ペルーでの日々の記録_2

何が大変なのかを書こう

任地300日目。月曜日。

日を超えて現在未明の1時。もう本当に暑すぎて、家帰ったら横になる習慣ができてしまった。やばい。

暑いからというのは言い訳かもしれないけれど本当にやる気が出ない。私は暑いのにめっぽう弱いのにもかかわらず常夏の任地に来ることになり、しかもペルーの中でも上位を争うくらいに暑いエリアに来てしまったのだ。最高気温は36度前後。

といっても、朝晩は少し涼む。今書いているときも気温20度後半だろう。過ごしやすい。夜活や朝活をしていこうかな。。


今日は今日あった話を。協力隊っていろんな大変さがあるのかもしれないけれど、例えばこんなことが日本ではすっとできるのにこっちではなかなかうまくいかないんだよってこと。一つの例です。


朝から何やら会議が始まりました。(大体すべて急です。スケジュールなんてありません)

会議に参加すると、どうやら我々の部署の今年度の活動計画を話している模様。みんな集められていました。

長い会議の後(3時間くらい。1日中しているときもある)、ゴミの分別について私も何か研修を受けるように言われました。

そのグループに集まると22歳くらいの女子が6名。みんながごみの分別について私やそのほかに教えるということでした。

そのあと何かプログラムを一緒にやるらしくその経過を見守っていたのですが、どうやら環境系のプログラムで各家庭に訪問するらしいのですよね。

各家庭に訪問して、挨拶と自己紹介をして「地球温暖化を知っていますか?」というところから始めて、知っていなかったら説明するということなのですが

私が「地球温暖化というそんな大きいテーマで良いの?」と聞くと、それはいいらしい。

でも「そんな話をいきなり初めてどうするの?」という質問にはなかなか答えてくれません。

(いろんな状況を見ているとそもそもこの子たちも何をするのかよくわかっていない)

他の仕事で忙しそうな上司が間に入ったり入らなかったり。

私も何のプログラムなのか、何のためにそれをするのか聞いても全然答えが返ってこないんですよね。なのでいろんな質問を続けました。(途中「日本ってどんな感じ?」「彼氏いるの~?」という脱線を挟まれながら)

質問の答えが返ってこない理由に、私がどこまで把握しているかを彼女たちは知らなくて、そもそもの環境の基本的なことを聞いていると思われている傾向があって(それは育った環境が違うから仕方ないのだと思うのですが)、そもそも会話が全然進みません。(私の質問の仕方も悪いのかもしれませんが)


たとえば、地球温暖化の件に関しても

「私たちが訪問して伝えるべきテーマは地球温暖化でいいの?」と私が聞くと

地球温暖化とは何かという答えが返ってきたり


「ペルーの学校教育では環境についてそもそも学ぶの?」と私が聞くと

少しの沈黙の後、「意識が足りないんだよね」と。(意識が足りない云々の前にそもそも知識としてみんな地球温暖化だったり環境汚染だったりを知っているか聞きたいのに~と思いその質問をしようと思ううちに話がすりかえられる)


私としては1家庭に訪問して、急に地球温暖化のことを話されてもびっくりするだけだし、身近な問題ではないから、もっとゴミのこととか汚染のことを直接的に伝えたほうがいいんじゃないかなと思ったのですが、そこは口を出さず経過を見守っていました。


で、まあいろんなやりとりがあっても全然話は先に進まず。脱線しまくりなんですよね。20分で解決することを4時間もかけるのが結構気が気じゃないのですが、ここはちょっと我慢。笑


で、いろいろ質問しつつ気長に待って話をしていったら、どうやらこのプログラムはゴミ分別を進めてリサイクルを推進するものだということが分かりました!(それが分かるまで果てしなかった~先に教えてほしいそれを…!)

その話の中で「協力してくれる人にはゴミ分別を教えてリサイクル業者にそれを回収しに来てもらう」というので

「じゃあ家庭訪問の時にゴミの分別まで教えないといけないってことだよね?」と聞くと「そう!」って返ってきました。なるほど。(ここに到着するまでに4時間かかって、こっから次はどのように分別を教えていくかを話し合わなければいけなくて、それはまた明日らしい)


つまり、現在ゴミ収集車が各家庭に周ってゴミを集めているのですが、協力してくれる家庭には今後リサイクル業者が回ってリサイクル品を集めていくというもの。そのために、地球温暖化の話から入って協力したい家庭にはゴミ分別を教える。そういうプログラムでした。

長い~ここまでを理解するのが長い。


たとえば話の中で私がいろいろ質問をしていると「いくみがごみとリサイクルの違いを知らないから教えてあげて」と上司が急に割り込んでくるのですが、

「いや、それは知っている。そうではなくて、私が知りたいのはこの町のリサイクルの現状です。今はゴミ収集車が全てのごみを回収していてリサイクル業者は周っていないの?」

とか、まあそういう感じで「いくみはこれを知らないだろう」という完全な前提のもと話が進められるので、生まれ育った環境が違うとそれも仕方のないことなのですが、いちいち説明が必要になるんですよね。

これが日本なら日本のごみ収集の現状なんてみんな知っているし似ているし前提として話ができる。

また日本の環境教育もみんな学校教育や家庭教育の中で受けていて、みんなそれぞれが一定の知識があることもお互い知っている。(地球温暖化ってなんだろう、大気汚染ってどうやってなるんだろうとかってね)


つまり、お互いのバックグラウンドが違うために話が全然進まないのと

そもそもみんなそのプログラムをよく理解していないため話が全然進まないのと

私のスペイン語という語力不足と

脱線しまくる傾向にある人々。

そういう感じで日本とは同じように行かないんですよね。

協力隊として活動する中で大変なことはたくさんありますが、たとえば大変だな~って思う一つの例はこんな感じです。


さて、私は今まで誰もなにも協力してくれない中、町をなるべく知ろうといろんな人に話を聞いてきて、やっと農業と教育と観光の3本で計画を立てました。この3つだけでも相当大きなテーマで、どれも深くはできませんが、でも種を植えるならそれでいいのかなと理解して進めようとしています。

ただでさえ、この3つの大きいテーマにあっぷあっぷしていて、ああすればよかったこうすればよかったなんてことはたくさんあるのに、

加えて環境がテーマに入ってくるともう収拾がつかない。

前のカウンターパートが変わって、配属先の町役場も組織として変更があって私たちの部署は環境課と観光課と農業課がなくなり、「環境、観光、農業」を含んだ経済開発課になりました。

でも前の環境課の課長が経済開発課の課長になったことで、仕事の8割が環境寄りになっています。そのためのしわ寄せが私の活動にも来ていて、環境的な活動を求められているということです。

でも、言うて経済開発課なのに、環境のことばかりでいいのだろうかとも思うし、でも観光も農業もやるひとがいないので、お金もないし、仕方ないのかとも思うし

しかしながら私は環境について何かの経験や知識があるわけでもないし、正直環境については他にたくさんの人が知っているしできるのに私が駆り出される理由がなかなか理解できないし(日本の事例を紹介してくれ的なのならわかるが)

私としては、ようやく少し動きがうまれそうな農業と教育に集中したいのだが。


放任にされまくっていた前の上司とは違い、今回の上司は私を巻き込みたいみたいである。

巻き込みたいというのはまだいいのだが、私としてはそれはもっと前半でお願いしたいところで、2年の任期が折り返しそうなこのタイミングで巻き込まれても、放任されていた活動が自分の足でようやく進めていけそうという時だったので、んんんんんん。。。。。。って感じ。

自由が利かないしなあー。


前の上司(カウンターパート)は最初こそ全然私の存在を理解してくれなくてそのたびにたくさん説明して報告書も提出して、後半ようやく理解してくれて、活動にも参加してくれそうな勢いさえあったのに

今回の上司(カウンターパート)も同様に全然私の存在は理解していなくて、また一から伝えて行かないといけないことが何より負担。

コミュニティ開発隊員だし、現場のことをもっと知りたいから土日も平日も、業務時間に関わらずいろんなところを動き回りたいけれど「平日8-16でオフィスにいるべき」というような謎の風潮がなかなか動かせてくれない。もやもやする。。オフィスにいてもしょうがないんだけどなー

かといって、じゃあ外に出て明日にでも成果出せますか?なんてそんなことは無理だし、外に出て現場を知ることの重要性をうまく説明していくべきなのだけれど、私でさえどんな現場なのかも知らないのにその現場を予測してこんなことができます!なんて説得も難しい


はあ。。。広いなあ、任地。(香川県の7割の面積をもつ)

かたいなあ、上司。。


協力隊員は小型二輪を利用する人以外バイクは乗れません。

そしてそのバイクを乗れないことがたぶん60%くらい活動を妨げています。そのことも、前の上司には説明しまくって、後半は理解して私ができる範囲での活動を一緒に考えてくれました。

でも今回の上司にはまだ時間が足りないのか、移動の話になると「JICAに早くお願いをしなさい」と言われる。

「彼らは許可することができないから、無理だから」といっても「JICAにお願いしてバイク乗れるようになるかなんか車を用意してもらいなさい」と言われて平行線。


上司が変わって、店長が変わって、職場の雰囲気が一切変わるなんて、どこでもある話だけれど、

日本にいたときはそんなの全然へっちゃらだったけれど

「住民の収入向上」という目標を掲げられた任期2年、協力者0のボランティアとしては、そんな簡単に上司が変わって政策が変わられるともう負担でしかない。


なんかうまい方向に転がってくれるといいのだけれどなあー。

全然話なんて聞いてくれる上司ではないけれど、折を見て説明していかないといけないのだろう。

骨が折れるなあ。。



ということでこの辺で。長くなりました。

おやすみなさい。

いいなと思ったら応援しよう!

いくみ 
サポートありがとうございます!! いただいたサポートはペルーでの活動費用、地域や国際協力についての学び、出張費に使わせていただきます。