【ネタバレ全開】『夜のクラゲは泳げない』全話通しての感想

始まりがあれば終わりがある、なんてわかっていても寂しいものですね。
『夜のクラゲは泳げない』がついに最終回を迎えました。
個人的な話になってしまいますがここまでエネルギーを注げた、注ぐ気持ちになった作品はなかなかありません。
同じクールの某バンドアニメにも同じくらい注いでますが、それは置いといて。

この記事では最終回まで見終わった上での感想を書いていきたいと思います。
書きたいことが多すぎて&割愛しつつちょっとずつ進めたら随分時間が経ってしまいました。
いくつかの要素・視点から見ていきますのでよろしくお願いします。
そして注意していただきたいことがあります、忌憚なき意見を述べるのでマイナスなことを言っていると感じるかもしれません。
その部分はご容赦ください。

それでは

・ストーリー
・キャラクター
・音楽

の三項目を軸に感想を書いていきます、よろしくお願いします。

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1.全体のストーリー展開

まずは基本となる部分から。
この作品のテーマ、伝えたいことは実に多岐にわたるように感じます。
創作、クリエイターの悩み、自分の存在意義、普通という言葉の意味、ネット社会の持つ善と悪、推す・推されるということ…などなど。
思いつく限りでもこのくらい出て来ますし、まだまだあるでしょう。
そしてどれが一番重要かということはなく、それぞれに向き合って描いている印象でした。
色んな人に、どれかが刺さる部分があるのではないでしょうか。
僕は主にpixivで創作をしている人間です。
なので創作に関することで刺さる言葉やシーンは多くありました。
そして『普通じゃない』という言葉で片付けられる、その人が持つ大切なものや生き甲斐を映し出すというデリケートな問題も取り上げていたのがとても良いなと思いました
いわゆるマジョリティ、マイノリティの話ですね。
多様化の時代と言われる現代で逆に普通であることの難しさ、意義。
そこから抜け出し何者かになり普通でなくなることへの魅力や危険、是非。
正解の出ないこのテーマに踏み込んで描き切ったのは賞賛されるべきことでしょう。

構成としては1〜8話でJELEE結成〜メンバーが直面する試練を乗り越えたり関係が深まっていくのがメインとなっています。
そして9〜12話は更に難しい問題、花音と雪音の確執や主にまひるやキウイに降りかかるピンチを描いているという形でしょう。
元々心に刺さるシーンは多くありましたが衝撃的だった9話以降は特にシリアスなシーンが増え、心が痛い展開になっていきました。
これは8話までの積み上げが大きく影響しているのでしょう。
特に花音とまひるの関係が深まり、もうただの友達以上くらいなところまで来て、どうしようもない形で二人とも悪くないのに気持ちがすれ違ってしまう。
長く話数を使ってキャラクターに愛着を持ってもらってからのこれです、なんとも構成が巧くてニクい。

惜しむらくは出来れば13話まであれば良かったかなぁ…と思わざるを得ないことです。
終盤ももちろん良かったのですがちょっと駆け足気味に感じる部分は多々ありました。
10話の時点で予感はしていたのですが描かれた伏線や因縁をしっかりした形で回収・解決するには尺が足りていなかったですね。
オリジナルアニメで放送前は売れる保証もないためなかなか難しかったのでしょうか、こればかりは大人の事情が絡むので仕方ありません。
ただ、グッズショップの多さやリアルのイベントを見る限り相当力入れたコンテンツ展開をするのは前から決まっていたようですしなんとかならなかったかなぁと。
6年前動画工房さんが制作したオリジナルアニメ『多田くんは恋をしない』は13話だったのでなおさら思ってしまいました。

先述の通りこの後マイナスな感想も書いていくことになると思いますが、ほとんどが尺の足りなさが原因となった問題点です。

話は変わりますが自分の中でこの作品は花音が主人公、まひるがヒロインという立ち位置で捉えていました。
ただ、後半を見ていくにつれてそれは薄まってきて最終的にはダブル主人公なのかな、と考えを改めました。
JELEEの活動を始めた頃は花音がまひるを引っ張っていましたが、だんだんと花音が焦り追い詰められていくのと同時にまひるは自分が出来る精一杯のことをしたり勇気ある提案を出したりとどんどん成長していきました。
1話では花音がまひるの手を引いていた、7話ではその逆だったという対比もそれを表しているように思います。
まひかのはいいぞ(鳴き声)

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2.キャラクター

先に断っておきますが書こうと思えばいくらでもいくらでも書き続けられてしまうくらいそれぞれのキャラクターが濃くて感想の書き甲斐があるのでJELEEメンバーを中心に出来る限り短めにお送りします。
そしてキャラクターの紹介なども省きます。

光月まひる

クレジットの順番にいきましょう。
まひるというキャラクターはどこにでもいる普通の女子高生、イラストを描くのが好きだがやめてしまった、事なかれ主義な子。
…というキャラ説明で片付けられるほど簡単な子ではないのです。
もちろん他のキャラもですが。
その中でもむしろヨルクラで最もしっかり見ていないと心情が理解出来ないキャラクターだと思って見ていました。
書いている僕自身合っているのかわかりません、先に断っておきます。
個人の解釈として読んでくだされば。

まひるの性格は人に合わせるのが得意で気配りも出来る優しい子ですね。
小学生の時点で既にその資質は見えているので生来持っているものなのでしょう、クラゲの壁画を馬鹿にされた時にムキになって言い返さず合わせたところからも判断出来ます。
なのですが、そういったものを持ちつつ普段隠している本質的な性格は負けず嫌い、人の言葉に敏感で、繊細。
だからこそ同じように悩んでいる人に対しても温かくいられるとも言えるでしょう。
特に花音に対しては茶目っ気や攻めたSっ気も見え隠れしてますが。
隠れた本音を持つまひるは他キャラからははっきり「めんどくさい」とも言われています。
ぶっちゃけ4人ともめんどくさい子達ですが…高2高3なんてそんなもんでしょう。
ただ、JELEEの活動を経て成長した後も本質的な性格を見せるのは一部の人だけのように見えます。

なんだかんだ、『ありのままの自分』を隠して上手いことやれるのがまひるの良いところでもあり悪いところでもあるのでしょう。
負けず嫌い、そして承認欲求も強いということなのですが、まひるの場合バックボーンが大きく関係してきます。
もちろんこれもまたクラゲの壁画を何気ない言葉で馬鹿にされた出来事からですね。
このことでまひるはイラストを描くことをやめてしまいました。
友達に自分の作品を認めてもらえなかった、大きく心に影を落としたのは間違いありません。
しかし、何者かにはなってみたいとぼんやり思っていた。
つまりまひるにとっては自分を一度強く否定されたように感じたことで他者に認められたいという気持ちが人より強くなってしまったのでしょう。
現代で声高に叫ばれる承認欲求との戦いをしつつ自分のイラストを、自分自身を好きと言えるようになったまひるはこの物語の中で最も成長したキャラクターなのではないかと思います。

ところで、このヨルクラという物語はまひるが渡瀬絵画教室に通い出し、クラゲの壁画を描いたことから始まっていますね。
時系列をよく思い出していただくとわかるのですが、

・まひるが小学生の頃に才能を見初められて壁画を描く
・まひるは絵を友達に馬鹿にされてしまう、イラストを描かなくなる
・アイドル時代の花音が初めて作詞をした『カラフルムーンライト』の歌詞の参考にしたのがクラゲの壁画

〜物語開始〜

まひると花音が初めて出会った
・花音が壁画の前で仮装して歌い、まひるの手を引きJELEE結成を決意
・消された『光月まひる』の名前の下にまひるが決意とともに『海月ヨル』と書き込む
・サンドー×JELEEの大晦日ライブが行われる
4人でクラゲの壁画を綺麗にして3匹のクラゲを新しく描き込む、『JELEE』の名前を書き加える

このように壁画の前で特にまひると花音の人生のターニングポイントとも呼べる出来事が起こっているのです。
なかなか上手いこと繋げてるなぁと見ていました。

少し個人的な話になってしまうのですが、自分はJELEE箱推し、特に好きなのはまひるといった具合です。
何故まひるなのかというと最も共感する部分が多いキャラクターだからです。
人間関係のために言いたいことを飲み込んだり、創作への評価で色々考えてしまったり。
すごくよくわかるし、だからこそ変わりたいよねとも思う、そう思って見ていました。
思い悩み進んでいった先で終盤のかっこいいまひるが頼もしくて、すごく強くなったなぁと思いつつ子供ってあっという間に成長するなっていう謎の親目線。
購入したクラゲの壁画デザインのトートバッグにまひるのアクキーつけてます。

さて、書いた通りキャラクターを掴むのが大変な子の特徴を上手く汲み取ったお芝居が素敵でした。
9話ラストのまひるが哀しく笑いながら涙するシーンのお芝居は脳裏に焼きついて離れないです。
伊藤美来さん、まひるを演じてくれてありがとうございました。
同じオリジナルアニメの白い砂のアクアトープ大好きです、シーパラコラボも行きました

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・山ノ内花音/早川花音

これは完全に主観でしかないのですが多くの視聴者の方がヨルクラを見て、最初にキャッチーだと思ったキャラクターが花音なのではないでしょうか。
そのくらい特徴的な風貌と飾らない言葉にド派手なパフォーマンス。
花音は作中の人物だけでなく視聴者も惹きつけるものを持っているんだと思います。
しかもべらぼうに顔が良い、ここ大事です。
これは天賦の才にアイドル時代の努力が上乗せされたものなのでしょう。
そして、その輝きは物語の中で時に弾け、時に陰ります。
仲間を集めて輝き、つまずく仲間を助け、つまずいたら仲間に助けられ、また立ち上がる姿は主人公めいたムーブではないでしょうか。

特に9話までは花音の過去やはっきりとした生い立ちは意図的に伏せられていました。
今全てが語られた中で判断出来ることとして花音は子供が大人になるにつれ経験していくことのかなりの部分が欠落していたと言えるでしょう。
強い言い方になりますが半ばネグレクトされていた時期があったわけで、いわゆる経験不足なのです。
しかし本人の人格に問題があるわけではありませんし、バイトをこなすなど社会性は持ち合わせています。
むしろこの環境で、常人には計り知れない辛い経験をしてとんでもなくグレたり捻くれたりしていないのはすごいことですよね。
本質的な性格が負けず嫌いで、でも人の言葉に敏感で傷つきやすい、逆に言えば深い温かさを持った子なのでしょう。
ん?さっきこんなこと書きましたね。

ただ、特に人間関係に関しては花音は0か100か、のような風になってしまっていています。まひるとの言い争いの後も私はまひるが大好きだけど傷つけてしまった、もうダメなんだといった感じでJELEEもやめると言い出すなど、友達と、大切な人とぶつかった時にどうすべきか考える術を持っていないのです。
これは両親の不和、アイドル活動、炎上からの引退など様々な要素が絡んでなってしまったことで、これから花音がどういう人生を歩むかというのが本当の始まりなのかなと思います。
まひるとの共通点を先ほど書きましたが人との関わり方の巧拙はまひるとは対照的です、意図的なものなのでしょうね。

気になったのは雪音やメロとの関係です。
だいぶあっさり目に解決しましたね。
花音との溝は非常に深いものだと思ったのですがああそれでいいんだ、みたいに感じました。
この辺りも13話あればと思った理由のひとつで、サンドー側のことももう少し深掘りしてほしかった部分はあります。
あくまでJELEEの物語なので仕方ないのですが。

花音は良いところも悪いところもたくさん持っている子ですが、仲間が出来て、やりたいこともまたやれて、本人も一年で大きく成長しました(ちゃんと卒業出来たんだ…と思ったのは内緒です)
特に真に心が通い合った友達が出来たのは今後の花音にとってとても大きな財産になるでしょう。
何にも代えがたいものです。

雪音のため(過去)→人を見返すため(過去〜1話)→まひるのため(7話から)と変わってきて、そして1話で話していたことと似ているようで全く違う、ポジティブな想いに溢れた歌う理由を見つけた彼女はこれからもっともっと強く輝くのではないかと思います。
まひかのの後日談書きまくりたい。

力強く時に切なく、まさに花音そのものの歌声。
そして限りないエネルギーと作品愛に溢れた花音のお芝居が本当に素晴らしくて大好きです。
ヨルクラジオで見せる姿はまさに山ノ内花音の声が出せるTO!
高橋さんに花音を演じてもらえて良かったです。
高木さんの楽曲全部持ってます

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渡瀬キウイ

この子はJELEEの中で最も『普通ではないのではないかと思っています。
というよりこの作品から発されているメッセージのひとつ、『普通から外れるということ』を背負って生きているキャラクターです。
キウイは誰が決めたかもわからない、けれどそこに属していればひとまずは是とされる普通とやらに収まれなかった。
女子校の中学校に上がってから自己紹介は正直痛々しいと思われてしまうもので、主に男の子が好きとされるものを好きと言って煙たがられて。
小学生まで肯定されていたキウイの世界はあっさり崩れてしまったのです。
ノベライズを読んでいない方には軽いネタバレになって申し訳ありませんがこの記事のタイトルにある通りなので書きます、キウイの地の文の一人称は『俺』なんです。
話す時は私と言っているので使い分けているのでしょう。
そして小さな背丈に比べて大きくなってしまった胸のことも気にしていました。
はっきりとそうかはわかりませんが、ある程度彼女の心の中には文字通りの意味の男の子な部分があるのだと考えられます。

そんな君は『普通』ではないと世界に突きつけられてしまったキウイが自分の居場所を自分で作ったことは本当にすごいことだと思います。
あのような経験をしたら塞ぎ込んで世界から逃げてしまう人もいるでしょう。
しかしVTuberになり、なりたい自分を一から作り上げて、やりたいことをしっかり決めて進路の計画を立てて。
自分を爪弾きにした世界にファイティングポーズを取り続ける姿には胸を打たれるものがありました。
同級生たちに馬鹿にされ涙ながらに、しかし力強く自分の好きを、自分を貫くと叫んだシーンはもう…持ってかれましたね。

自分の好きが変わっていればいるほどそれを好きと言いづらい、自己主張が難しい世の中でキウイのように好きなものは好きだと言って良いんだと、そういうメッセージを作品から感じます。
30代子持ちでアイドルを続けている静江やVTuberのモデリングのようだと形容されるほど整形をしている小春もまた『普通』から外れた面を多く持ったキャラクターです。
普通なことは悪いことではないです。
しかし普通じゃない、いや自分の好きや信念を正しく貫いている人ってこんな世の中だからこそ魅力的に映るのではないでしょうか。
もちろん好奇の目で見られて馬鹿にされることもあるでしょう、誰だって持っているスマホでカメラマン+マスコミになれる時代です、晒されることだってあるでしょう。
それでも、それが悪いことでなければ努力してその道を選び進んでいく人を蔑む理由はありません。
僕はこの作品を通して普通からドロップアウトして生きている人を知らず知らずのうちに穿った目で見ていた自分が心のどこかにあったことを大きく恥じました。
そもそも普通ってなんだよ、とも。
それを最も強く教えてくれたのが渡瀬キウイというキャラクターでした。

本当に熱演という言葉がぴったりで、まだ若いのにどんな作品でもその演技力に圧倒されます。
富田さんのお芝居でキウイがさらに魅力的な子になっていったと思います。
演じてくださり本当にありがとうございました。
『One Room サードシーズン』の琴川晶ちゃん大好きです、皆さんも見てみてね

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高梨・キム・アヌーク・めい

この子はいわゆる『最初の印象はぶっ飛んでるけどどんどん好感度が上がっていく系』のキャラクターですね。
いきなりまひかののバイト先特定して押しかけて来ためいと、特に10話の何があっても絶対に歌おうとしなかったのに下手でも不格好でも思い切り歌って花音に思いを届けるめい、別人レベルですよね、超かっこいい。
僕はこういうキャラを勝手に『ブチャラティ系』と呼んでいます、意味がわかる方にだけ伝われば大丈夫です。

『推し』という言葉が日常的に使われてしばらく経ちますが、若者以外にも徐々に浸透してきている新しい一般的な言葉になりつつある印象です。
応援したい、毎日を生きる糧となる、愛でる・尊ぶ対象となる。
そんな推し・推されるというテーマを一番背負っているのがめいなのではないでしょうか。
これはわかりやすいですね。
めいは彩りを失った日々の中で推しが出来て、まさに毎日を生きる糧を得ます。
アイドル時代の花音…ののたんに苦しく寂しい現状を肯定してもらい、めいは救われた。
だからこそ暴力事件の時はそのののたんを失ったことでより深い絶望に駆られたことは想像に難くありません。
僕もここまでドラマチックではありませんが、推しの選手の活躍、推しのチームの優勝、推しの楽曲を聴く、もちろん推しキャラ。
様々な推しに心救われ、日々の活力になっています。
めいに共感する部分は多かったですね。

めいが大きくクローズアップされたのは登場回の2話、馬場親子との6話、そして初めて歌を披露した10話です。
物語が進むにつれてめいは大きく変化しています。
ののたん、ののたんと再び出会えた花音を信奉していたイエスマンだったのが、だんだんとメンバーの中に溶け込んでいきます。
そして、解散の危機の際にはJELEEという居場所を守りたい一心で行動するようになっていました。
もちろんののたんのため、ということもあるでしょうがもうめいにとってあの4人で集まることが特別な時間になっていた、そう解釈出来ます。
『推し』ではなく『友達』の家に来ましたと今まで全肯定だった花音の言葉をはっきり否定した場面は苦しい展開が続く中でスカッとする場面の一つでしたね。

もちろん忘れてはいけないのはののたんへの限りない愛でしょう。
TO…そう言って憚らないめいの行動はこれもまたどこか普通ではありません。
ただ、自分の好きを好きと叫び続けるその姿は素敵なものであるでしょう(変態・厄介ムーブが見えるのはよろしくないですが)
推しの部屋の空気…!ののたんと初夜!あまりに尊くて口から魂飛び出てる。
普段は見た目や言葉遣いも含めて淑やかなように見えますが、そんなコミカルでヤバめな顔を持っているのもめいの魅力の一つだと思います。
最終回でまひかのがエスカレーターですれ違った後抱き合ったシーン、よく見るとハンカチを咥えてキーッ!悔しい!みたいな古典的な描写がなされていて、逆に新鮮さすら覚えました、大好きです。
まひかのがどんどん仲良くなっていくことについてどう思っているのでしょうか、気づいてないはずはないですよね。
そしてキウイからまひるへの感情も無視出来ない程度には大きいです。
まひかの、なんて罪深いカップリングなんでしょう。
JELEEの関係がまひかののイチャつきから崩壊しないことを祈るばかりです。

月並みですが、めいが『下手だけど曲は理解していてなおかつありったけの感情を込めた深海遊泳』を歌ったシーンは鳥肌と涙が止まりませんでした。
コメディ部分とシリアス部分の落差が激しいキャラクターでしたが、見事に演じ切られたと思います。
島袋美由利さん、めいを演じてくれてありがとうございました。
幽奈さん大好きです、僕が後10年生まれるのが遅かったらガチ恋してたかも

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3.音楽

ここからはヨルクラを彩った楽曲たちの感想を書いていきたいと思うのですが…。
僕は音楽の知識が非常に浅いです。
そのため大層なことは書けませんが、自分なりの感想を書いていこうと思います。
(歌詞は面倒なことになりそうなので書かない方向でいきます)

OPテーマ『イロドリ』

OP、EDは映像も併せて書いていきましょうか。
ヨルクラジオにカノエラナさんが出演された回でかなり言葉遊びにこだわったという発言をされていました。
確かに同じ音を別の字などで複数回使ったりよく聴いていると気づく部分があります。
全体としてはこの夜のクラゲは泳げないという作品のオープニング曲に相応しい内容の曲だと言えます。
まさにこの作品のテーマを表したフレーズが非常に多く見られ、また少し静かめなイントロからそれが続き、一気に賑やかさの増すサビ、聴き応えがありますね。
映像の方は主に4人の過去と現在が描写され、そこから前に進んでいくというこれまたしっかりアニメに寄り添ったもので素晴らしいです。
エスカレーターがすれ違う演出、渋谷の街へ駆け出す演出は最終回で使われてましたね、他にもあるかもしれないです。

EDテーマ『1日は25時間。』

終始明るい雰囲気で、歌詞も前向きなこの曲。
ただ僕にはこの曲が終わったらそれこそ1日が終わってしまうような、そんな寂しさも感じました。
情報量の多い、感情を動かされまくる物語の後にこの曲が流れるとどこかホッとしますね。
そして本当に驚いたのはJELEEバージョンの『1日は25時間。』です。
そもそもこの曲のタイトルや内容が伏線になっていたなんて思わなかったです。
もしかしたら最終回のあの会話の後、進路の方も落ち着いたJELEEのメンバーが新曲として作った…?とかそういう妄想も出来る演出です。
映像の方はかわいいかわいいしてますね。
それぞれの個性とか過ごし方とか見比べてみるとなかなか面白い。
個人的なお気に入りシーンはハイタッチが連鎖していってまひるキウイめいからのハイタッチを待っていた花音が3人がなかなか来ず寂しがっているところです。
あの子は寂しがりやさんですからね、ヨル先生には責任取ってもらわないといけませ

JELEE・サンフラワードールズ楽曲

『最強ガール』

流石に一曲ずつやっていったら長くなるのでそれぞれは短めにいきます。
JELEEの記念すべき処女作ですね。
めいがののたんをイメージして作った曲という設定ですが、その名の通りイケイケなポップスになっていて好きです。
が、一番好きなのは一箇所だけある弱音を吐露する歌詞です。

『月の温度』

図らずも変なバズり方をしてしまったこの曲。
とはいえ、JELEEが真に結束した初めての楽曲ですね。
結束って単語使って大丈夫だったかな。
しっとりした曲調が最強ガールとはまた別の魅力を醸し出していて、この辺から歌詞書いてるののたんが自重しなくなっていきます。

『渋谷アクアリウム』

まひるが一つ大きな成長を遂げた回に作られたこの曲。
渋谷に水族館を作ろうっていう話も伏線だったんですよね、回収はされると思ってはいましたがあんな形になるとは思いませんでした。

じゃあ書きましょうか。
みんなで作った曲の中で告白するのやめましょうね!

『青一色』

どの曲よりも真っ直ぐで、歌いたいのはこういうことなんだ!というのが伝わってくる曲ですね。
望んだ形ではなかったけれど、まさに青一色の花音が見たかった景色が作れた。
そしてその景色をリアルタイムの企画で作ったんですから驚きです。
次に書く深海遊泳のMVでもファンアートを映像に出していたり、ヨルクラ製作陣の方は色んな工夫をしてファンを楽しませてくれるのが素敵だと思います。

『深海遊泳』

この子歌詞で個人的なこと書きすぎ!
でも音楽って何かを伝えたり、人を感動させたりそういう力を持っているんですよね。
この間5年ぶりくらいにライブに行ってきたのですが、やっぱり生で聴く音楽って素晴らしいですし熱量とかアーティストが込めた思いとかがダイレクトに伝わってきます。
音楽っていいな、歌うっていいな、と改めてこの作品を見て思いましたね。

『カラフルムーンライト』

この曲は物語を追う上で最も重要な曲です。
僕はそう思いました。
花音が初めて作詞した曲であり、JELEEの活動を始めた後の曲にもどこか似通った雰囲気を感じる曲です。
そして先述の通りまひるが描いたクラゲの壁画をヒントに書かれたという点でもそうです。
アレンジも多く発表されているこの曲はやはり製作陣も重要な位置付けだと捉えているからなのでしょう。

『lovely weather』

アイドルグループであるサンフラワードールズが歌っている曲であるためやはりアイドルソングっぽい印象ですね。
清楚かわいい系で売っているであろうサンドーの曲ですが不穏も見え隠れする歌詞なのが好きポイントです。
視聴者は彼女たちの裏を知っているだけにどこか不安定さも感じる、二面性を楽しめる曲と言えるでしょう。


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4.おわりに

長いこと書いてきましたが読んでいただいた方もお疲れ様でした。
付き合ってくださりありがとうございました。
特にキャラクターのところはまだいくらでも長く書けるのですが流石に削りました、キャラクター単体でまた記事を上げるかもしれません。
とにかく、それだけ熱量を持って感想を書けるのはひとえにヨルクラが素晴らしい作品であることの証明でしょう。
動画工房さんのオリジナルアニメということで制作が決定して以来注目していましたが、Xのトレンドになるくらい人気になって、これだけ心動かされて、本当に嬉しい限りです。
まだ渋谷を軽く聖地巡礼したくらいなので、これからまた新宿など含め足を運びたいと思います。

まだまだグッズ展開やイベントなどヨルクラの稼動は終わらないですし、僕も創作をしていきたいと思っています。
イベント当たってほしい〜〜!
素敵な作品に出会えて本当に幸せです!
製作陣の皆さま本当にありがとうございました!


グッバイ世界!

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