「『育休1年+時短勤務で昇進もしたい』は正気の沙汰ではない」のか?
育休&共働きコミュニティikumado代表 千木良直子
なかなか難しいけど狂気は言い過ぎではないですか。。。
PRESIDENT Onlineの2024年5月18日の記事「『育休1年+時短勤務で昇進もしたい』は正気の沙汰ではない…『子持ち様VS非子持ち様』の対立が起きる根本原因」を読んで、驚きました。
長い会社員人生、1年育休を取って2~3年時短勤務を取ったことがあるとして、その後昇進したいと思ったら「気が違ったと疑われる」のですね。
この記事の感覚が「普通」なのであれば、「2025年までに女性役員の比率19%」という政府の目標もなかなか難しいと言わざるを得ません。
短い時間でいい仕事できる人が昇進すれば?
ikumadoという育休コミュニティを運営していますが、時短勤務だからこそ時間あたりの生産性が磨かれた人がいます。短い時間でいい仕事をする人のほうができる人ですよね。昇進するべきでは? わたし気が違ってますかね?
子持ち様VS非子持ち様の対立は、子持ちの人の家庭の事情で非子持ち様に仕事のしわ寄せが行くことで生まれます。仕事量が多い中で、急に稼働できる人が減れば周りの負担になります。
しかし、子持ちで時短の人材がマネジメント職に就いた場合、その役割は、作業ではなく判断、つまり、就労時間の長さに左右されるものではなくなります。ikumadoでも、むしろ昇進した方が自分の裁量で時間を使えるようになり、会社からの評価も期待も上がっているとの声も聞かれます。
育休・時短は多重ロールをやりくりするマネジメント研修
メンバーになにかあったときにフォローするのが上司でしょう、という「普通」「常識」があることは知っています。急なトラブルや部下の休みをフォローすることも大事だと思います。
ただ、しっかり周囲とコミュニケーションを取り、組織の課題に向き合ってマネジメントすることが、管理職の仕事の本丸ではないでしょうか。そこに優れている人がいたら、数年前に育休や時短を取っていたからって昇進させない理由になるのでしょうか。
育休・時短は、乳幼児育児という過酷で尊い職場での一時期の出向や副業と捉えてはどうでしょう。企業がお金を出して研修させている「越境学習」の好機と言えます。別のコミュニティの視点が身につく、パラレルで考えられるようになる、他者の気持ちに敏感になるなど、マネジメントスキルが上がります。
「仕事優先の姿勢を崩さず」と「結果を残す」は同等?
家庭を持たず(あるいは家庭があっても)仕事優先の姿勢を崩さずしっかり結果を残すなら昇進、とのことですが、どんな姿勢でもしっかり結果を残すなら昇進でよいのでは?
「仕事優先の姿勢を崩さず」と「しっかり結果を残す」が同じように重視されていることに大きな違和感を覚えます。仕事が優先のときと、家庭が優先のとき、どちらもあります。時短勤務でも、勤務時間中は家庭より仕事を優先していますよね。「崩さず」の部分が24時間求められれば残業しますという姿勢なのでしょうか。
それは少子高齢化も進みますね。。。
北欧では短い時間で価値を生み出す人が昇進する
「『子どもとの時間も自分時間も昇進も』はどの国でも不可能」というくだりもあります。しかし、北欧など生活の質を大事にする文化の国では不可能ではありません。
家庭も仕事も自分も大事にする人財が、組織のチャンスになる
いろんなものを大事にする人生は、カオスです(笑)。いろんなステークホルダーとたくさんのゴールを目指したプロジェクトが併走します。
その「越境体験」で、変化を恐れず、ビジネスの波に合わせて意思決定できる人財が育ちます。どんどん昇進して、イノベーションの起点になってほしい!
VUCAの中、昇進するには育休を取った人のほうがいい、時短で生産性が高い人のほうがいい、という時代がくるかもしれません。
ikumadoの参加方法
ikumadoは、大好きな子どもも、夫婦どちらの仕事も、ぜんぶ大事にしたい、そんな想いがあれば、妊娠中、育休中、復職後いつからでも、無料で、無期限で、自分のペースで参加できます。
参加ご希望の方は、入会フォームを送信後、Facebookグループにご参加の申請をください。
また、各SNSでも子育てTips、イベント情報、開催報告をお届けしています。ぜひ、フォローしてみてくださいね!
・ikumado公式サイト:https://ikumado.net/
・Facebook:https://www.facebook.com/ikumado
・Instagram:https://www.instagram.com/ikumado/
・Twitter:https://twitter.com/Ikumado1