イコマド書籍紹介 -part4-
イコマドでは、7月8日(土)に行われる商標についてのセミナーにむけて、商標関連の図書を集めた特設コーナーをご用意しています。
今回はその中から、商標に興味を持っていただくきっかけになるような2冊をご紹介します。
『 それってパクリじゃないですか? 』
( 漫画 臼井ともみ 原作 奥乃桜子 )
最近、連続ドラマとして放送されたことでも話題の『それパク』。
今回は原作小説が漫画化されたものを読んでみました。
飲料メーカーの知的財産部に勤める新米知財部員が上司の弁理士にしごかれながら、商標乗っ取り事件やパロディ商品の訴訟騒ぎを乗り越えていくお話です。
知的財産とはアイデア、デザイン、ブランド、創作物など財産的な価値があるもののことで、それらを生み出した人がもつ権利を『知的財産権』といいます。
『弁理士』とは、弁護士や公認会計士などと並ぶ国家資格で、知的財産権のスペシャリストです。(マンガの1コマにもありましたが、決して便利士ではありません…笑)
弁理士が登場するお話には初めて出会ったのですが、予備知識のない私にも分かりやすく面白い内容で、あっという間に読み終わってしまいました。
「商標」や「知的財産」などの言葉が並ぶとあまり馴染みのないテーマに感じますが、ふと思い巡らせてみると、日常生活の中で「ん?これってオマージュ?パロディ?パクリ?」と思う場面が往々にしてあって、案外身近な話だと気づかされました。
楽しみつつ勉強になる内容だったので、商標や知的財産について知っていくとっかかりにピッタリな本だと思いました。
『 ストロベリー戦争 』( 南原詠 )
農家たちが何年もかけて開発した新品種のいちご。あとはもう出荷を待つのみという状況で、いちごの名前が商標権を侵害しているという警告書が届く。まだ世に出ていないいちごの名前を、誰がなんのために、どのようにして横取りし、先に商標登録を済ませていたのか? この事態を解決すべく凄腕の女性弁理士が奔走するお話です。
私は、「商標法が守る対象とは、受け皿に溜まってく信用です」という言葉が印象に残りました。"信用"というのは形がなく直接守るのが難しいものだから、その入れ物である商標を登録する制度があるということです。
なんとなくデザインやマーク、商品そのものだけを保護するというイメージでしたが、確かにそこに蓄積されていく信用こそが知財の真価なのだと思いました。
商標とは何か?から入り、品種登録と商標登録の違いまで知ることができ、新たな学びがたくさんありました。また、農作物の世界にも想像以上の凄まじい権利問題が渦巻いていることに驚きました。
最後の最後までどうなるのか全く予想がつかず、読み終わった後は「なんだこのどんでん返しは、、、」と、しばらく爽快感と余韻に浸ってしまいました。あと、無性にいちごが食べたくなりました(笑) いちご好きな方にも是非是非読んでいただきたい一冊です。
冒頭でも少しご紹介しましたが、7月8日(土)に、講師をお招きして商標について学ぶセミナー「商標のイロハ」をイコマドにて開催しますので、ご興味ある方は気軽にお越しください ♪
記:なみ
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