絵本レンタル図書館通い生活を1年続けてみた
子供というのは、自分の思い通りにはならないものです。
……などとそれっぽい事を書いてみましたが、自分の所の娘は3歳なので、まだそんなことをしみじみ思うような時期では全然ありません。きっとこれからそうなるだろうなという確信はありますが、だからと言って思い通りにならないことについて抗いたいという思いも特にありません。とはいえ一つだけ、できればこうなって欲しいという望みはあります。それは、本を好きになって欲しい!ということです。
いつかは同じ本を読んで感想を言い合ったりしてみたい。その第一歩として先ずは絵本好きになってもらいたい。ということで、とにかくたくさんの絵本に触れて楽しんでもらうために、図書館通いを始めることを思い立ちました。
この記事は、図書館で絵本を5冊借り、借りた絵本を毎日読んで2週間経ったらまた5冊借りて、というサイクルを1年くらい続けてみた結果のまとめ記事となります。子供に読ませる絵本のネタ探しにでも活用頂ければ幸いです。
絵本デッキを組もう
特に下調べせず何となく図書館に入って絵本を選ぼうとすると、なによりも先ず、目の前に広がる無限の選択肢に目が回ってしまうことでしょう。絵本以外の本を選ぶ際には、大抵はジャンルや作者別で本がまとまって配置されているため、下調べ無しでも自分好みの本を見つけることは比較的容易です。しかし絵本の場合(少なくとも私が暮らす地域では、)何千冊もあるすべての絵本が、何故か作者順ではなくタイトルでフラットにあいうえお順に並んでいるのみです。
そのため、例えば「お」の棚を見るとすさまじい量の「おばけ~」で始まる絵本があり(子供はマジでおばけが好きすぎるので一大ジャンルになっている)、「ね」の棚を見るとそれに負けないくらいの「ねこ~」で始まる絵本があり(ねこは全人類が好きなので)、この中からバランス良く絵本を選ぶのは至難の業です。
そこで私は、借りる本の構成をある程度固定化し、その構成に合うように選ぶようにすることで悩みの解消を図りました。毎日のご飯作りで一々悩まなくて済むように、ある程度献立をテンプレ化しておくのと同じですね。最終的に至ったのは以下のような構成です。
過去に借りて反応の良かった作者の絵本(1~2冊)
図書館が推している絵本(1冊)
刊行時期が新しい絵本(1~2冊)
軽めの絵本(1~2冊)
変わり種絵本(0~1冊)
過去に借りて反応の良かった作者の絵本
これは所謂「安パイ」枠です。やはり作者によって物語の構成・全体的なテンション感が似ているので、一度好評だった作者の他の絵本も大体喜んでくれます。
オススメ
・新井洋行さん
シンプルな絵柄にテンションの高いお話が多く子供の心を掴んでいます。
・田中達也さん
ミニチュア人形を使った実写が特徴的な作家さん。人気が高いので借りられたらラッキー。
図書館が推している絵本
やはり本のプロである司書さんがオススメする絵本というのはとてもいいです。ストーリーがしっかりしており、優しい・感動的なお話が多いのですが、それでいて絵本なのでお手軽さもあって、読む大人側の心の清涼剤にもなります。
オススメ
・おはようぼくだよ
最後のページのタイトル回収が最高です。子供より親に刺さる。
・かえりみち
優しさMaxの世界。
刊行時期の新しい絵本
昔からの定番絵本というのも安定感があって良いものなのですが、新鮮な刺激を求めるなら刊行時期の新しい絵本がオススメです。ストーリーや設定、ギミックの斬新な絵本が多く、大人側が読んでいて一番楽しいカテゴリはこれだと思っています。この営みを飽きずに継続するためのお楽しみ枠としても、私は必ず新しい絵本を1冊は含めるようにしています。
かといって、今年発売の話題の絵本をリサーチして図書館に行ったとしても、まず100%誰かに借りられています。オンライン予約しても受け取り1年後とかはザラです。なので私の場合は、図書館にある検索機で「在庫あり」かつ「刊行年月日が2020年以降」とかで検索し、面白そうなものを借りるようにしています。この操作ができるかどうかは、検索機のソフトの性能次第かもしれませんが……。
オススメ
・ニンジンジン
ウチの娘はこの本のおかげで人参好きになったと言っても過言ではないかもしれません。キューライスさんの本はどれもキャッチーでウケがいいです。
・わたしはかわいいマヌルネコ
安直な可愛さとは違う、玄人好みの良さのあるマヌルネコのお話。実物を見たことがあるとより楽しめます。
軽めの絵本
借りた5冊を全部読んでるとなんやかんやで45分くらいかかってしまいます。そのため毎日続けるには些かツラく、ウチでは3冊くらいをピックアップする形にしているのですが、軽めの本(5分以内で読み終わる本)が1冊でもあると時間調整がし易くなってオススメです。
オススメ
・せなけいこさん
ご存知絵本界のレジェンド。軽快・軽妙で、読んでる内に子供が誦じてる率No.1です。
この記事を書いているまさに最中に訃報のニュースを聞きました(2024/10)。たくさんの楽しい絵本をありがとうございました。
変わり種絵本
1年間絵本を借り続けて思ったこととしては、世の中には色んな絵本があるということです。ひらがなを覚えさせたい・数字を覚えさせたい等の知育系は定番ですが、一緒にヨガをしたい・工作をしたい等、あらゆるニーズに応える絵本があります。
オススメ
・かみなのに
読み聞かせというよりは、子供と遊ぶときに役立つ一冊。紙とハサミと少しの時間があれば一緒に盛り上がれます。
・きみはライオン
枕元で一緒にレッツヨガ!
図書館って最高だよね
この一年は人生で一番図書館に通ったかもしれません(二番目は図書館に置いてる全ての星新一のショートショートを借りた中学生時代)。本を読む行為によって我々は様々な世界に繋がることができますが、この絵本レンタル図書館通い生活は、それをめちゃくちゃ濃密に味わうことができ、読む大人側にとっても大変刺激的でした。
絵本をねだられ過ぎて寝かしつけが大変になるという弊害はありつつも、今のところこの作戦は成功し、本好きへの一歩を歩んでくれている気がしています。これからも色んな本の楽しさを伝えていこうと思っています。
みんな図書館に行こうね!