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マイケル・ジャクソン 名曲ベスト10(私選)
私が生まれた’82年はマイケル・ジャクソンの『スリラー』が発表された年です。発表から39年、このアルバムは世界で7000万枚売り上げ、「史上もっとも売れたアルバム」とされています。
私にとっても、ものごころがついた頃から、『スリラー』や『BAD』の曲は、テレビなどでよく使われていて、なじみのあるサウンドでした。
(ものごころがついたのが、いつかははっきりしませんが、ヒット曲としして定着していた期間の長さにも驚きです)
しかし、私が音楽に興味を持つのは、ずっと後のことで、マイケルの楽曲を聴きはじめたのは、彼が亡くなってからのことです。
実際に聴いてみるまで、マイケルのすごさが全然わかっていませんでした。
どうしても、マイケルくらいのスターになってしまうと、純粋に音楽として彼の作品に向き合うのが難しかったのです。
はじめてアルバム『スリラー』を聴いた時、「もっと早く聞いておけば良かったなぁ」と後悔しましたね。
彼の作品の素晴らしさは、決して音楽に留まるものではありません。ライブにおけるパフォーマンス、PV をはじめ、彼が残した作品群は、決して「音楽」という狭い範囲に収まるレベルのものではないのです。
それもこれもマイケルというアーティストが、音楽やダンスだけでなく、さまざまな分野に興味を持ち、貪欲に吸収していたからこそ、このような素晴らしい作品群を残すことができたんですね。
マイケルがスターになった頃に夢中だった世代の方はもちろんのこと、まだマイケルのことをよく知らない方にも、彼の作品の素晴らしさを共有したいと思い、自分なりのランキングをまとめてみました。
10. Don't Stop 'Til You Get Enough(’79)
収録アルバム:『Off The Wall』
作詞・作曲:マイケル・ジャクソン
成人マイケル初のソロアルバム(子ども時代も含めると通算5枚目)に収録。はじめてマイケル自身が作詞・作曲を手掛けた。アース・ウィンド・アンド・ファイアーに通じるようなディスコ調の曲で、ボーカルはすべてファルセット(ソウルでよく使われる高い声)で歌われている。日本ではスズキのスクーター「ラブ」の CM に起用された(本人も出演)。
9. Just Good Friends(’87)
収録アルバム:『BAD』
作詞・作曲:テリー・ブリテン、グラハム・ライル
スティーヴィー・ワンダーとのデュエット曲。80年代らしい電子音全開のサウンド、マイケルとスティーヴィーの声のハーモニーが素晴らしい。息の合った二人のボーカルに世代を超えた友情が感じられる。
8. Loving You('14)
収録アルバム:『Xscape』
作詞・作曲:マイケル・ジャクソン
マイケルの死後、ボツテイクの音源に、トラックを追加して完成させた楽曲。昔ながらの R&B の風合いがあり、曲調から察するに、録音されたのは、『Off The Wall』~『Thriller』の頃と思われる。ティンバランドらが追加した現代的なヒップホップのリズムトラックが絶妙にマッチしている。マイケルの甘い歌声が魅力的。
7. Rock With You(’79)
収録アルバム:『Off The Wall』
作詞・作曲:ロッド・テンパートン
ミドルテンポのディスコ調の楽曲。抜群のオーケストレーション、バンド演奏の上にマイケルの研ぎ澄まされた歌声が響く。60~70年代のソウルミュージックの流れを汲みつつ、新しい感覚が垣間見えるサウンドは、のちの『Thriller』以降のマイケルを予見させる。
6. Can't Let Her Get Away(’91)
収録アルバム:『Dangerous』
作詞・作曲:マイケル・ジャクソン、テディ・ライリー
ニュージャックスウィングを取り入れた『Dagerous』より。ヒップホップ由来の独特な音色とリズムのサウンドに、マイケルの歌声がみごとにマッチしている。90年代以降も最先端のサウンドに、次々に適応していったのが、マイケルの凄いところ。
5. Remember The Time(’91)
収録アルバム:『Dangerous』
作詞・作曲:マイケル・ジャクソン、テディ・ライリー、バーナード・ベル
’80年代に比べると音数が格段に増え、複雑に入り組んだリズムになっている。そのリズムの隙間を縫うように、のびやかなボーカルを披露するマイケルの凄さ。そして、「Remember the time」の部分のキャッチーなメロディーは一度聴いたら、頭から離れない。
4. P.Y.T. (Pretty Young Thing)(’82)
収録アルバム:『Thriller』
作詞・作曲:ジェームス・イングラム、クインシー・ジョーンズ
『Thriller』の最後から2番目に収録された曲。名曲揃いの『Thriller』の中では、知名度も低く地味な曲ながら、シングルカットもされている。生音と電子音の割合が絶妙、かつメロディーがキャッチー。コーラスに姉のラトーヤ、妹のジャネットが参加している。
3. Jam(’91)
収録アルバム:『Dangerous』
作詞・作曲:マイケル・ジャクソン、レネ・ムーア、
テディ・ライリー、ブルース・スウェーデン
『BAD』から4年ぶりのソロアルバムとなった『Dangerous』では、新しいサウンドに挑戦し、新生マイケルの誕生を感じさせた。中でも1曲目に収録されたこの曲のインパクトは絶大。細かく刻まれたリズムトラック、ヒップホップ由来のスクラッチ音、激しいアタック音、そして、さらにパワフルになったマイケルのボーカルに驚かされる。
2. Fly Away(’87)
収録アルバム:『BAD』(25周年記念盤ボーナストラック)
作詞・作曲:マイケル・ジャクソン
『BAD』のボツテイク。のちに、姉のリビー・ジャクソンに提供された。壮大なオーケストレーション、打ち込みのリズムトラックを使ったミドルテンポの楽曲。のびやかなマイケルのボーカルが、タイトルも相まって、空を飛んでいるような浮遊感を抱かせる。歌声が甘いだけでなく、軽やかなリズムを感じさせる点も魅力的。
1. I Can't Help It(’79)
収録アルバム:『Off The Wall』
作詞・作曲:スティーヴィー・ワンダー、サシャエ・グリーン
スティーヴィー・ワンダーが提供した楽曲。スティーヴィーらしい全体を包み込むミステリアスな電子音、優雅なストリングス&ホーンセクションに、マイケルの優しく力強いボーカルがマッチしている。こんなにせつない気持ちを音で表現できるのは、異才の二人が力を合わせたからこそ。
▼Spotify 版プレイリストはこちら
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