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東京から1時間で川遊びに行けるなんて思ってなかった

東北の田舎町出身だけど、子どもの頃、川遊びをした経験はない。町の中央には、近隣の学校の校歌の歌詞に必ず入っている川が流れているけど、遊ぶ対象ではなかった。

田舎への幻想を抱きがちな夫に「○○川、勝手に入って遊んでたんでしょ?」と言われたこともあるが、そんなわけはない。夏休み前の終業式には、「川や用水路には子どもだけで絶対に近づかないこと」と口酸っぱく言われるのが常であった。

というか、当時の前提として「川は汚いもの」という認識があり、「川遊びができる清流」はテレビの中の世界でしかありえない、どこか遠い存在だと思っていた。大人になり、お金を持ち始めた友人から「キャニオニング」なるワードを聞くようにもなったが、私にとってはまだまだ敷居の高いアクティビティであった。

子が産まれてからも「川遊びは選ばれし者のレジャー」という認識は変わらなかったのだが、子どもが水遊び好きに育ち、じゃぶじゃぶ池では物足りなくなってきた頃。夫の調べにより、東京から1時間圏内で行ける距離に、川遊びを楽しめる場所がけっこうあることに気づいた。

一度行ってみてその魅力にハマると、川遊びはあっという間に我が家のレジャーのレパートリーに追加された。あれ? 私、今まで人生損してた?

実際のスポットをいくつか挙げると、今年も訪れた清瀬金山緑地公園(東京都清瀬市)は、行くたびに「ここは埼玉なのか、東京なのか」という会話をしながら向かう場所。地元以外の人にとって、多摩や武蔵野は何度行ってもなかなか地理勘がつかめない。美しい流れを目にすると信じられない気持ちになるが、ここは紛うことなき東京だ。

「ここは東京」

公園に沿って流れる柳瀬川は、浅瀬がメインで深い場所もなく安心して遊ぶことができる。予約なしでバーベキューもOKとのこと(やっている人を見かけたことはあまりないけど)。浮き輪に乗って川の流れに身を任せてみたり、魚を捕まえたり。のんびり楽しめる。


近年「バーベキュー客のマナーが悪い」と、紆余曲折を経て一部有料になった飯能河原(埼玉県飯能市)も、川遊びだけをするなら無料。

こちらは平和な「無料エリア」

駅近でネームバリューもあるため、いろんな層の人がいそうな雰囲気は感じるけど、無料エリアで遊ぶ分には今のところ不愉快な思いをしたことはない。有料エリアから遡れば遡るほど、流れもゆったりでのんびりムード。夏休みの平日に行くのが◎。


そして、くらかけ清流の郷(埼玉県東松山市)は、我が家が川遊びデビューを果たした場所。次女はじゃぶじゃぶ池やプールよりも前に、ここで水遊びデビューした。夫に抱かれて浅瀬に座りながら、気づくと石をつかんで舐めていたのも微笑ましい思い出。

予約制で利用できるバーベキューもあるのだが、現在は工事で休業中のこと。我が家は川遊びに特化して遊びに行くので、利用したことはないのだけど。バーベキュー利用者がいないためより空いていて、時間帯によってはほぼ貸切という日もある。


安全に遊ぶための条件として、我が家では必ず「川遊び場として公的にアナウンスされている場所」を選ぶようにしている。以前、子どもの同級生のママに「川でとってきたエビを飼っている」と話したら、「教育に良さそうですね」と返されたことがある。教育…? 否、楽しいから行くだけさ!

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