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【本の紹介】どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる(和田秀樹著)

和田秀樹さん、あまりにも次から次に本を出版されるので、私は避けておりました。

気になってしょうがないくせに
「私は流行にはのらん」
と横目でチラッとみながら興味のないフリをして通り過ぎてまいりました。

けれどもこのたび我慢の限界を超え、ページをめくってしまったのでした。

似た題名の著書『すぐ死ぬんだから』(内館牧子)についてはこちらで紹介しております。

著者について

ご存知の方も多いと思いますが、著者の和田秀樹さんについて簡単にご紹介。

1960年、大阪生まれ。
灘中灘高。東大医学部卒。
高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたり高齢者医療の現場に携わっている。
(本著 著者略歴より抜粋)

あら、私と同年代だったとは。もっと先輩だと思っていました。

内容について

どこかで読んだような気がする

何だかどこかで読んだことがあるような気がするなぁ…
と思って考えてみると、こちらの本でした。

久坂部 羊さんの『人はどう死ぬのか』。
久坂部さんは1955年生まれ。
高齢者医療に長く携わっておられる方です。

和田氏も久坂部氏も、現代(令和)の高齢者医療や高齢者の生き方について、ほぼおなじベクトルの問題意識を持っておられるように感じました。

印象に残ったフレーズ

『どうせ死ぬんだから』の中で印象に残っているフレーズをいくつかご紹介します。

私が1988年に高齢者専門の総合病院である浴風会病院に勤務して以来、およそ35年にわたって高齢者を診てきたなかで生じた結論が「人間はどうせ死ぬのだから、いまを楽しみ、いまを充実させたほうが、先の心配をするより、よほど現実的」だということです。

健康を気遣い、食べたいものを我慢しても、~(中略)~残念ながら死ぬときは死にます。
~(中略)~
そういうわけもあって、私は血糖値を300㎎・dlくらい、血圧を170mmHgくらいでコントロールして、酒も食べたいものも我慢しません。多少早く死んでも、いまの生を充実させたいからです。

『どうせ死ぬんだから』はじめに

「先の安心」がないと心配になってしまう私にとっては、実はこれが難しいのですが…
けれども考えてみると、「先の安心」などというものはどこまでも得られるものではないのかもしれません。

(スウェーデンでは)スプーンで食べ物を口元に持っていったときに食べようとしなければ、もうこれは「神の思し召し」ということで点滴もしない。もはや生きる意志がないものとして、その後は基本的に延命治療をしないという社会的合意ができています。これも実は、寝たきり老人がいない一因なのです。

『どうせ死ぬんだから』スウェーデンに寝たきり老人はいない

これは信仰心がないとできないかも…。
少なくとも自分の親が食べようとしなくなったら点滴してもらうでしょう。
けれども自分自身がそういう状況になったら点滴してほしくないかもしれない…。

日本人の平均寿命は、2021年時点で男性が81.47年、女性は87.57年になりました。世界トップレベルの長寿国です。しかし、平均寿命が50年を超えたのは戦後、団塊の世代が生まれた1947年のことです。その前年に新聞で連載が始まったのが人気漫画「サザエさん」でした。~(中略)~波平さんは54歳、フネさんさんは50ン歳(諸説あります)という設定です。

『どうせ死ぬんだから』「サザエさん」の波平さんは54歳!?

この70年ほどで平均寿命が30年以上伸びたのですね。
栄養状態がよくなり、医療が発達したおかげで、乳幼児の死亡率が減少し、昔は治らなかった結核などの病気が治る病気になったということでしょう。ガンも治る病気になってきましたものね。
それにしてもあの波平さんが54歳とは!

…高齢者にとって、脳機能、運動機能を維持するためには「使い続ける」ということが重要なのです。
とにかく動く、とにかく頭を使う、身体と頭を使い続けることを心がけてください使えば使っただけ、老化を遅らせることが可能です
逆に、身体が動かないとき、体調がすぐれないときに「もうだめだ」と落ち込むと、いよいよ体や脳の老化を進めます。マイナス思考に陥りそうになったときは、「なんとかなるさ」とつぶやいてみるといいでしょう。たったこれだけのことですが、脳内にドーパミンという「やる気ホルモン」が出ます。
脳は思いのほか単純にできていて、自分の言葉を信じる性質があるため「なんとかしよう」と奮起して、意欲が高まるのです。だまされたと思ってやってみてください。

『どうせ死ぬんだから』とにかく動き、とにかく頭を使う

あ~、この夏暑すぎてほとんど動いてない~。
やばいです。
でも、なんとかなるさ!
あ、使う場面を間違っている?


他にも、

  • ぽっちゃり小太りがいちばん長生きする

  • 「食べすぎ」より「食べなさすぎ」の方が危ない

  • 認知症は病気ではなく老化のひとつ

  • みんなでボケれば怖くない

  • 「うつ」にならないためにセロトニンを増やしておく

  • セロトニンを増やすには肉・魚・大豆製品・乳製品・バナナなどがよい

  • 人生の終盤は、正々堂々と社会に貸しを返してもらうつもりで、迷惑をかければいい

  • 理想の老人は品良く、賢く、おもしろく

これから20~30年くらい続くかもしれない人生の見通しがつくような内容でした。

できるだけ食べて、できるだけ運動をして、
そして毎日noteを読んで書きます👍



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