五月二十五日、散歩日記
散歩をしていたら、無人販売所にビワの実が一袋だけ置いてあった。
一袋百円だと言う。
いくら何でもまだ五月ですよ。
売る方も買う方も気が早過ぎる。
折角なので百円でゲットした。
帰り道どんな味かと洗いもせず、何個か噛りながら帰った。
やはりまだ熟し切ってない。
だから気が早過ぎると言ったのに、途中で噛りつくなんてはしたない。
まあ初物だから五月の味と言う事で勘弁願いたい。
家に着くまでに全部食べてしまわなくて良かった。
冷蔵庫でしばし完熟を待ちますか?
桑の実もヤマモモの赤い実も、私に食べられたくてウズウズしている。
振り向けば、ドクダミの花が辺り一面に咲いている。
五月は私の大好きな季節だ。
極楽浄土もきっとこんな感じなのだろう。
花が咲き乱れ、木の実は甘く薫(かお)る。
詩を忘れたカナリアは何処かに立ち去り、ウグイスの美声だけが木々にこだまする。
そう言えば、あっちの無人販売所に梅の実を一袋四百円で売っていた。
梅酒でも作ってみますか?
面倒くさいか?
子供の頃は良く梅酒を飲んだ。
いや幼稚園に入ってからですよ、ハタチの幼稚園児です。
酔っ払いの幼稚園児でした。
いやあれは前世の話か?
枇杷(びわ)の実は、木が大木であるほど甘くて美味しい。
途中経過はこんな感じです。
梅の実の途中経過です。
これで百円でした。