ゲームレビュー『ストリートファイター』(1987)幻の初代『ストリートファイター』
幻の初代『ストリートファイター』
初代『ストリートファイター』は、
2作目の『ストII』がヒットした頃にも
同級生の間で話題に上っていましたが、
実際にプレイしたことのある人は
限られていました。
というのも、
初代『ストリートファイター』は、
2作目に比べると、国内では
それほどヒットしていませんでした。
しかし、これが海外ではウケたようで、
2作目を作ってほしいという
カプコンのアメリカ支社からの要望で、
作ることになったそうです。
最初はそのことがわからず、
カプコンでは
ベルトスクロールアクションの
『ファイナルファイト』を作った
というのはゲームファンの間では
有名なエピソードです。
私も子どもの頃から
遊んでみたいと思っていた
『ストリートファイター』なんですが、
家庭用ゲーム機への
完全移植はなかなか実現せず、
'18年に発売された
『ストリートファイター
30th アニバーサリーコレクション』で
それが実現しました。
この度、そのソフトが
セール期間中につき、
格安で販売されていたので、
思わず購入したのです。
(現在はセール終了)
約30年越しに実現した
初代『ストリートファイター』の
プレイの感想を綴ってみます。
『ストII』に比べると
動きがぎこちないものの
実際に遊んでみて
一番に感じたのは、
操作性の違いです。
『ストII』の時点でも
操作系統は確立されており、
滑らかにキャラクターが動く
印象があったのですが、
さすがに初代は、
格ゲーの黎明期というのもあり、
若干、キャラクターのモーションが
ぎこちない感じがあります。
ちなみに、プレイヤーが使えるのは、
リュウのみで、
対戦プレイだとケンも登場する
ようですね。
(今回は対戦プレイができず)
それでも同時代のゲームに比べると、
キャラクターの動きの細かさは
よくできており、
そういう部分にこだわって
作られたのがよくわかります。
必殺技ありきの難易度設定
この時点で波動拳、昇竜拳、
竜巻旋風脚といった必殺技があり、
それらのコマンドも
かなり判定がきつめで、
『ストII』のように、
簡単には技が出ません。
しかし、それらが発動した場合、
敵へのダメージは相当なもので、
しっかり当たった場合は、
敵キャラクターの半分以上の
体力が減る場合もあります。
その代わりと言ってはなんですが、
敵キャラの強さもハンパではなく、
クリアーするまでに
何度コンティニューしたか
わかりません。
これはあきらかに
必殺技ありきの難易度設定で、
技を出せなくても勝負はできる
『ストII』との大きな違いです。
しかも、当時は技のコマンドも
プレイヤーに知らされておらず、
偶然見つけるしかなかった
というのですから、
そこまでたどり着いた
プレイヤーが一握りだったのは、
容易に想像できます。
しかしながら、
このゲームがあったからこそ、
『ストII』が生まれ、
その後の「対戦型格闘ゲーム」
というジャンルが確立したことを
考えると、
本作もまた歴史的な意義のある
ゲームだと思います。
【作品情報】
1987年発売
ジャンル:アクション
機種:アーケード
(『ストリートファイター
30th コレクション
インターナショナル』に収録)
発売元:カプコン