生と死のエンタングルメント
この世この宇宙は、二つの対立する概念を重ね合わせて(エンタングルメント)出来ている。
善人と悪人が入り混じって、この世に人間模様が生まれる。
誕生があるから死までの時間を稼ぐことが可能になる。問いから答えまでことごとく瞬時だったら考える暇が無い。つまり考える時間、修行や悟る為の時間が必要だから、瞬時性を排したのである。答えに辿り着くまでの時間を愉しんだり苦しんだりすることで人生はドラマ足り得る。
生と死の二つが有った時、死の後に生が来たら順番的に可笑しいが、復活するにはその前に死を配さないといけない。
生誕から臨終までのベクトルはエントロピーで表せるのかもしれない。
磁石はN極とS極をエンタングルさせることで回転運動を生み出せる。
善と悪、裏と面、生と死、問いと答えを混ぜ合わせたらこの世が出来上がる。複雑に見えて構造は単純である。
生と死、問いと答えが瞬時にして、同時なら、時間は産まれない。つまり、無時間的時空には、生と死や問いと答えが共時的に存在する。問うた瞬間実は答えは発生しているが、人間は考えたり悩んだりする時間を必要とするから、答えに辿り着くまで時間を要する。
この仕組みを悟ることで、逆走も可能となる。死から始まる生、答えから始まる問い、タイムトラベルや若返りのヒントがここに隠されている。
ではゼロと無限をエンタングルさせたら一体どうなるのだろうか?善悪の彼岸に何が有るのだろうか?
人間存在は、肉体と精神をエンタングルさせたら出来上がる。重ね合わせを解いたら存在を終わらせられる。着脱自在の境地を得れば、死の向こう側に簡単に行ける。こうして無限の転生やクローンへの移行も可能になって来る。自分の意識の解体や再構築も視野に入って来る。意識が最終的に目指しているのは生滅自在の境地かもしれない。