予防接種の証明
予防接種は面倒だけど、受けなきゃいけない。
しかし、受けたところで証明できなければ意味がないこともある。
大事なことは致命的な病気に感染せず、人にも感染さないことなのだけど、そもそも証明できなければ入国させてもらえなかったり、活動が制限されたりする国もあるのだ。
予防接種の証拠と言えば、日本では母子手帳。
生まれる前から小学校前くらいまでの、母と子を結びつける猛烈にプライベートな情報満載の母子手帳。
身長体重寝返り時期はもちろん、母親の体重に当時の仕事内容、なんだかわからないアプガー指数。下手したら妊娠中のポエムちっくなひとことまで書き込まれた、人生最初にして最高機密の記録簿。
子どもが小さいうちは引っ越し・転校・病院・・何かと母子手帳が必要だと言われる。むしろ母子手帳さえ安心と言っても過言ではない。失くしでもしたら、生まれた証拠が消えてしまうんじゃないかと言うくらいの大問題だ。
ところが、一歩海外へ飛び出れば、そんなぼろい帳面は一切役に立たない。
生まれたときの様子も、予防接種の履歴も、親の目安でしかない。
そんなわけで、海外渡航の際には、新たに英訳した証明書を発行してもらい、場合によっては外務省でアポスティーユという証明書の照明みたいな判子をつけてもらわなければならないのだ。
というわけで、市の保健センターで証明書の発行ができるか聞いてみた。
10年前は予防接種を横浜の検疫で受けながら最後に発行してもらったが、今回は横浜検疫まで行く必要がなさそうだったからだ。
「マイナンバーがわかればできますよ」
と言われ、おお、役に立たなさそうでこういうところで記録がまとまっているのはさすがだなと思って、マイナンバーを告げると、全然接種履歴がない。
「転入してきました?」
そう。転入なんてもんじゃない。めっちゃ出入りしてる。
子どもは3人とも生まれた場所が違うし、予防接種をした場所なんてあちこち過ぎてどこだかわからない。
「こちらで受けられたものじゃないと履歴の確認がとれないんです」
マイナンバーって、市内特有?SUICAとTOICAみたいな感じ?
申請は市民課だったけど、国内であちこち紐づいて便利になるって話じゃなかったっけ。
「ちょっとお調べしますが、もしできなかったら、母子手帳をご持参ください」
まさかの母子手帳だのみ。
・・・。生まれてから死ぬまで同じ自治体で収まる前提なんだろうか。
そりゃマイナンバーカード普及進まないやと思った。
今回予防接種の確認をしてもらって、逃していたものが1つ、まだ間に合うものが1つあった。長女の日本脳炎は特例措置期間だったからラッキー。
しかし、予防接種の受けられる期間内に自治体をまたぐ転居があった場合は予診票はそのまま使えないし、一斉接種じゃない年だと自分から調べないと教えてももらえないし、人生を通したスケジュールを管理しなくちゃいけないから大変だ。
逃したMRと日本脳炎は痛いが、気を引き締めて準備をせねば。