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tobacco


同居人がVAPEを吸っている。私はそれをただ見ている。
片付けをしていたら、久しぶりに出てきたようだ。


昔まだ会社にいた頃、こんなものでストレスが減るのならと
コンビニで、タバコを買った事がある。

小さい頃、喘息を患っていたので、それや
それを持ち歩く人間を心底憎んでいたはずだった。

ジャケットを燃やされて、逃げられたことすらあったというのに
吸った途端、なんてことのないものになってしまった。

ただ、しばらくすると頭痛が起こったので
合わない毒もあるものなのだと分かった。


その後、同居人がそれを見つけて隠してしまった。
私は怒った。自分は■■才から吸っていたくせにと。
そういう時代だったから、じゃねーよ。

かといって、また買うことはしなかった。


だいぶ経ってから、引っ越す前に
その隠されたタバコが、ひょいと出てきた。
何年も経って、シケているであろうタバコを久しぶりに吸ってみた。

以前はウマイかどうかなんて全く分からなかったが、
なんとなくウマイような気がした。

しかし、やはり頭痛はするようだ。
何本も残っていたが、箱ごとそのまま捨ててしまった。


同居人と出会った時、すでに同居人はタバコを辞めていた。

VAPEでは、色々なフレーバーを楽しんでいたようだが
タバコとは全く違うものだと言う。ただのオモチャであると。

何が楽しいか分からないが、好きにすれば良いと思う。

したり顔で飛ばしてくるドーナツ状の煙に
指を突っ込んで、広げてやる事しかできない。

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