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音楽レビュー『CRUISE』石野卓球(2010)卓球のソロはクール!


歌もメッセージもない
ダンスに特化した音楽

しばらくテクノの音源を
紹介していなかったのもあり、

改めて
「テクノの感想を書くのは難しい」
と思っています。

電気グルーヴの石野卓球の
ソロ作品としては、
7作目のアルバムですが、

6曲収録のミニアルバム
という位置付けです。

リリース当時のご本人の
インタビューを読むと、
聴きやすさを優先した
と言っています。

電気グルーヴは
10代の頃から好きで、
当然、卓球のソロも興味は
あったのですが、

私がしっかりと
聴いたことのあるのは、

『DOVE LOVES DUB』('95)、
『BERLIN TRAX』('98)の
2作だけです。

そのため、前後の作品との
比較はできないんですが、

いつものおなじみの
卓球節全開という感じでしょうか。

歌もメッセージも一切なしで、
ダンスに特化した
テクノになっています。

電気よりもファンク色が強め

電気グルーヴの音源もそうですが、
なんといっても、
低音の音圧がすごいんですよね。

このあたりの魅力は、
繰り返し聴き込むことによって、
魅力が増していきます。

電気グルーヴと
卓球のソロの比較で言うと、
電気グルーヴのトラックでは
あまり使わない音も散見されます。

例えば、②の細かく切ったような
ホーンのような電子音は、

卓球のソロ音源では、
おなじみの音ですが、
電気の楽曲では
聴いたことがない気がします。

こういった微妙な
音の違いによって、
電気よりも卓球のソロ作の方が
ファンクの印象が強いんですよね。

④で使われている
人声のサンプリングも
(インタビューによると、
 ヒカシューの音源らしい)

細かく刻まれていて、
ファンキーな印象です。

卓球のソロはクール!

前述したように、
卓球のソロをすべて
聴いたわけではないので、

正確なところはわかりませんが、
電気よりも卓球のソロの方が
シリアスに寄ったトラックの
イメージも強いですね。

本盤に収録された楽曲でいうと、
②の中盤以降は
かなりシリアスな曲調に感じますし、

③、⑤、⑥あたりのトラックも
かなりクールな印象です。

電気グルーヴの
おちゃらけた感じが苦手
という方は、

(そのユーモアも同グループの
 大きな魅力だが)

ぜひとも、こちらの
卓球のソロ作品を
聴いてほしいですね。


【作品情報】
リリース:2010年
アーティスト:石野卓球
レーベル:Sony Music Labels

【アーティストについて】
’85年、人生を結成。
’89年、解散。
同年、電気グルーヴを結成。
’95年、ソロデビュー。

【同じアーティストの作品】

『TITLE #2+#3』(2004)
『LUNATIQUE』(2016)
『ACID TEKNO DISKO BEATz』
(2017)

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いっき82
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