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日曜日の小学校でなにがおこっている?

あなたが帰った後の職場、学校、誰もいない時の家。

そこで何がおこっているか、あなたは知っていますか?

と、言ってもホラーではありません。

私はホラーやスプラッタ系は苦手なので本でも読めないのですが(そういう経験をする職業についてる方、得意な方、本当に尊敬します!)今回はホラー話ではありません。

違う方が書けばホラーになってしまう題材を、楽しく明るく読める本にしてしまう作者さんの腕のすばらしさ。

今回の舞台は、日曜日の小学校。
だれもいない中【もの】たちがなにをしているか、
考えたことありますか?

あらすじ

「ここは せんねん町の まんねん小学校」

からはじまる、

小学校にある色々な【もの】たちが関西弁で繰り広げる、面白くて心の温まるお話です。

特に息子のお気に入りは

『資料室の日曜日 にげたひこぼしをさがせ!』(著:村上しいこ/絵:田中六大/講談社/2024.5)です。

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ある日、鹿のはく製の【歯】がなくなり、資料室のみんなで歯を探しますが、みつかりません。

先週の日曜日、鹿のはく製がでるねん寺まででかけていたことがわかり、みんなはでるねん寺まで鹿のはく製の歯を探しに行きます。

でるねん寺には初めてみる女の子がいて、その子がひこぼしを探しているという。女の子の正体はなんとおりひめだったのです。
みんなは、ひこぼし探しを手伝うことになりましたが、鹿のはく製は自分の歯を探すことに。

さて、無事にひこぼしと歯はみつかるのでしょうか?

出逢い

以前から作者である村上しいこさんは存じていたのですが、実はじっくり作品を読んだことがなく
「今までなんてもったいないことをしていたんだ!」
というくらい素敵な出逢いとなりました。

最初に読んだのは

『やあ、やあ、やあ!おじいちゃんがやってきた』(作:村上しいこ/絵:山本 考/BL出版/2013.9)

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で、この本も息子にばかうけでした。

簡単にあらすじを書きますと。

ぼくのクラスに転校生がやってきた。
「やあ、やあ、やあ」と教室にはいってきたのは、なんとぼくのおじいちゃん!
おじいちゃんの席はぼくのとなり。

音楽の時間がはじまるとみんながカスタネットをたたく中で、おじいちゃんはカスタネットを持っていなかったので先生が貸そうとすると、おじいちゃんはそれを断りなんとアレで代用したのです。

と、これだけでも興味をそそられますよね。


もう1冊紹介します。
『げたばこかいぎ』(作:村上しいこ/絵:高畠 那生/PHP研究所/2022.3)
は、2冊目に読んだ村上しいこさんの作品です。

https://m.media-amazon.com/images/I/51m7L0FHK6L._SY445_SX342_.jpg

こちらもあらすじを少しだけ。

ぼくが夜寝ていると
「はやくきてください。げたばこかいぎがはじまりますよ」
という声がきこえました。

寝ぼけまなこをこすって部屋の入り口をみるとぼくのスニーカーがたっていました。
言われるがまま、スリッパをはくと僕の身体は小さくなっていきました。

げたばこの中の部屋では、ある議題でもちきりでした。
その解決を任されたぼくは・・・。


日常の中の非日常をおもしろく、楽しく、ただその中でも人として大切なことを伝えてくれるお話が満載です。


感想と次回予告

日曜日のシリーズでは、小学校を舞台に色々な【もの】が活躍する中で、様々な考えや思いをもっている子どもたちと重なりました。

それぞれの【もの】に性格があり、言葉の発し方や捉え方の違い、行動の起こし方の違いなど個性あふれる仲間たちがみんな人のようで、その中で

思いやり
友情
いじめ
行動することの大切さ

など身近で起こりうる問題や気持ちの機微をコミカルにえがいている作品です。

児童書なので子どもが読んでももちろん面白いですが、大人が読むとまた違った目線で見られるのも面白さの一つです。

勝手な解釈ではありますが、

「作者の伝えたいこと、意図はここにあるのでは?」

とか

「この伏線ここで回収されるのか!!」

とか、子どもの頃に読んで気が付かなかった部分にも気が付けるので、息子にも一度読んだ本であっても年齢を重ねてまた読んでほしいです。


次回は コーヒーブレイク ということで、
本の紹介ではなく、私のしていた学校図書館司書の仕事について書きます。

司書のお仕事に興味があったり、仕事にしたいと思っている方、裏でどんな作業をしているのか気になる方など色々な方に読んでいただければ幸いです。

本の紹介の合間に、ちょこちょこ学校図書館司書のことや図書館のことについて書きます。
よければお付き合いください。

<参考文献>
・『日曜日の資料室 にげたひこぼしをさがせ!』(著:村上しいこ/絵:田中六大/講談社/2024.5)

・『やあ、やあ、やあ!おじいちゃんがやってきた』(作:村上しいこ/絵:山本 考/BL出版/2013.9)

・『げたばこかいぎ』(作:村上しいこ/絵:高畠 那生/PHP研究所/2022.3)


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