高野聖の五目ちらしと春の訪れ
昨日は、3月3日雛祭りでした。私以外の妻とあずちゃん(猫)は女性です。
以前は、ぽんちゃん(オス猫)がいましたので、2対2のバランスでしたが、8年前に亡くなってしまいました。
そんな女性勢力の中で、少しは、雛祭りぽい事をということで、妻にはコンビニスイーツ、あずちゃんには少し高めのおやつをお土産に帰宅しましたが、二人には雛祭り事は考えていなかったようです。世間的には雛祭りの御馳走といえば「ちらし寿司」や「ハマグリのお吸い物」なんかがメジャーなんですかね? で、この「ちらし寿司」、小さいころから大好物なんです。お刺身や、イクラ、ウニなどをトッピングした豪華なものも当然美味しいのですが、そうではなく、しばらく食べていなかった、これ!!
そう、ミツカンや永谷園などから市販されているこれです。当然、追加のトッピング等は一切なしです。ということで、雛祭りが一日過ぎましたが、今日の夕飯は自分が雛祭りぽいものを作るということで、出来上がりがこれ!
泉鏡花「高野聖」の序盤、聴き手の主人公が汽車内で広げた五目ちらしの弁当を開いて、「やあ、人参と干瓢ばかりだ」と思わず嘆きつぶやき、それを聞いた話し手の僧侶が噴き出すシーンに出てくる様なやつです。いや、今回作ったのには干瓢が無く、高野豆腐やこんにゃく等の表示はあるものの、主に人参ばかりで、刻み海苔もない分、高野聖のよりも、もっとチープではないでしょうか?でも、しみじみ美味い。甘めの酢飯と昔から変わらない期待の上にも下にも行かない安定感。久しぶりに食べて本当に良かった。
これだとオカズも邪魔しない。一緒に食べたのは、スーパーの総菜売り場のタラの芽とスルメの天ぷら、春キャベツの和え物です。
雛祭りから、一日遅れましたが、「高野聖」と「春の息吹」を感じさせてくれる夕食となりました。
ちなみに高野聖は岩波文庫のものが一番読みやすいと思っています。
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