『十三機兵防衛圏』感想・レビュー
発売4周年にして未だに記憶を消してもう一度やりたいという感想まで出る熱烈なファンを抱えた『十三機兵防衛圏』をクリアしたのでレビュー!
ちなみにSwitch版でのプレイです。
いいからクリア前のネタバレだけは回避しろとほぼ全ての既プレイヤーが口にしているので、私もなるべくネタバレしないようにふわっと頑張ります。
レビューするひと
モバイルオーダーの便利さに目覚めた。烏龍ミルクティーが好き。
■ゲーム基本情報
[タイトル]十三機兵防衛圏
[ジャンル]ドラマチックアドベンチャー
[ハード]PS4、Nintendo Switch
[開発]ヴァニラウェア
[販売]ATLAS
[発売日]2019.11.28(Switchは2022.4.14)
[CERO]C
[公式サイト]https://13sar.jp
■ストーリー・世界観
1985年。突如飛来した「怪獣」は、それまでの平穏な日々を一変させた。
あまりに巨大かつ圧倒的な力を持つ怪獣を前に、町の人間たちは逃げ惑うばかり。
そんな中、13人の少年少女たちは巨大ロボット「機兵」に乗り込み戦いを挑む。
生まれた時代が違っても、抱えた罪が重くても、分からないことばかりでも。
彼らの目的はただ一つ。世界の破滅を防ぐため、時を超えた戦いが始まる。
■さっくりレビュー
5点満点で4項目、20点満点のさっくりレビュー。
レビュー[総合点:16点]
クリアタイム
31時間
設定・ストーリー[4点]
かなり複雑で謎も多くて、月並みな表現だけどピースを1つ1つはめていく感覚がゾクゾクするので絶対ネタバレや攻略は避けてプレイするべきゲーム。
13人の主人公の視点から物語を追うので情報が多い割に小出しになるし、基本がっつりSFなので、テキストを追うのが苦手な人にはしんどそう。
誰も彼もがふわっとしたことしか言わないので、説明するつもりがあるなら順序立てて時系列順に論理的かつ端的に事実を述べろ!!!!ってなった。
ちょっと予想外だったのが、思った以上にボーイミーツガール的というか、恋愛に関するエピソードが多かった。全然邪魔とかではないけど、要素マシマシではある。
もちろん途中である程度色々と察するし、作中で足りないところがあるので究明編(アーカイブ)で補填することになるけどちょっと足りてないし、最後はまとめすぎってくらいまとめるし。途中が考察勢向けな割には着地点がハッキリしすぎて妄想の余地が少ないという、ちょっと不思議な仕上がり。
システム・操作感[4点]
まず追想編(アドベンチャーパート)は面白くなってくるまで正直ちょっと退屈さを感じた。探索中にどういうトリガーで話が進むのか、このゲームのクセみたいなものを掴むまでちょっと迷ったり。
設定上仕方がないし、良い方向に働いているところもある分評価が難しいのだけど、やっぱり一定の作業感みたいなものはあるので、面白くなってくるまで頑張れるかが第一関門かも。
いざ始めれば操作的に難しいことはないし、早送り機能もあるのでダルすぎってことは無いはず。
あと単純に登場人物が多いので、序盤は苗字で言われても誰だか分からん!ってなった。リーゼントとかメガネとかって呼んで!
リアルタイムストラテジーというのか、タワーディフェンスというのか?な崩壊編(バトルパート)はとりあえずNomalでクリア。
一応ノーミスで最後までいけたけど、それなりに機兵の強化とかをやらないと勝てなそうな感じがあったので、もしストーリーだけ追いたいならCasualでプレイした方が良さそう。
シナリオだけだとただの読み物で終わってしまうけど、バトルパートの方でも少しストーリーに絡む演出があって、これがあることで没入感みたいなものが生まれていてよい。
シナリオの間にこれを挟まれると脳の処理的にたまったもんじゃないけど、ある程度自分でタイミングを選べるので助かった。
グラフィック[5点]
これは文句なしの満点。
これが動くか……!って量の書き込み。モブの動き、ヴァニラ飯、光と色の表現、もう全てがお見事。
UI周りも全く過不足なく、違和感もなく、なによりストレスもなく。
強いて言えばバトルパートがせっかくでかいロボットが出てくるのにこれ……という考え方も無くはないけど、多分それはこのゲームでやることではないかなって感じ。
サウンド・BGM[3点]
声優陣が素晴らしすぎる。ネタバレ回避のために詳しくは言えないけれど、いやほんと、声優ってすげぇ。
これでフルボイスなんだからすごすぎるぞこのゲーム。
BGMに関して言えば正直なところあんまりこれ!という印象に残った曲がないのであんまり言えることがない……。
良かった点
なるほどこれは極めて挑戦的な作りのゲームで、そしてその挑戦を見事に成し遂げたゲームだった。
これだけ複雑なシナリオをこのテンポでプレイできるゲーム設計、緻密な計算とこだわりの詰まったゲーム画面と演出。
1本のゲーム作品として完成度と総合力がかなり高い。
悪かった点
割と読解力を求められるので、とりあえず内容を忘れる前になるべく間隔を空けずにプレイしないと余計訳わかんなくなりそう。
特に序盤は???の連続なので、ある程度見えてくるまで頑張れるかどうかが意外と高いハードルになるかもしれない。
あとはハッキリと「こうだ」と説明されないことも多いので、自分で考察する気力が足りないので本編内できちんとある程度の解説をして欲しいタイプの人はなんとなくモヤモヤするらしい。(友人の談)
その他
発売前から超やりたい!と思っていたけどPS4でやる元気が出なくて買えずにいたところ、Switch移植で購入。
味わいたい系の予感だけはビシビシ感じていたので、しばらく積んでタイミングを見計らったうえでプレイして良かった。
個人的には超良作。やって良かったし大満足。
ただネットで評価されているよりかはずっと人を選ぶゲームなのでは?という気がしている。
想像だけど、多分ライトゲーマー層にはあんまり刺さらない気がする。あとあんまりSFの素養が無いと引っかかれるフックが少なそうとも感じる。
それを考えると、誰にでもお薦めできるって感じでは無いという印象。