桃谷中学校の生徒さん企画のパンをcookhouseで販売!その結果は?【次世代の職業体験・IKUNO未来教育ネットワーク】
前回は「桃谷中学校の生徒さんが企画したパンがcookhouseの店舗で販売されるまで(R4.10.28掲載)」を紹介しました!今回は「振り返り編」です!
この企画は、キャリア教育として企業からレクチャーを受け、企画提案→採用プレゼン→商品化→販売の振り返りまでを行うものです。
では、販売結果や反響、ダイヤさんからのご意見などを見ていきましょう!
と、その前に復習♪
販売したパンは以下の3つでした。皆さんも味わわれたでしょうか?
【チョコタルトパン】
【DXあげチョコクリームパン】
【失恋パン】
【期間限定】クックハウス×桃谷中学校コラボ商品発売! - パン de しあわせ。クックハウス - cookhouse
さて、「作った」「売った」だけでなく、「振り返り→次につながる取り組み」まで行ってこそ「職業体験」ですよね!というわけで開催されたのが「販売実績報告会と学びの振り返り」です。
では、その模様をお知らせします!
(その1:どのパンが、どれだけ売れたか?)
まずは売り上げ実績から…
社員さんからの説明では「定番商品にはかなわなかった」とのこと。新製品が定番製品を超えることはかなり難しいとのことですが、それでも生徒たちは少し残念ぎみな顔がチラホラ。
でも、社員さんが
「店によって”よく売れる商品”は違うのに、不思議なことに”DXあげチョコクリームパン”はどの店でもよく売れた。もっと検証すれば、どこでも売れるパンのヒントが見つかるかも…」とコメントされると、生徒さん達から軽いどよめき。
…それはそうですよね?自分たちの考えたものが、大人の世界に影響する「何か」だったら、インパクト大ですよね!
(その2:利益は出たか?)
次は「職業体験」で、じっくり考えないといけないポイントの一つ「利益」です!
パン一つ一つの原価計算は難しいので、例として「食パン」について社員さんが説明してくださいました。
実際の利益とは「売上額」から「小麦や砂糖などの材料費」を引く、なんて単純なものではありません。
「工場の製造機を動かす電気、ガス、水道代」「パンを作る人、お店に運ぶ人、店員さんの給料」「チラシなどの宣伝費用」etc…さまざまなものも計算に入れないといけないのです(私が中学生の頃は、そんなこと考えたこともありませんでした…)。
特にパンなどの食品の場合、「売れ残り」ということも考えないといけませんので、売れ行きを見通す「眼」を持たないといけないとのことで、生徒さんも私も感心しきりでした!
ふと、帰り道、晩ごはんの材料を買うため立ち寄ったお店で魚を手に取ったとき、この話を思い出しました。売れ残りのないように工夫するの大変そうだな…割引シールを貼るときって、お店の人は悔しいのかな…なんてことも…
(その3:店員さんたちからの意見はどうだったか?)
パンの製作に携わった方や、実際に販売された各店舗からの意見です。
お客さまと向かい合う方々からのご意見では少し厳しめの意見も。
生徒さん達も真剣に聞き入っていました。
POPに対しては、「商品制作の想いを伝えようという気持ちが感じられた」といった意見もある一方、「既存のPOPとテイストの差が大きくインパクトを残す結果につながらなかったのが残念」という声も。
世の中に出回っている商品はこんなふうに、いろんな人がいろんな意見や実績等を参考に「より良いものを」という思いの積み重ねで生まれています。いきなり「正解」にたどり着けることは稀です。
生徒さん達にも「試行錯誤の積み重ね」の大事さが伝わっていればいいな、と思いました。
(その4:生徒さんたち自身の振り返り)
最後に、生徒さん自身の気持ちをアンケートしたところ
・中学生のアイデアを商品化まで導くことがすごい、自身にも取り入れたい
・生地や原材料にもっとこだわったり、POPも店の雰囲気に合わせて考え
たデザインにすればよかった
・幅広い年齢層のお客さんが「おいしい」と言ってくれるパンが作れる
など、さまざまな声が届きました。
ほかにも、学校で学んでいる教科(国語や数学などなど)が「実社会」につながってることを実感された生徒さんも多かったようです。
生徒さん達の心の中に、「機会があればもっといいものを」とか、「今日の授業はあのときのパンの話につながっている」といった気持ち、感想が育まれていけばいいな、と感じる結果でしたね。
(最後:まとめ)
印象に残る社員さんのメッセージがありました。
・いつもと少し、違うこと、違う視点でものを見れば、いつもと違う考えが
浮かんできます。考えることができる人、行動できる人、人を巻き込むこ
とができる人になってください
生徒さん達は、あと5年ほどで大人として扱われる歳になります。
そのとき、生徒さん達から「あのときの職業体験や社員さんの言葉が役立った」と振り返ってもらえたら、と思います。
最後になりましたが、今回の難しい企画にご協力いただきました株式会社ダイヤさんへ、心からの感謝を申し上げます。
いつか、社会に出た生徒さんと関わることがあれば、今度は同じ社会に生きる者として、ご指導くださいますよう、よろしくお願いいたします。
生野区では、今回の取り組みのほかにもさまざまなプログラムを行っています。
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