音楽レビュー『IN A MODEL ROOM』P-MODEL(1979)意味がありそうでなさそうな過激さ
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P-MODELは’80年代に
プラスチックス、ヒカシューとともに
「テクノ御三家」と言われていた
本盤は P-MODEL の1作目のアルバムです。
ジョージ・オーウェルの小説『1984』('49)に影響を受けて作られたアルバムになっています。
'79年に発表された作品で、当時、イギリスを中心に勃興しつつあったニュー・ウェイヴの影響が強く感じられます。
そのサウンドの秘密は
パンク的な要素、シンセサイザー、リズムボックスによる先鋭的なサウンドです。
特に、本盤の魅力を語るうえで、リズムボックスの独特なサウンドは外せません。
本盤で使用されているのは、初期のリズムボックス(リズムマシンとなる前の)で、シュポシュポとした音色が特徴的です。
このようなサウンドは、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの『There's a Riot Goin' On』('71)が先駆けで、P-MODEL と同時代のプラスチックスも使用していました。
シュールな歌詞の世界観も大きな魅力
『1984』に影響を受けていることもあって、全体的に意味がありそうでなさそうにも感じられる過激な歌詞も印象的ですね。
シングルとして発表された①『美術館で会った人だろ』は、特にパンキッシュな歌詞で、美術館で会った一人の女性に心を寄せるも、相手が認めないことにイライラする焦燥感がよく出ています。
歌もの中心のレパートリーの中で、ひときわ印象的なのがラストのインスト⑪『アートブラインド』で、もろにクラフトワーク的なサウンドが展開されています。
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