『パラッパラッパー』との出会い
※2500字以上の記事です。
お時間のある時に
お付き合いいただけると嬉しいです。
「視覚を育てるエンタメ」
と題した記事で紹介した
10作品との出会いについて
書いていきます。
この記事の中で
7つめに挙げたのが
『パラッパラッパー』です。
『パラッパラッパー』が
発売されたのは、
'96年の年末でした。
ソニーから発売された
プレイステーションが
全盛期の頃です。
奇しくも私が
プレイステーションを
買ってもらったのも
'96年の年末だったんですよね。
その頃は『パラッパラッパー』を
知りませんでした。
いつ知ったのか
定かではありませんが、
たぶん、CM で見たのが
最初だった気がします。
この頃のプレステの CM、
チラシなども含めた
広告戦略は非常に完成度が高く、
そういうものを通しても、
プレステは私の人生に
大きな影響を与えました。
そして、
「『パラッパラッパー』が欲しい!」
と強烈に意識したのは、
街中のゲームショップに
友人たちと
立ち寄った時のことでした。
店頭に置いてあった
テレビのモニターには、
『パラッパー』の
ゲーム画面が
映し出されていたんです。
そのカラフルな色使い、
キャラクターのかわいらしさ、
リズムに合わせて
ボタンを押すという
それまでに見たこともなかった
斬新なゲーム性に
とても惹かれたのを
憶えています。
その後、私が実際に
『パラッパラッパー』を
購入した日のことも
しっかり覚えているんです。
『パラッパラッパー』は
近所のセブンイレブンで
買ったんですよね。
当時、プレステのゲームが
コンビニで買えるように
なったのが話題でした。
最初のきっかけは
『ファイナルファンタジーVII』
だった気がします。
今にして思えば、
短い期間ではありましたが、
当時、コンビニで、
デジキューブという会社によって、
プレステのソフトの販売が
されていました。
今でも、コンビニで、
スイッチのダウンロード
販売用のカードが
売られていますが、
デジキューブは、
その走りだったんですね。
今のコンビニの
ゲーム販売は、
棚の隅にひっそりと
ある感じですが、
’96年~’00年頃に
あったコンビニの
ゲーム販売は
もっと大々的でした。
雑誌の置いてあるコーナーの
ど真ん中に小さなモニターが
設置されており、
そこで、常に最新のゲームの
プロモーションが
流れていました。
私が中学~高校の頃の話で、
その頃の私は、
いつもモニターを食い入るように
見ていたものです。
もちろん、その中には
『パラッパラッパー』の
映像もありました。
それを見て、私は、
「『パラッパラッパー』は
コンビニで買おう」
と決心したわけです。
とは言っても、
プレステのソフトは、
5000円くらいはしました。
中学生の自分からすれば、
大金です。
’97年の春のことでした。
私は貯金箱に貯めていた
お金を全部出して、
数えてみました。
すると、なんとか、
『パラッパラッパー』が
買えるくらいの金額が
あったんですね。
弟と二人で、
近所のコンビニに
ダッシュしました。
コンビニで買う
はじめてのゲーム、
夢にまで見た、
『パラッパラッパー』、
ドキドキしながら、
ソフトを棚から
レジに持っていき、
手早く店員さんが
レジを打ってくれました。
金額を告げられて、
貯金箱から持ってきた
数枚の千円札と
小銭を出しました。
ところが、
足りないのです。
「おかしいなぁ」と思い、
もう一度数えてみても
足りません。
恥ずかしいことに、
消費税の分を考えておらず、
定価分の金額しか
持っていなかったんです。
本当に恥ずかしかったんですが、
どうやっても、
お金は出てこないので、
「すみません。
足りないので出直してきます」
と店員さんに告げて、
逃げるようにコンビニから
退却しました。
その後、消費税分も
しっかり持って、
再びコンビニに行き、
ようやく『パラッパラッパー』を
入手できた時は、
本当に嬉しかったです。
『パラッパラッパー』は
パッケージもオシャレで、
ディスクにもキャラクターが
あしらわれたピクチャーレーベル
だったんですよね。
割とオシャレなイメージの
強かったプレステの
ソフトの中でも、
『パラッパラッパー』の
ビジュアルは
抜きん出ていました。
ゲームを立ち上げると、
アニメーションだけでなく、
音の一つひとつも
作り込まれていて、
とにかく、
オシャレなゲームだなぁと
思いましたね。
思えば、あれが私にとって、
はじめてヒップホップに
接近した瞬間でもありました。
前述したように
『パラッパラッパー』を
購入したのは、
’97年の春です。
’96年の年末に
プレステを買ってもらって、
まだプレステにそれほど
馴染んでいる時代では
ないですから、
『パラッパラッパー』を
遊びはじめた頃は、
画面に出てくるボタンを
コントローラーを見ずに
押すのが一苦労だったのを
覚えています。
プレステのコントローラーは、
左側に十字キー、
右側に各種ボタンという
任天堂のファミコンや
スーファミを踏襲した
形ではあったんですが、
ボタンの表記が違ったんですよね。
任天堂系のコントローラーは、
右側のボタンが
X
Y A
B
このような配置になっていますが、
プレステ系のコントローラーは、
△
□ ○
×
このような配置になっています。
私はそれまで任天堂系の
ハードで遊んでいたので、
「A、B、X、Y」
と表示されれば、
手元を見ずとも、
ボタンを押すことができました。
ところが、
「○、×、△、□」
と表示されても、
当時は、ボタンがどの位置に
あるか覚えておらず、
かなり戸惑いがありました。
思えば、それまでに
私が遊んでいた
プレステ系のソフトは
ボタンの種類を
把握していなくても、
遊べるソフトばかりでした。
なんせ、
コントローラーの形自体は、
それまでのゲーム機と
なんら変わらないので、
手元を確認せずとも
遊ぶことができたんです。
ところが、
『パラッパラッパー』は
そうはいきません。
画面に表示されたボタンを
手元を見ずに入力できなければ、
とてもリズムに合わせて
操作することなど
できないからです。
そんなわけで、
私は『パラッパラッパー』が
きっかけで、
プレステのコントローラーの
ボタン配置を身体に
叩き込むことになりました。
ボタンの表示が違うだけで、
こんなに四苦八苦するのだ
というのは、
長くゲームを遊んでいても、
はじめての経験でしたね。
のちに、私が
パソコンのキーボード入力の
ブラインドタッチを
練習する時に
「『パラッパラッパー』の
時と一緒だ。
ちょっとボタンが多いだけ」
と思い込んだおかげで、
すんなりブラインドタッチが
できるようになったのは、
ちょっと自慢でした。
それにしても、
私は『パラッパラッパー』を
買った頃の記憶を
なぜ、こんなに鮮明に
憶えているのでしょうか。
それには、もう一つ
理由があります。
『パラッパラッパー』を
買って間もない頃、
学校で身体測定が
あったんですね。
私はその視力検査で
引っ掛かり、
人生ではじめてメガネを
かけるようになりました。
それまで、ずっと
目はいい方だったんですが、
ゲームばっかり
やっていたからですかね(^^;