【本の紹介】「いちばんわかりやすい俳句歳時記」
テレビ番組の「プレバト」が好きです。
特に夏井いつき先生の「俳句」が最高!
芸能人のみなさんが詠まれた俳句を、愛ある毒舌をふるいつつ「お直し」をされる様子は実にお見事。
国語の教師時代、俳句の授業には随分苦戦しました。
夏井いつき先生に俳句の授業をしてもらったら生徒さんたちも面白かっただろうに。申し訳ない🙇♀️
今さらですが「俳句歳時記」が欲しくなり、とりあえず初心者用のものはないかとkindleで探してみましたら、Unlimitedで読めるものがあるではありませんか。
俳句の季語が8000語収録してあり、フリガナもついています。そして、それぞれの季語を使った、江戸時代から現代の句が例示されています。
春夏秋冬それぞれの季語は、「気候(二十四節気・七十二候)」「天文」「地理」「人事」「行事」「忌日」「動物」「植物」に分類されています。
私は、俳句歳時記がこんなに面白いものだとは知りませんでした。
松尾芭蕉の時代から正岡子規・高浜虚子の時代を経て現代にいたるまでのたくさんの人々が、季節を感じてきたことばたちが集められているのです。
先日のnoteで、「ヘレン・ケラー効果:ことばを知ると世界が見えてくる」という話を書いたのですが、俳句歳時記を読んでいると、まさにそのような経験ができます。
収録されている8000語のうち、冬の「人事」に関する季語をひとつだけご紹介します。
木の葉髪(このはがみ)
秋から冬にかけ、木の葉が落ちるように髪の毛が抜けること。
・櫛の歯をこぼれてかなし木の葉髪(高浜虚子)
・雑踏に出会へばともに木の葉髪(久保のぞみ)
・これはもう人事ならず木の葉髪(宮原さくら)
最近えらく髪の毛が抜け、「年を取ったんだなぁ」と少々寂しくなっておりました。
けれども、「木の葉髪」という季語を知り、「な~んだ、昔からこの季節は髪の毛が抜けるもんなのか」と思い、「木の葉髪」を詠みこんだ句を読んでムフッと笑い。
そういえば毎年この季節には髪が抜けがちだったかと思い至り、寂しさも逃げていきました。
「俳句歳時記」を片手に散歩をすれば、いつもの散歩道もより面白くなりそうです。
いやいや、生きているだけで面白そうです。