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そういうものにわたしはなりたい

小学生のときだったか、初めて読んだ宮沢賢治の「雨ニモマケズ」
(現代かなづかい)

雨にも負けず 
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫な体を持ち
欲はなく 
決して怒らず
いつも静かに笑っている
1日に玄米4合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし 分かり 
そして忘れず
野原の松の林のかげの
小さなかやぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行って怖がらなくてもいいと言い
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろと言い
日照りのときは涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにデクノボーと呼ばれ
ほめられもせず 
苦にもされず
そういうものに 
私はなりたい

若いころ、自分はそういうものになれないけれど、そういう人にもし出会えたら、その人のために尽くしたいと思った。

今でも、そういうものになりたい、と思っている人が私は好きだ。

なりたいと努力している風には見えないけれども、そういう生き方をしている人がいる。素敵だなあと思う。

私も、そういうものになりたい、と思う。
あと何年生きたらそういうものになれるだろうか?
ただ生きてるだけではだめだな。



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