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【特撰記事#48】登場人物の氣になる

落語には登場人物がいます。落語にでてくる登場人物を演じる必要があります。落語の特徴のひとつとして、演者一人で何人もの登場人物を演じることが挙げられます。他の文化芸能ではあまり見られないと思います。

落語を演じるとき、聴き手に登場人物がわかるようにしなければなりません。Aさんが話しているのかBさんなのかが、聴き手に伝わらないと何が起こっているのかわからなくなるからです。

場面を聴き手にわかってもらうため、AさんとBさんの切り替えを目線で変えたり、身体の向きを変えたりする身体的なテクニックがあります。

プロの噺家さんの中には、ほんの少しの目線を変えるだけで、どっちがしゃべっているのか違和感なく自然にわかります。

でも中には、ほぼ目線を変えずともどちらが話しているのかわかる噺家さんもいます。

登場人物を演じるのに、見た目で切り替えるのではなく、登場人物の氣で演じて切り替えをしてるのです。

前回の記事でTwo loopsのワークショップのことを書きました。

このワークショップのおもしろいところが、話し手の物語にリアル参加できることなんです。話し手は自分に起こった物語をひとり語りで話しをするのですが途中から登場人物を参加させて対話の形をとっていきます。

対話を進めながら、役割りを変えたり、立ち位置を変えたり、登場人物を増やしたりして物語をリアルな出来事からパラレルな出来事に変換されていき、幾多の世界を体感できるようになっているのです。

このときに大切なのが、「登場人物の氣になる」ことだとぼくは思いました。

自分の立場だけでなく、相対している人物や利害関係者、構成している社会など、環境下に登場する人物の氣になって場に臨むことで、おのおのの発言や行動の背景がおぼろげながらに見えてくる。

背景が見えてくると、おもしろくなってきます。これって、落語と同じだと思うのです。

そう思うと、人それぞれの人生そのものは落語であると。自分が体験したこと以外はすべてフィクションで落語だなと。落語世界と呼ぼうと思います。

落語世界の中で生きているぼくたちの人生はおもしろくないわけがない!

登場人物の氣になることが落語世界の扉だといえそうです。



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