司書のしごと 図書館マスターになろう①
「ハードルがたかい」
「時間がない」
「うまく読めない」
初めての読み聞かせ、子どもへの読み聞かせ。
読み聞かせ=難しいと感じる方も多いですが、難しく考える必要はありません。
できる時に、できることをの精神で、読める時に読める本を読める量だけ読むのもいいです。
読み聞かせに正解も答えもありません。
私が司書の仕事を7年勤めさせてもらい、子育てを経験できてたどり着いた結論です。
確かに、
・声色をつかわない。
・見やすいように本にあらかじめ折癖をつけておく
(借りている本ではやらない方がいいかと。)
・感想を求めない
と言われますが、自分の子どもや近しい人たちにむけて読むときに気にすることではありません。
公の場で読むときは、多少気にする必要はあるかもしれませんが、基本的には
その場にいる方たちを
いかに楽しませるか、
いかに本の世界に引き込むか、
だと考えます。
読み聞かせの話が長くなりましたが、読み聞かせについてはいずれ書こうと思っています。
今回は、私のしてきた学校図書館司書のお仕事について書きたいと思います。
どんな仕事?
多岐にわたります。
今回は、公共図書館の司書さんも取り組んでらっしゃるお仕事を紹介します。学校図書館の仕事として特徴的なものは、次回紹介します。
➀貸出・返却・予約・レファレンス
②本の配架、掃除、蔵書点検
➂図書館祭り
④他施設との相互貸借
⑤ボランティアさんとの連携
⑥本の修理や読み聞かせ、本以外の資料保存
上記6つの項目で紹介します。
かなり凝縮して書いたので、こまごました仕事は他にもたくさんあります。
おいおい書ける時にこの場で紹介します。
➀貸出・返却・予約・レファレンス
耳慣れない言葉がでてきましたね。
レファレンスは、利用者の方から
例えば
「アリについて調べたいから、アリのこと載ってる本かしてください」
「メガネかけた、小さい探偵のお話。中身は高校生のやつ」
(ピンときた方、趣味があいますね)
などなど、本の名前を当てるものから、内容を覚えていないと答えられない難問まで多岐にわたります。
まるで本の探偵のよう。
探偵ものが大好きな私は、もぅこの仕事が好きでたまりませんでした。
②本の配架、掃除、蔵書点検
配架は返された本をもとの位置に戻すことです。
学校図書館では、委員会の子どもたちがお手伝いをしてくれたり、掃除の時間には子どもたちが掃除にきてくれてとても賑やかでした。
公共の図書館では、ボランティアの方が戻してくれたり、ブックトラックという返された本をおいておく移動式の棚に、ある程度たまってから戻していました。
また、この時に本の表面をふいて掃除をしてもらっていました。
毎日たくさんの子どもたちが手をふれるので、なかなか素敵な汚れっぷりでした。
蔵書点検では、迷子の本がないかを探します。
お店の在庫を確認する作業と似ています。
全ての本のバーコードを、バーコードリーダー(セルフレジで商品のバーコードを読み取るあれです)で読み込み記録していくので長期休業中に行っていました。
読み込む本が少なくてすむように、長期休業前には普段借りられる冊数より多くの冊数を借りられるようにしていました。
➂図書館祭り
読書週間、読書月間と称して図書館でたくさん本を借りたり、普段利用しない児童にも利用してもらおうという取組です。
企画はそれぞれなのですが、私が学校図書館司書教諭の先生と企画していたのはこちら。因みに企画したあと職員会議にかけて意見をもらっていました。
・ミニ本作り(豆本と呼ばれる小さな本を作る体験会)
・読書ラリー(100冊達成したらしおりがもらえる。10冊ごとにシールプレゼント)
・地元の落語研究会の方や人形劇の方を呼んで公演してもらう。
・おすすめの本郵便(ハガキにおすすめ本を書いてポストにいれてもらう。それを学年問わず振り分けて戻し他の人の書いたおすすめ本ハガキが届く。)
・先生のおすすめ本(先生がおすすめ本を持った写真をとり、その下に簡単なおすすめ文をそえてもらう。)
やはり子どもたちからの先生方の信頼感は抜群で、これが一番人気でした。
あげるときりがありませんが、子どもたちが楽しめて、普段図書館を利用しない子も来てくれるきっかけになるよう、様々な企画をたてていました。
④他施設との相互貸借
自校の本だけで、学校の授業で使える本を全て網羅するのは予算の面でも難しいです。
そこで、相互貸借です。
私の勤めていた市では、他の学校図書館や市立図書館と分館全ての本を貸し借りすることができました。
パソコンで全て一括管理されていたので、書名がわかっている本は書名リクエストをかけ、わからないものはテーマ、必要な冊数、使う学年、貸出期間等を連絡し、それぞれの学校図書館司書さん達が吟味してくれたものを運んでもらい学習が終わると返却するという仕組みをとっていました。
運んでくれていたのはシルバー人材派遣センターの方々でした。
曜日ごとにまわる方向が違いましたが、3日あれば学校にない本でも手元に借りることができたので、大変助かっていました。
⑤ボランティアさんとの連携
市立図書館では、
読み聞かせや人形劇、
ペープサート(ホワイトボードのようなフェルト地の上に、2次元人形劇を繰り広げるもの。子どもたちの目は釘付けです。)、
エプロンシアター(エプロンのポケットに人形が入っていて、ポケットから取り出しつつ話をすすめる物語。こちらも子どもたちの目は釘付けです。)、
布絵本づくり
不要になった本の収集と売買
本の修理
など、ボランティアの方たちと協力・連携して行っていました。
学校図書館では、
布絵本や不要本の収集などは行っていませんでしたが、他はほぼ一緒です。
朝の読み聞かせは一斉に全クラスに入って読み聞かせをしてもらっていたので、一人の身体だと限界があるので大変助かっていました。
また、壁面装飾でも、アイディアが豊富な方や手先が器用な方がいらっしゃって子どもたちが喜ぶ装飾がたくさんでき個人的にも楽しかった思い出があります。
本の修理は専門的なことも多かったので、市立図書館で本の修理に詳しい方に来てもらい、講師になっていただき講習会を開いたこともあります。
ボランティアの方々も勉強になった、自信がついたとのことで好評でした。
⑥本の修理や読み聞かせ、本以外の資料保存
市立図書館には本の修理専門で働いている方もいました。
たくさん借りられるということは、それだけたくさんぼろぼろになるということ。
本にとっては嬉しいことなのかもしれませんが、毎日たくさんの本が修理に訪れていました。
簡単な修理は子どもたちに手伝ってもらい、本を大切にする気持ちも育てられるよう工夫していました。
読み聞かせは、市立図書館は毎日、学校図書館は朝学習もあったので学校によって異なりましたが、私の勤めていた学校では週1回行っていました。
卒業間近になると、寸劇のようなブックトークも行って中学生になる子どもたちに伝えたいことを私なりに伝えていました。
新聞やパンフレットも貴重な資料です。
宿泊学習や修学旅行で行く場所の地理や観光を調べることもあり、そんな時には新聞やパンフレットが活躍します。
本だけだと大人向けの本でフリガナがなかったり、完全な旅行雑誌で土地のグルメしかわからなかったりすることも多く、具体的な地域の歴史や特産物、グルメではない有名な施設など細かい情報が得られないことが多かったです。
しかし新聞やパンフレットだと地方紙で具体的なことが知れたり、有名な施設のパンフレットで詳細がわかったりして行く先のことが先にわかることで、より学習の要素を強くすることができました。
今回は、司書のしごと 図書館マスターになろう①ということで紹介しました。
今はネットで色々調べられると思いますが、学校図書館で実際に働いている方は少ないと思います。
私の経験が少しでもみなさんのお役に立てればと思います。
次回は、司書のしごと 図書館マスターになろう②で続編を紹介します。
続編は、学校図書館司書ならではの仕事を書いていきます。
仕事をする上での思いや大切なことも伝えていきたいのですが、愛があふれて文字数が多くなってしまったら割愛して別な機会になるかもしれません。
ご了承ください。
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