インドの村事情~シャワー浴びずの3日間~
ナマステ!
2019年3月、友達の家がある村へ3姉妹で行ってきました。村の場所はバラナシからオートで1~2時間ほどのDhanapurというところ。
インドの村が好きでこれまで何度か訪れてきました。「村」と一括りに言っても、場所によってやっぱりそれぞれ違う。
土でできた家が多い村やレンガ造りの家が多い村、コンクリートの家が多い村、お風呂事情やトイレ事情など、村によって、また家によっても異なるので、その違いは興味深いものでした。
今日は今回訪れた村の生活の発見、面白いと思ったことなどを書きます。
村での発見
①葬儀
一般的に、ヒンドゥー教徒が亡くなったらその遺体は燃やされます。つまり火葬です。バラナシにある死体を焼くガートなど、有名ですよね。
しかしこの村では遺体を燃やさないそうです。
人が亡くなると、その体に大きな石を縛り付けガンジス川に沈めるそう。その背景にはこんなストーリーがありました。
以前、この村でも死体を燃やしていたが、
燃やし終わるとまた人が死に、その人を燃やすとまた人が死に、と連続して死人が出た。
燃やすと死人が出る、という認識が生まれたことでこの村では死体は燃やさず、沈めることにしたという。
インドは何度も渡航し、留学していた時期もありましたがこんな話、初めて聞いたのでとても驚きました。
②謎の食べ物、マールがうまい
マール、とは。
お米の炊き汁。白濁の汁に塩を少量混ぜて食べる(飲む?)食べ物のこと。
友達の義理姉がこれ美味しいのよ、と飲ませてくれた。
恐る恐る飲んでみた。
うん、美味しかった!おかゆの風味。
他の地方でも食べられているのだろうか?
それは不明ですが。。
③家の作り
この村の多くの家がレンガでできていました。
どの家も、中央に四角い筒抜けの広場(中庭)があり、その四方を囲むように部屋がありました。
その広場には井戸があり、ご飯を作る土の釜や神聖な植物、Tulsiが植えられたりしています。
屋根がある作りではないので、どの家も屋上に出られる。いいなあ〜!
一つひとつの家が大き目で、開放的な家の作りでした。
④シャワー事情
これは私の友達の家の特殊な事情らしいけど、
シャワーを浴びる場所がなんと筒抜けの広場にある井戸の脇にありました。
シャワーというよりは井戸からバケツに組んだ水を浴びる、といった感じ。
友達の義理姉が、水浴びるときは男の人が入ってこれないようにドアを閉めきるから安心して、と言ってくれました。
でも、そんな広い広場(6×6メートルくらい?)でスッポンポンになる勇気がなく。というか、そこまでして別に水浴びなくてもいいか、という気持ちもありました。
何せ季節は冬でちょっと肌寒いのに、井戸から出るのは水だしなあ、とも。
そんなこんなで結局滞在した3日間は一度もシャワー浴びることなく過ぎたのでした。
汗かかない気候だったので特に問題なしでした。でも次この村に来るときは、きっと、ちゃんとこの家方式で水浴びしよう!と心に決めました。
ちなみに、以前訪れた別の二ヶ所の村で滞在した家は、シャワーの部屋が別に作られていて(一ヶ所はドアがなかった)、火で沸かしたお湯をバケツに入れて持ってきてくれました。
まあシャワーというより結局は水浴びなんですけどね。
⑤トイレ事情
これまた驚いたのです。
「夜トイレしたくなったら井戸のところでしていいよ」
そう、家の中央の広場にある井戸のことです。
一応、家の中ですよね?!
土足とはいえ、普通に、床ですよね?!
と、内心驚きを隠せませんでした。
井戸はその筒抜け広場の端にあり、
そこで歯を磨いたり手を洗ったりするので、
少し傾斜があって水が流れていくようになっていて、その先に小さな排水溝があります。
そこで直接どうぞ、と言われても
流石にそれはできないのでした。
あと、その井戸の奥にある台所、
その奥の部屋にも一応、トイレというものがあるらしい。
でも部屋の横に排水溝が流れているようにしか見えませんでした。でもそこでするらしい。もちろん、扉などありません。
でもでも、実はちゃんとしたトイレもあったのです。
家を出て、牛小屋の前を通り過ぎると、そこに小さな個室のトイレがあります。私は毎回そこを使っていました。
電気がなくて扉を閉めると暗くなるけど、
それでも安心してトイレができる場所あって本当によかったと思いました。
トイレには開放感よりも閉鎖感が大事である、と今回の体験を通してひしと感じたのでした。
ちなみに、この外の個室トイレはモディ政権になってから作られそう。
以前は畑で用を済ませていたけど、
モディ政権になってからトイレの普及が進み、
今ではトイレでするようになったと言っていました。
ここでご飯食べたり、遊んだり、チャイ飲んだり、歯を磨いたり、洗濯干したり、水浴びしたり。
なんでも広場、ですね。
以上、インドの村事情でした。
この村では、どこのお家へお邪魔しても
アツアツの生姜がしっかり効いた甘ーいチャイを出してくれました。
牛の乳しぼりをさせてくれたり、
お家に招いてくれたり。
今回の滞在では温かい村の人たちの暮らしを
間近で見ることができました。
直接会話し、笑顔を交わし、
繋がる瞬間。
ヒンディー語ができてよかった!と
思う瞬間でもあります。
皆さんもぜひ、インドの村へ。
それではまた。