【家族の話】入院した父へーラクウショウの生命力を届けるで~
ちょうど2週間前、私市の植物園に行った。
植物好きで、退職後は植物園のガイドボランティアまでしていた86歳の父に、「私市の植物園に来たよ」とLINEで送ると、「ラクウショウの気根が見事ですよ」と送られてきた。
「ラクウショウ」という松は沼に生える。土から栄養を取れないため、「気根」を生やして、そこから栄養を取り込んで旺盛に生きる。「何としても生きる」というとてつもない生命力を感じるのである。
父が昨日入院した。
ずっと肺が悪く、肺炎で入院することはたびたびあったが、今回は胃腸の方を壊してしまったらしい。
木曜の夜から嘔吐があり、金曜に休日診療所を受診。吐き気止めだけ処方されて終了。
翌日土曜の朝、弟に車を出してもらって、抱えるようにしてかかりつけの病院へ。急患扱いですぐにみてもらい、紹介状を持って総合病院へ。
総合病院でいろいろな検査をしてもらい、そのまま入院。
今は鼻から胃に管を入れて、胃にたまったものを抜く、という治療をしている。辛いと思う。
エレベーターの中で看護師さんとふたりになったとき、「救急車を呼んだ方が良かったのでしょうか…」とお聞きすると、「迷いますよねぇ。抱えなければ動けない状態なら、救急車を呼んでいただいていいですよ。」と。
「救急車で行った方が父の体力温存できたかも」という思いと、「父の希望に沿ったのだからそれがいちばんよかったのかも」という思いとでちょっぴり右往左往。
でもきっと、父の希望通りの方が良かったのだと思うことにする。
きっと父は「ラクウショウ」のような生命力で回復するに違いない。
だって、鼻に管をとおしたばかりのヘロヘロの状態なのに、ずっと向こうの方のソファで待っている弟を見つけて、
「おーい!」と笑顔で手を振るんだから。
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