
私の面接苦手の原点
「面接が苦手」──この言葉を見て、共感する人は多いのではないでしょうか。
かくいう私もその一人でした。
幼少期から人との会話が苦手で、就職活動では面接試験で落ち続け、就職浪人を経験しました。
しかし、なぜ私はこんなにも面接が苦手だったのか?
そのルーツを探ると、ある一つの出来事に行き着きます。
本記事では、私が面接に苦手意識を持つようになった最初の出来事を振り返りながら、同じように「人と話すのが苦手」「面接が怖い」と感じる方に向けて、そこからの学びや克服のヒントをお伝えします。
小学生のときの「たった一言」
私が初めて「人前で話すこと」に強い恐怖を感じたのは、小学生のころの出来事でした。
ある日、授業中に先生が質問を投げかけました。
私は自信満々で挙手し、答えを発言しました。
しかし、その答えは間違っていました。
その瞬間、教室の後ろの席から「クスクス……」という笑い声が聞こえました。
それはクラスの人気者の男子が発したものでした。
たったそれだけのことでしたが、私はまるで教室全体が自分を笑っているように感じ、顔が一気に熱くなりました。
先生は「中川が間違えるってことは、難しいってことだな!」(※)
(※)
運動はからっきしだったけど、テストの点数は結構よかったので、先生からは優等生に見えていたと自負しています
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とフォローしてくれましたが、その後の私は人前で話すこと自体に強い恐怖を感じるようになりました。
中学生のときの「英検3級の面接試験」
中学生になると、割と定期テストの点数が良かったために、しっかり意見をしゃべってくれるのではという周囲の期待から、学級討論や人前で発言させられることが増えました。
しかし、私は「また失敗したらどうしよう」「クラスメートに笑われたらどうしよう」と不安ばかりが先に立ち、言葉が出なくなってしまうことが何度もありました。
特に、3年生の時に受験した英検3級の面接試験で、その苦手意識が決定的になりました。
その試験で、私にとっては、とても大きな「やらかし」を2つしてしまいました。
1つ目は、試験の教室に入るときでした。
扉をノック
→ 試験官の「どうぞ」を待って扉を開ける
→ 「失礼します」と言って教室に入って席に着く
という流れでしたが、
「失礼します」と言って席に着こうとしたときに、教室の扉が閉まる音がしました。
そう、私は扉を閉め忘れていたのです。
面接官から「扉を閉めてくれた人にお礼を言ってきなさい」と言われたときに初めて、閉め忘れに気付きました。
そこからは「なんで閉め忘れちゃったんだろう」の思いで頭がいっぱいになり、どんどん落ち込んでいきました。
面接官の顔を見ることができなくなっていました。
そんな状態で面接の席に着き、英文が書かれた紙を渡されたのですが、先ほどのことが頭から消えず、英文が全然頭に入ってきませんでした。
そんな中、2つ目を「やらかし」ました。
それは、リーディングテストのときに、"Peter Pan"がわからずに「ペターパン」と読んでしまったことです。
リーディングの後の面接官からの問いで「ピーターパン」と聞こえた時、「間違えた!」という思いで、また落ち込みました。
これら2つの「やらかし」から、完全に頭が真っ白になってしまい、面接官からの質問の意味すら理解できなくなっていました。
面接練習で、英語の先生から緊急手段として教えられた「Pardon?」と聞き返すこともできず、下を向いて英文が書かれた紙を見ながらただ黙り込んでしまったのです。
きっと面接官は優しく待ってくれていたのだろうと思いますが、当時の私にとって、その面接官はとても冷酷で薄情な人だと思ってしまったことで、焦るばかりで何も答えることができず、結局ほとんど話せないまま試験が終了しました。
結果は当然「不合格」。
この経験が、「自分は人前で話すのが苦手なんだ」「面接なんか二度と受けるものか!」と強く思い込む決定打となりました。
面接での苦戦と敗北
この「話すことへの苦手意識」は、就職活動の面接で決定的な形となって現れました。
就職活動の面接では、自己PRや志望動機を話す必要があります。
しかし、私は事前に何度も練習していても、いざ面接の場になると緊張で頭が真っ白になり、声が震えたり言葉に詰まったりしてしまいました。
面接官から「もう一度、ゆっくり話してもらえますか?」と言われても、私には「この人はダメだな」という風に聞こえるほどで、「じゃあ、挽回しなきゃ」という思いに駆られ、それは焦りとなるも、全く言葉が出てこない。
そして沈黙。
結果、不合格。
何度も面接に挑戦しましたが、緊張で上手く話せず、結局、就職浪人を経験することになりました。
このとき私は「やっぱり自分は人前で話すのに向いていない」と思い込み、でも「就職するためには面接を突破しないといけない」という葛藤もあって、苦しかったです。
だから、2年目の就職活動は営業以外は変えなかったものの、業種を気にせずとにかく受けまくりました。
そのかいがあってかはわかりませんが、1社から何とか内定をいただくことができ、そこに就職することができました。
でも、「面接なんて2度と受けるものか!」という思いは変わりませんでした。
コーチングとの出会いと変化
しかし、その後、私はプレゼンテーション試験で不合格になったことをきっかけに、コーチングを学びました。
コーチングを学ぶ中で気づいたのは、「話すことが苦手なのではなく、話すことに対して過去の経験からくる強い思い込みがある」ということでした。
実際に、コーチとの対話を通して「話すのが怖い」という感情に向き合うと、それが小学生のときの「クスクス……」という笑い声から来ていることがわかりました。
この気づきは、私にとって大きな転機となりました。
コーチ仲間との模擬セッションを繰り返すことによって、「言葉に詰まっても、相手はちゃんと聞こうとしてくれている」「黙ってしまっても、相手は優しく言葉を待ってくれている」とわかったとき、落ち着いて話せている自分がいました。
そして実際にコーチングを学んだ後、職場の人から「中川さん、何か変わったね。話しやすくなった」と言ってもらったことがありました。
これがきっかけで、「ああ、自分は変化してるんだ」と感じ、人と話すことの楽しさやうれしさがどんどん大きくなっていきました。
まとめ:苦手意識を克服する第一歩
私が「話すこと」に対する恐怖を克服するためにやったことは、以下の3つです。
過去の出来事を振り返る
なぜ苦手なのかを考え、自分の思い込みを見つける
小さな成功体験を積む
まずは身近な人との会話で成功体験を作る
いきなり完璧を求めず、「伝わればOK」と考える
コーチングや対話を活用する
一人で悩まず、人と対話することで新たな視点を得る
「面接が苦手」「人と話すのが怖い」と感じる人へ。
あなたの苦手意識のルーツは、もしかしたらたった一つの出来事から来ているかもしれません。
そして、その出来事を理解し、向き合うことで、少しずつ前に進むことができます。
私はコーチングを通じて、人とのコミュニケーションを楽しめるようになりました。
あなたも、一歩踏み出すことで、今の状況を変えられるかもしれません。
「話すこと」は怖くない。
まずは、自分の中にある「苦手の正体」を探してみませんか?
ここまで読んでいただきありがとうございます!
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