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本に励まされることもある
【約1500字/4分で読めます】
フォロワーの時澤言森さんの記事で、吉本ばななさんの番組が紹介されており、その番組の中に、時澤さんご自身が出演されているというので、視聴しました。
とてもいい番組でした。
私は吉本ばななさんの本は一冊も読んだことがなく、時澤さんが記事で紹介してくださらなかったら、知る由もない番組だったんですよね。
「時澤さんが出演されている」というのを知って、興味を持ちましたが、ついていけるだろうか、という不安もありました。
しかし、前編・後編を含めて、楽しく観させていただきました。
この番組は、『NHKアカデミア』といって、毎回、いろんな分野の方が一人で出演されているようです。
司会者もなく、ナレーションなども入れずに、ゲストの方の語りだけが抽出されたような編集になっていました。
時澤さんが「コトモリ」として出演されたのは、ZOOM で繋がったファンの人たちが吉本ばななさんに質問するコーナーです。
先に、実物の時澤さんの感想を述べさせていただくと、最初に時澤さんの姿を見て、「note の中の人だ!」という興奮がありました。
なんせ、私も note の中では親しくさせていただいている方が多くいますが、顔を出した映像で見た方は、時澤さんがはじめてでした。
はじめて見た時澤さんは note で感じる温かい人柄にぴったりな印象で、note そのままの「時澤さん」でした。
また質問の内容も時澤さんっぽかったですね。
時澤さんの質問
「先ほど前半のお話の中で、自分の救済のために書いているが、読者の存在を感じるようになって、ちょっと変わってきたみたいなことをおっしゃっていたかと思うんですけれども、読者の存在というのは、テーマを設定するときとか、文章をはじめに書き始める瞬間から、意識の中にはあるものなんでしょうか」
吉本さんの回答
「私の中に(中略)“絶対読者”という感じのイメージはあります。(中略)絶対読者というのは、私がうそをついたら絶対に許さないんです。だから絶対なんですけれど。だから、その絶対読者に恥じることのないようなものであろうというのは常に意識しています。」
吉本ばななさんの作品の話、創作にまつわる話だけではなく、「人生」におけるさまざまなこと(子育て、親の看取りなど)が語られていて、とてもためになる番組でした。
中でも印象的だったのが、吉本ばななさんが
「この世から消えてなくなりたいと思っている人がいたとしたら、読んでいる間に20分とか10分とかでいいから、すべてを忘れてもらいたい。
(中略)
それで10分でも20分でも生きている時間を長くできたらというふうに、それはいつも願っています。」
とおっしゃっていて、昨日の記事で書いた「読書」は「ノイズ」とは、ある意味では対極の「本」の捉え方だと思いましたね。
そうなんです、「本」というのは「ノイズ」にも「生きる糧」にもなりうる不思議なメディアなんです。
実際、吉本ばななさんもご自身で「最初は自分のために書いていた」とおっしゃっていましたが、長く書き続けるうちに、ファンの方からいろんな反響があって、最終的には「人のため」に書くようになったんですよね。
一人のファンの方が、創作ついて相談していましたが、吉本ばななさんは「とにかく書き続けてください」とアドバイスしていました。
この言葉は、文章を書き続けている私の心にも深く刺さりました。
いい機会をいただいたので、いずれ、吉本ばななさんの本も読んでみます。
時澤さん、本当にいい番組を紹介してくださって、ありがとうございました!
▼番組公式ホームページにテキスト版もあったので、時澤さんが出演されたパートを貼っておきます。
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