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ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサート


Chère Musique



今年の感想の一番は、「演奏者から引き出す」です。


ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサート。
日本にとって特殊な一年の幕開けになってしまったので、いつもの生中継ではなく録画放送となりました。

あの音に自分を浸して心新たに新年を走り出す、といういつものスタートを切れず、何となく始まってしまってからはいつの間にかまた仕事に追われて、なかなか「さぁ!観よう!聴こう!」とはなれなかった期間が続き、二週間も経ってからやっと観ました。


そういう方がとても多かったのだと思います。
Eテレで1月28日(日)午前1:35〜4:25、つまり感覚で言うと27日(土)の深夜に、また放送してくれるそうです。
録画しそびれた方の再チャンスですね。

ゲストの久石譲さんがおっしゃっていたとおり、コンサート全体の流れがひとつの音楽作品のようなプログラムでした。

毎回ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とその年の指揮者とで何回も話し合いをして演目を決めるそうですが、今年はかなり強く指揮者の意向が反映されていたようです。
クリスティアン・ティーレマンの指揮は、「あなたたちはどうしたい?私はこうしたいよ!」という対話が伝わってきました。

このコンサートでは初めての曲や珍しい曲がたくさんあり、その順番もとてもよく練られていた。
いつもよりも時間が短く感じられました。


慣習の中にも新しいことや新しい考えを躊躇なく取り入れる。
オリジナリティを強めることによって、楽な気持ちで臨む。
演奏者がどうしたいかを充分に汲み取ろうとする。
今年は、こんな点を見習ってやっていこうと思います。


来年はリッカルド・ムーティ!
あの史上初の無観客ニューイヤー・コンサートを振って世界を勇気づけた、世界の音楽ファンのヒーローが帰ってきます。

「、、、しかし今私たちはここにいて、音楽が運んでくれるメッセージを信じて演奏しています。音楽家には武器があります。これは人を殺さない、花ともいうべき、音楽という武器です。音楽は喜びや希望、平和、兄弟愛、そして何よりも大文字のLで始まる愛をみなさまにお届けすることができます。
 音楽が大切なのは、よくいわれるようにエンターテインメントであるからではありません。私たち音楽家にとって、音楽は仕事ではなく、使命なのです。。。。」

アンコールの前の恒例の挨拶が熱いスピーチとなり、あの時から私はこの言葉に支えられ、自分の音楽活動に何があっても怯むことはありませんでした。

またあの巨匠の指揮で聴ける来年が、とっても楽しみです。




さて、やっと!今年に向かってアクセルを踏みます。



Musique, Elle a des ailes.

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