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フィトンチッドとアレロパシー

森林浴してますか?はい、月一で。大都市には必ず大きな公園がある。東京だと代々木公園、ニューヨークだとセントラルパークだろう。ここで大事なことは、その広大さ、その大木の度合い、大自然の度合いである。公園は人工的だが、大木の出すフィトンチッドは本物である。
コンクリートジャングルやシックハウスでパソコン画面を見ている労働者はどうしたって病んでしまう。
ああ、疲れたから森林浴でもして来るかと言う訳にも行かない。
いつしか人類イコールデスクワークになって来たのかもしれない。そのうち労働はAIが取って代わる。人間とは失業者のことを指すようになるのかもしれない。
植物は化学物質を発散する。それは揮発性物質なので、香りとして感知可能である。主にテルペン類などの炭化水素で、人をリラックスさせたり血圧を下げたり炎症を防いだりしてくれる。
フィトンチッドとはフィトン(植物)とチッド(殺す)を組み合わせた合成語で、植物にとっての外敵である細菌や害虫を殺すために、主に葉から放出される。チッドと発音しているが、スペルは cide だから、英語の発音だとファイトンサイドつまりスイサイド(自殺)やホミサイド(homicide殺人)と同じくサイドなのである。菌や虫にとってはフィトンチッドは「毒」である。言い換えると、希薄な薄められた大気中のフィトンチッドだから人間には丁度良い。

良く日光浴した緑茶にはカテキンが多く含まれている。逆に言うと日照不足の植物はフィトンチッドの生産不足で虫にやられたり病気に成りやすい。と言って日に当て過ぎて干乾びたら枯れてしまうから適量の日光浴が望ましい。カテキンイコール身体に良いでは無くて、身体を害さない適量のカテキンは身体にいいのであって、薬は分量をオーバーすると単に「毒」でしかない。適量のカテキンにはがん細胞の増殖を抑制する働きがある。

菌に感染した植物はファイトアレキシンという抗菌物質を生産する。植物はカビに攻撃されるとファイトアレキシンの一種のサルベストロールという抗菌物質を生成して菌を殺す。

アレロパシー(allelopathy 他感作用)とは、植物の生存競争戦略として攻撃力や防御システムのことを指す。つまり、植物は動物のように行動しないので、代わりにアレロケミカルと称される化学物質の放出により他の生物に影響を与え得る。例えばミントの香りは害虫に消化不良を起こさせるらしい。

抗菌殺菌作用のある物質を抗生物質と呼ぶ。菌には効くがウィルスには効かない。抗生物質の多用は抗生物質耐性菌の増殖を招いてしまう。菌だって馬鹿じゃないから進化する。多くの抗生物質に耐性を獲得した菌のことを多剤耐性菌と言う。薬の進化と菌の進化は盾と矛のイタチごっこである。詰まりは攻防戦なのである。

現代人は低体温化により免疫力を低下させた。冷え症は身体に悪い。糖尿病患者は概して低体温に成り易い。
免疫細胞の六割は腸に居る。だから腸活が大事なのです。

植物と同様に動物たる人間も自分の身体を菌や病気から守る防御システムを持ち合わせてはいるが、それは十全ではない。だから植物の力を借用するのが得策である。いや植物だけでなく、大自然の全てからパワーを貰えば良い。その一端が日光浴や森林浴や岩盤浴なのだろう。温泉に浸かり身体を温めることで、低体温低酸素だった身体は健康を取り戻せる。
不健康な都会暮らしは、健康的な人生とは言い難い。人物(もの)カネは夢遊病者のように都会に集積した。そして自然を欠いた大都会に病人と狂人が集まった。
日光浴と森林浴を欠かさない日常は、現代人に果たして可能だろうか?そう言えば、地底人に足りないのは日光浴だった。日光を浴びるとセロトニンが分泌される。森林伐採に励む人類は何れ森林浴さえ夢のまた夢になるのだろうか?
人類は植物もしくは森林と量子エンタングルメントすることで、本来の健康を取り戻せるのだろう。

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