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欅坂から櫻坂へ。変わりゆくものと変わらないもの(2020年下半期)
7月 偶然の鐘
7月16日、欅坂46の配信ライブKEYAKIZAKA46 Live Online, but with You!が開催された。徐々に活動が始まっているとの情報が解禁されるにつれ、新しい欅坂46のスタートをまた見ることができるワクワク感を感じていた。しかし、結局最後のゆっかー(菅井友香)のスピーチで語られた、「欅坂46が幕を閉じる」という言葉に、心のシェルター(避難所)を失ってしまうのではないかという不安を感じた。同時に、致し方ないという気持ちも沸き上がり、結局、彼女たちが選んだ道が幸せなものであればいいという有り体の結論にたどり着いた。
批判や誹謗中傷が可視化されるようになり、精神をかき乱される見たくもない情報を目にするようになり、それを自分たちの不甲斐なさに帰さねばならない気持ちを想像するといたたまれない。そんな自分たちを守ってくれるような絶対的な愛の救世主がいればいいのに、この世界はそんなに簡単にはできていない。
誰がその鐘を鳴らすのかに出てくる愛の救世主の所が大園玲ちゃんは好きらしい。黒い羊もそうだけど、欅坂46はキリスト教的な世界観を意識させられる歌詞になっている。
— いくりん (@shikashikarin16) July 23, 2020
「神は死んだ」と誰かは言った。信じるものは自分だけな偏狭な自尊心を守るために正義を押しつける世の喧騒に対する警鐘。
「誰がその鐘を鳴らすのか?」
際限なく声高に自己主張し、人の話をちゃんと聞こうともせず、自らの信じる正義を押し付けることはやめ、みんなで一度黙ってみようと提示するこの楽曲はVUCAの時代に生きる私にとって刺さるメッセージだった。信じるものが違っていたとしても排斥しあうことなく、共生しあえる世界になればなんと幸せなことだろう。この曲のパフォーマンスを見ると、涙がこぼれて仕方ないのだ。
この時期は、ひょんなことで大学の同期と後輩と知り合った時期でもあった。ツイッターランドからなぜか出会えることは割とあるが、遠い世界での活躍を知り感化させられた。他人と比べて自らが優れているとか劣っているとかそういう次元で物事を考えるのではなく、自分ができることが何なのか考えさせられた。
8月 幸せのメリーゴーランド
8月7日に日向坂46のドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』が公開された。事前に刊行されていた『日向坂46ストーリー』においては、けやき坂46時代のメンバーの営みが中心に語られていたのに対して、映画は日向坂46になってからの比重が大きかったのが印象的だった。ドキュメンタリー映画にしては珍しく、心臓に悪い描写は少ない平和な映画と言えるのではないか?「青春の馬」で掴んだハッピーオーラから続く彼女たちの強み。仲間とともに、ファンとともに創り上げていく絆を感じられて良かった。
メンバー全員と話ができる彼女のコミュ力が凄いのはもちろんだけど、2年経って表向きに再会したメンバーと初めて対面するメンバーが普通に接しているのだと思うと嬉しい😆
— いくりん (@shikashikarin16) August 13, 2020
こちらからすると影ちゃんを応援するだけでなく他のメンバーへの感謝の気持ちも忘れないでいたいなと思う。#kageblog
語弊はあるけど、可愛い子が頑張っている姿を見てると応援したくなるのは当然なわけで、今のところ嘘偽りとか誤魔化しで萎えるようなことが少ないのが凄いなよ思う pic.twitter.com/G0psbKsZzo
— いくりん (@shikashikarin16) August 13, 2020
「もし仲間が倒れた時は僕が背負うから」
— いくりん (@shikashikarin16) August 15, 2020
作り物で上から目線で、傲慢な所もある約束の卵という秋元康の敷いたレールが自作自演のエンターテインメントにならなかったのはこの歌詞があるからだと思っている。嘘っぽい綺麗事や無謀な夢でなく、メタファーでもない現実の力強さに感動してならない。
9月 成長と胎動
8月21日。欅坂46が結成してから5周年を迎え、9月4日、についにドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』が公開された(私は9月3日の前夜祭を鑑賞してきた)。
5年前の当時のことは私は知らないが、新しいアイドルの胎動に多くの人が期待をしたことと思う。もちろん、5年間で期待に沿うことができた面もあれば失望させてしまった面も当然あるだろう。しかし、彼女たちが経験してきたことは他の誰にも経験できないような貴重なものだったはずだ。毀誉褒貶に惑わされ、情緒不安定な世相に精神を揺さぶられ、何が本当で何が正しい道なのか途方に暮れることもあっただろう。しかし、みいちゃん(小池美波)のこの作品における涙と成長は、彼女の信じて進んできた道が決して間違っていなかったんだと感じさせる強さがあった。
また、私がこの映画を見て感じたことはふせったーに書いた。
「僕たちの嘘と真実」を観てきた(2回目)。
— いくりん (@shikashikarin16) September 6, 2020
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○平手友梨奈の https://t.co/IOlGzqWv4v
私は平手友梨奈というアイドルが好きだった。彼女の見せる子供っぽい笑顔も人が変わったような鬼気迫るパフォーマンスも、他人と違った価値観(天才性)を持っていながらもメンバー想いで欅坂46のことを考えるがあまり、その天才性を大っぴらに表現することを躊躇する不器用さや優しさも、どれも好きだった。だから、彼女が欅坂46において示した足跡は決して色褪せるものではないし、記憶に残り続けると思う。
そして、それを周りで見てきたメンバーは彼女のようにはなれないという限界を感じながら、自分の色を出していくことに活路を見出すようになっていった。9月27日のイオンカードとコラボしたライブ「Live Online AEON CARD with YOU」は、時間こそ短かったが新しい欅坂46と櫻坂46への変化を想像させるものだった。
3,500円に見合う価値のライブかどうかを評価するなんてどうでもよくて、彼女たちが見せる笑顔だったりパフォーマンスに掛ける情熱の節々が感じ取れて、終わりの始まりに向けて歩みを進めているその一瞬一瞬を見ることができたら満足なのです。花のない桜が満開に咲く日を夢見てね。
— いくりん (@shikashikarin16) September 27, 2020
10月 偶然は運命
10月12日と13日に行われた欅坂46のラストライブ。欅坂46の集大成とも言えるライブは特別な言葉を尽くさなくても感動的なライブだった。ベストアルバム『永遠より長い一瞬〜あの頃、確かに存在した私たち〜』に収録された楽曲が以後全く披露されなくなるのかと思うともったいない気もするが、メンバーからやり切ったという笑顔と満足感が感じられたのが何よりも良かった。
私は歴史を学んできた人間だ。だから、その営みには自覚的でありたいと思っている。それは他のnoteでも記してきたことだが、改めて言うなら、彼女たちの歩んできた歴史は決して無駄にはならないということだ。もちろん、悪しき伝統や慣習は改めなければならない点があるかもしれない。例えば、過去、バラエティが面白くないとか楽しそうじゃないと言われることが割とあったと思うが、本人たちはがむしゃらに仕事に取り組んでいたのかもしれない。そうだとしてもそれが見る側に伝わるような努力を十分にしてきたのか。それが伝わるプロモーションをしてきたのか。といった点は反省が必要だっただろう(実際、変わりつつある)。しかし、捨て去ってはならないこと、変わらない気持ちというのがある。楽曲の世界観を全力で伝える気持ちであり、これまでの歩んできた経験である。
新たなグループは過去のグループと”完全に“断絶した新しい道を開拓していくなんて思わない方が良いと思う。グループのやりたい方向性は変わっても、その中にいるメンバーの謙虚さ、優しさ、絆という内面的な部分は変わりはしないし、もっと自分のために他人を思いあえるグループになってほしいな。
— いくりん (@shikashikarin16) October 13, 2020
人生は偶然の連続だって言うけれども、あの場所に上がっているメンバーたちやそれにかかわってきたすべての人たちの邂逅も、それに魅せられた多くのファンとの出会いも偶然が積み重なった奇跡だ。無限の歴史の流れの中で生じたその奇跡に出逢えたことが何よりの幸せだった。潮紗理菜と尾関梨香の再会もね。
https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/36074
11月 魅せられて
11月は櫻坂46の1期生の誕生日が多くあった。とりわけ、あかねん(守屋茜)とゆっかーは自分にとって大きな存在だ。
2017年に欅坂46のメッセージアプリがスタートしてから3年と少し、一度も欠かさず購読し続けてきたのがあかねんだった。何度も握手会に行ったわけではないけれども、その美はますます極まるばかりで、目の癒しだ。とりわけ、彼女の良さを理解していない人もいるようなので、悲しい限りだが、私が好きなところは以下の通りだ。
守屋茜さんの好きなところ
— いくりん (@shikashikarin16) November 12, 2020
・可愛いところ
・そのための努力を怠らないところ
・負けず嫌いで頑張り屋さんなところ
・だけど自分がとりわけ目立つのが得意ではなく不器用なところ
・故にメンバー想いでメンバーに手を差し伸べたり魅力を引き出してあげられるところ
・舌ったらずなところ#守屋茜生誕祭 pic.twitter.com/AuFMInAJnO
彼女くらい綺麗な人間であれば、エロ釣りやら肌の露出で男性ファンを虜にする戦略もあり得なくはないけれども、そういう下品な子ではないし、上品であってもそういうズル賢いことができる子でもない。どうしようもなく不器用で喋りも上手ではないし、弱音を吐いたり見せたりすることも少ない。
そんな彼女に惹かれるのは、彼女がメンバー想いの心優しい人間だからだ。自分の人気のために誰かを傷つけたり他人を利用したりするような狡猾さが無い。他のメンバーも無いと言えば無いのであるが、とりわけ彼女は自分勝手と見られかねない雰囲気を備えているので敢えて言っておきたい。軍曹キャラのように目立つだけでグループに何も貢献していないように評価されることもあった彼女は何もしなかったんじゃない。何もしていないように見えるだけの関係性をメンバーとの間に作り上げていったのである。
11月29日にはゆっかーが誕生日を迎えた。欅坂46のキャプテンとしてグループを引っ張ってきた彼女が幸せそうな表情を見せることが多くなっていることに安堵している。
ゆっかーが欅坂46での喜怒哀楽の思い出にまた新たな充実した思い出を付け加えられるような櫻坂46での活動を楽しみにしてます。いつも評価や批判の矢面に立ってグループを守ってくれてありがとう。幸せに生きられますように。#菅井友香生誕祭 pic.twitter.com/Hz27LNvi9i
— いくりん (@shikashikarin16) November 29, 2020
12月 兆し
12月8日に櫻坂46のデビューカウントダウンライブが開催され、1stシングル『Nobody's fault』の収録曲7曲と『櫻坂の詩』が披露された。グループの新しい船出に素晴らしい楽曲が集められたことに感謝したい。
Nobody's faultは重厚感とサウンドが良い
— いくりん (@shikashikarin16) December 8, 2020
なぜ恋は疾走感と中毒性があって好き
Buddiesは壮大な世界観と仲間の幸福感が好き
Plastic regretはヌルっとした予想外な展開に驚き
最終の地下鉄に乗っては王道のアイドル曲で良い
半信半疑の理解はまだ半信半疑
ブルームーンキスは劇的な展開で飽きない
私は11月頃から久しぶりにピアノの練習を再開するようになった。ピアノを弾くこと自体は好きだったのだが、コロナ禍の影響で披露する場も無くなり、自己表現することが減っていた。大して上手というわけでもないけれど、好きな曲を好きなように弾くのは楽しい。
ブルームーンキスあんまり弾いてる人もいなさそうなので弾いてみた。割と難しかった。#櫻坂46#ブルームーンキス pic.twitter.com/9dyFqJCLdz
— いくりん (@shikashikarin16) December 23, 2020
しばらく、影山優佳ちゃんに対する自分の気持ちが定まっていなかったが、12月7日のゆうがたパラダイスの放送を聴いてから完全に復活した。
ゆうがたパラダイス簡単に聞き流してたんだけど影ちゃん凄くない?
— いくりん (@shikashikarin16) December 9, 2020
やってみたい役で、平然と連続テレビ小説の『まれ』の主人公(演:土屋太鳳)を挙げたんだよ?いくらNHKのラジオだからって何年も前のNHKの朝ドラを挙げるの凄くない?こういう機転の利く子だから色々お仕事舞い込んでくるんだよなあ
彼女が復帰してから様々な仕事をやってきて、そのどれもを追ってきたわけではないけれど、彼女の仕事に対する姿勢や受け答えを見ていると自分も頑張らねばと思うようになった。もともと頭が良く、サッカーが好きで、リーダーシップも取れて、学業の世界に邁進していた彼女がアイドルの世界に舞い戻ってきたことはある種奇跡のようなものだ。その奇跡な状況を見逃すわけにはいかないと思うようになった。
ファンに見せる快活な笑顔、凛々しい真顔、好きなものを語るときの見境ないマシンガントーク、それでいてまじめすぎないウィットに富んだ性格、まだまだ言い出せばキリがないが、そのどれもが愛すべきものであり、私が彼女に惹かれた理由はそこにある。だからこそ、見守りたい。じっと見守りたい。
影山優佳さんに感謝の気持ちを伝えたい。他に好きなアイドルが増えても、彼女がアイドルを卒業しても芸能界で活躍する限り見守り続けたいな。
— いくりん (@shikashikarin16) December 11, 2020
鬱屈した日々がアイドルによって救われたように、この世界が、彼女たちが幸せな未来を生きられますように。
君のため 僕のため 彼のため 彼女のため
やさしい風が吹き抜け 輝いた今日が来る
生きること 感謝して 巡り逢い 愛し合おう
兆しを感じたら
僕たちはいつだって一人じゃないさ
君がいて 僕がいて 彼がいて 彼女がいて
東の空が白んで 新しい朝が来る
涙して 抱き合って 肩組んで 前を向こう
兆しは地図になり
僕たちは夢の道 あきらめないよ
(SKE48 チームKⅡ 3rd『ラムネの飲み方』公演より「兆し」 )