【特別支援教育】ウイリアムズ症候群のマサルくん
ウイリアムズ症候群という障がいのあるマサルくんは、支援学校の小学3年生。ウイリアムズ症候群は1〜20000人に1人くらいに染色体の異常によって現れる難病です。
心臓に疾患が起こりやすく、マサルくんも生まれてすぐに心臓の手術をしました。ウイリアムズ症候群といってもさまざまで、わからないまま大人になられる場合もあるそうですが、マサル君の場合は、心臓以外にもたくさんの障害があるので、できないことがたくさんありますし、病気にもなりやすい体質です。
マサルくんは知的障害も重く、おしゃべりができません。一般的にはこの障害のある人はおしゃべりが大好きです。それなのにおしゃべりができないマサルくんは、かわりにずっと声を出しています。
マサルくんはリズム感抜群!太鼓やタンバリンなどの音のなる楽器を前にすると、急に目をキラキラさせます。リズムに合わせてキレッキレのダンスをしながら、歌うように声を出して楽器を鳴らします。
マサルくんは大きな音が鳴るとびっくりして、先生にしがみついて涙を流して号泣してしまいます。
マサルくんはじっと座っていることができません。気になるものを見つけると目をキラキラさせて、一目散にかけていきます。
マサルくんは手先がうまく動かないし、すぐに気が散ってしまうので着替えや食事や歯みがきなどが上手にできません。でも、先生が歌を歌ってあげると歌に合わせてできるようになっていきます。
だから私は、マサルくんと一緒にいるときはたいてい歌っています。そうすると私も楽しくなってきます。
マサルくんは潤んだキラキラした目で見つめながら、何かおしゃべりするように「あー、あー」と語りかけてくれます。私は心がジーンとします。
実は、目が潤むのも瞳がキラキラと見えるのも障がいのためなのですが、人に愛されるためにそうなっているのではないかしら、と思ってしまいます。
マサルくんのお母さん、これまで辛いことがたくさんあったのではないかと思うのですが、いつも明るくて元気です。実に素敵な女性です。
重い障害のあるお子さんを育てていらっしゃるお母さん、お父さん、ご家族には、人に優しくて心が強い方がたくさんいらっしゃいます。そういう方々にお会いすると、私も頑張らねば、と思うのです。
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