見出し画像

2020年代は報道の在り方が変わります

2020年になって1週間ちょっと。

アメリカがイランのソレイマニ司令官を殺害し、報復合戦に突入。

平和とは真逆に#第三次世界大戦という物騒な言葉がトレンドを占める事態に。

2020年1月8日(日本時間)にはイランが米軍基地を攻撃し、緊張は増していくばかり。

そんな中、CNNの速報を見ていた時に気になったことが。

トランプ大統領が攻撃に対する言及をツイッターで発信し、CNNが紹介。

画像1

そしてそのすぐ後にザリーフ・イラン外務大臣がツイッターを更新。

正に2020年代の「報道」の在りかたを垣間見た瞬間でした。

2010年代までの報道のありかた

これまではマスメディアが主体となり、人民は受動的に情報を取得する時代でした。

記者が取材し、それを新聞やラジオで報道。
情報へのタッチポイントが限られていたため、どんな情報でも鵜呑みにするしかなかった時代。

戦争開戦も新聞で知り、第二次世界大戦の日本では戦争の経緯も大本営発表による報道が主体的に。

画像2

日本軍による真珠湾攻撃の第一報(ホノルル・スター・ブレティン紙)

国民はそういった報道に翻弄されるのですが、情報へのアクセスが限られているので残念ですが仕方のない時代でした。

テレビが出現し映像による、よりリアルな情報と生放送による中継が発達。
ベトナム戦争ではその悲惨さを伝える役目をテレビが担い、アメリカ国内での大規模な反戦運動を後押ししました。

アメリカのベトナム戦争離脱を促した世論の変化の原動力となったのは、メディアのベトナム報道、とりわけテレビが現地から生々しい戦場の実相を国民のお茶の間に直接伝えたことだった。NHKの故斉藤カメラマンの文字どおり命がけの取材の結晶であるフィルムも、アメリカのテレビ局の映像とともに、ベトナム戦争の転換、大げさにいえばそれに続く世界の構造的変化を引き起こす一助になったのだ。
     ベトナム断想Ⅰ テト攻勢―衝撃の一日(友田 錫)2013年3月

恐らく911アメリカ同時多発テロやイラク戦争まではほとんどの人がこういった手段での情報の取得方法しか選択肢はなかったかと。

そしてネット、スマホ、SNSの台頭。

2010年からのアラブの春やシリア内戦から徐々に「個人がメディアになる」時代へと突入していきます。

1次史料の価値が増す時代に

2010年代までの日本ではブログなどの文章が主流でしたが、インスタによる写真共有が台頭し、ニコニコ動画などで流行っていた映像配信の舞台がYouTubeへと移りました。

日本では2010年頃にヒカキンさんがブレイクし、2014年ごろにはユーチューバーやインフルエンサーという言葉が世間に現れ始めました。

画像3


ツイッター、インスタ、YouTube。

これらのツールを軸に日本での報道も大きく変わり、Abema TVなど派生した新メディアも誕生。

個人がメディアに。

歴史学でいう「1次資料」を簡単に、それも映像と肉声でリアルタイムに届けられる時代へと突入しました。

一般人も著名人も報道ができる

2019年にも革新的な事例がたくさん出ました。

香港民主化デモでは学生たちがマスメディアによる偏向報道に対抗するため、自らの情報発信を怠りませんでした。

特にリーダー的役割も担った周庭(アグネス・チョウ)さんは日本語でツイッターを更新。

いまでも現地から日本人への情報を共有を積極的に実施しています。

そして彼女は政治家でもなく普通の学生だったこともあり、政治以外の情報も普通に発信します。

下記は乃木坂46・白石麻衣さんの引退報道を受けてのツイート。

穿った見方をすればこちらはブランディング戦略のひとつかもしれません。
ですが純粋な気持ちで見ると彼女の一面を知ることができ、これも個人メディアによる魅力の一つだと思います。

日本国内では著名人による自主的な会見も目立ちました。

お笑い芸人による闇営業問題で謹慎中だった雨上がり決死隊・宮迫博之さんとロンドンブーツ1号2号の田村亮さん。

釈明会見を開かせてくれない吉本興業にいら立ちを覚え、AbemaTVで自主的な会見を開きました。

画像4

テレビ局や事務所を通さず、芸能人が自らの言葉で不祥事に対する説明を直接できることが証明された瞬間でした。

2020年1月8日には日本から脱出したカルロス・ゴーン被告が自主的な記者会見を開き、その様子を海外の報道局がYouTubeで生中継をしていたのも印象的でした。

会見が終わったあともYouTubeで全編が見られるのでメディアによる切り取りや偏向報道も困難となります。だれでも1次史料にアクセスができるので。
※1次史料が必ずしも正確というわけではないことは意識しないといけません。

画像5

こういった報道形態が今後どんどん増えていくでしょう。

まとめ

個人がメディアになったことで大戦を引き起こす可能性のある大統領や外務大臣までもが自身の考えを発信する時代に。

僕たちは敵国同士の言い分を簡単に取得することができる時代にいるのです。
(あくまで表面上の情報ではありますが)

トランプ大統領は:

イラン攻撃決断なら議会通告はツイッターで十分

とまで言う事態に。

現実味はありませんが、ツイッターが核戦争を起こす可能性だってあるわけです。

今までテレビなどの媒体を一度挟んで享受していた報道。

より速く、正確な情報を得られるようになった一方でかなりゾッとするような時代が到来したなと実感した一日でした。

報道は発達しても、それを利用する人間が発達しないと意味はありませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?