4月28日 佐々木 常夫氏 ご逝去

5月8日付け朝日新聞朝刊の訃報欄で、元東レ経営研究所所長の佐々木常夫氏が4月28日にガンでお亡くなりになったことを知りました。79歳だったそうです。

私が佐々木氏のことを知ったのは、2006年に出版されてベストセラーとなった『ビッグツリー 私は仕事も家族も決してあきらめない』でした。

自閉症の長男と、肝臓病とうつ病のため入退院を繰り返していた妻の育児・介護をしながら、東レの社員として大きな実績を残してこられたその半生を書いたものでした。

「ビッグツリー」が出版された2006年、私は40台前半で仕事も面白くなってきたころでした。また、長男がASDの診断を受けて間もないときでもありました。その頃の私は、働き方や生き方・考え方に迷いがありました。

そんなときに出会った『ビッグツリー』は、その後の私の働き方や生き方の大きな指針となりました。

特に「残業のない職場を作る」ための様々な工夫や、仕事と家庭に対する考え方、そしてその哲学に基づいた職場改革はすばらしく、「こんな上司であればなぁ」、「もし自分が上に立つ日が来るならこんな上司でありたいなぁ」と憧れました。

佐々木氏が提唱された「佐々木常夫流 仕事の進め方10か条」があります。
(こちらのnoteの記事から引用させていただきます↓)

佐々木常夫流 仕事の進め方10カ条

1 計画主義と重点主義
仕事はすぐに走り出してはいけない。計画を策定し、重要度を決めてから優先順位を決めて動き出す。

2 効率主義
仕事は、常に最短距離で処理をすることにこだわる。

3 フォローアップの徹底
みずから決めた計画を軌道修正しながら目標に向かう。

4 結果主義
仕事はプロセスも評価されるが、結果で評価されるものと心得る。

5 シンプル主義 
話や資料はムダをそぎ落とし、徹底的にシンプルにを心がける。話の長い人ほど、その要点を掴んでないと心得る。

6 整理整頓主義
仕事のスピードアップのために、資料や情報は常に整理しておく。探す時間はムダと心得る。

7 常に上位者の視点と視野
仕事は、自分より上の立場ならどう考えるか?という意識で臨むと成長につながる。

8 自己主張の明確化
自分の考えをきちんと持つ。

9 自己研鑽
自分を向上させるための自分磨きは自腹で。

10 自分中心主義
自分を大切にする人は、人を大切にする。

育児や介護と仕事を両立させている方々に、ものすごく仕事ができる方が多いのは、否応なく上記10か条を実践されているからかもしれません。

この本に出てくる佐々木氏のお母さんのことばがまた素晴らしいのです。

運命を引き受けて、その中でがんばろうね。

がんばっても結果が出ないかもしれない。

だけど、がんばらなければ何も生まれないじゃないの。

『ビッグツリー』


☆『ビッグツリー』には新版ができているとのこと↓

オフィシャルサイトには、佐々木さんのコラムや著書の紹介もあります。


佐々木常夫氏のご冥福をお祈りいたします。
ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?