにDIYの域を超えるような大工仕事まで、仲間たちと少人数で、時には一人でじっくりと。サービスに頼るのではなく、自分で何かを創り出すことの豊かさを改めて感じる日々だった。


夏。コロナ禍がいったん落ち着きを見せる中で、昨年から大山町で実証実験をしている「だいせん週末住人」のプログラムを再始動した。若者たちが進学に伴って他県に行かざるを得ない鳥取・大山町でも、大学生たちが余暇時間に住人として暮らすことができるのではないか。そして、町に生きる多様な大人たちと出会う中で、その生き方から学び、地方でのライフキャリアを一つの選択肢として見出すことができるようになるのではないか。そんな仮説をもとに、行政の一員として仕組みづくりをしながら、それを大学院で研究として実証もしている。


秋。大学院での学びがいよいよ最終段階に差し掛かってきた。押し迫る不安と焦り。自分の感覚の中で試行錯誤してきたプロセスを、いかに理論的に説明し得るのか。それは社会にどのように生かされ得るのか。そんな答えのない悩みを悶々と抱え続ける日々は、それでもどこか楽しさがあって、仕事をしながら大学院でも学ぶという選択はけっして間違っていなかったと思う。

同時に、来年度に向けての道を明確にしていくリミットも迫ってきた。こういう時にこそ、タイムリーに心強い仲間が現れたりするものだ。「あらゆる側面で持続可能な人口200人のムラをつくる」という30代半ばに実現したい夢に向かって、次の一歩がぼんやりとながらに見えてきた。


冬。修士論文がいよいよ大詰めを迎えている。もちろん課題も多いけど、光は見えてきた。このもがきが、必ず自分の今後の人生の礎となるという実感がある。東京で見守ってくれている家族はもちろんのこと、大山町の職場の同僚、もちがせ週末住人の同世代の仲間たち(ついに100人を超えた!)、そして学部時代の研究室の先生と、大学院の先生方の存在のありがたさをひしひしと感じる年の瀬。


自分の弱さにビビることも多い。誠実になれずに後悔することもしょっちゅうだ。そんな自分にもしっかりと向き合いながら、小さな一歩一歩を踏みしめて前へ進む2021年にしたい。


2020年12月15日 修論執筆の合間に。
まつうらいくる

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