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十数年振りにジャミロクワイを聴いてみて

【約1200字/3分で読めます】

昨日のレビューではジャミロクワイのアルバムを紹介しました。

レビューでも多少触れましたが、実は私はジャミロクワイをしっかり聴いたのは、ここ最近のことなんですよね。

レビューで紹介した『Travelling Without Moving』('96)の一つ前のアルバム『The Return of the Space Cowboy』('94)を20代の頃に聴いていたことがありました。

でも、なんだか今ひとつハマらなかったんですよね。

もちろん、『Virtual Insanity』も10代の頃から知っていて、いい曲だと思っていましたし、『The Return of the Space Cowboy』の収録曲でも『Space Cowboy』なんかは「いいな」と思っていたんですが(『Space Cowboy』は先日公開したプレイリストにも収録)、なんとなくアルバムとしては、そんなに好きになれなかったんです。

当時の私は、「テクノ一辺倒」から抜けつつはありましたが、ソウル系の音楽はスティーヴィー・ワンダーやマイケル・ジャクソンを聴きはじめたばかりの頃でした。

「ブラックミュージックをもっと聴いていきたい」と思っていた当時の私の耳には、ジャミロクワイのサウンドはどこか軟弱に感じたのも正直なところです。

そして、その後、私は'60~'70年代のソウルやファンクを聴き込んでいくことになり、その間にインコグニートを知り、「アシッドジャズ」のサウンドにも触れました。

おそらく、そういった経験が私の耳を変化させたのだと思います。

正直なところ、今回もジャミロクワイを聴きはじめるのに、躊躇する気持ちもあったんですよね。

今度もハマることができなかったら、どうしよう……と。

結果、それが杞憂だったことはレビューを読んでいただければわかるでしょう。

アルバムを聴き直しながらレビューを書きはじめると、書きたいことがこれでもかというほどに出てきてしまい、いつものレビューより長い文章になってしまいました。

こうなってしまうのは、明らかに私がこのアルバムを好きだからです。

不思議なものですね。

20代の頃に聴いた時には、ほとんど魅力がわからなかったバンドのサウンドがこんなにも心に響くとは。

この原因を検証するには、もう一度、20代の頃に聴いた『The Return of the Space Cowboy』を聴き直さなければいけませんね。

私の耳が変わったことが大きいのは確かですが、そもそも『The Return of the Space Cowboy』は私に合うサウンドではなかったのかもしれませんし。

いずれにしろ、いろんな作品に触れ続けていると、こういった自分の変化が手に取るようにわかる瞬間がやってくるのがおもしろいところです。この喜びは手放せません。

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いっき82
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