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【壱岐新報2021.5.14】新型コロナ、再び感染広がる

 壱岐市では今月1日に新型コロナ感染が発生し、11日までに23人の陽性者が出た。うち2件はクラスター(感染者集団)も起き、全島に感染拡大の不安も過ぎる事態になったが、9日以降からは減少傾向に向かいつつあるようだ。
 今回の感染拡大により、現在署名を行う市民団体による白川市長リコールの活動への影響も大きい。

「新型コロナ」クラスターなど市内全域に拡大

市内で23人が感染、9日以降から減少傾向で早期収束か(11日現在)
 壱岐保健所の発表では、1日に1人の感染が確認されて以降、酒類を提供する飲食店2店で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生するなど市内全域に感染が広がっている。壱岐交通ではバス運転手1人の感染が確認され、検査のために運行が困難になったとして、8日は路線バス全便の終日運休を決めた。県は感染経路が分からない県内陽性者にスクリーニング検査を実施した結果、約9割に英国由来などの変異株の疑いがあるとし、「かなりの割合で変異株流行が進んでいる」との見方を公表している。

 市内各所では、新型コロナウイルスの新規感染の確認が相次いでいる。1日に郷ノ浦町の飲食店で1人の感染者を確認して以降、連日2人から5人の感染確認が続いた。現在までに壱岐保健所や市からは、発生源や詳細な行動履歴の発表はない。
 1日以降の感染者数は11日の時点で23人、 11日までに検査を受けた人は202人、入院者数12人、入所者数7人。飲食店では経営者と客計7人の陽性が確認されるなど、計2件のクラスターが発生した。飲食店と取り引きのある業者にも感染が一気に広がった。
 県は3日、本市の感染状況に応じて病床確保の目安となるフェーズを「1」から「2」へ引き上げ、病床数を4床から10床へ増やした。しかし、増え続ける感染者に対応するため、7日には最も高い「4」に引き上げ、病床を21床まで確保した。
 連日に及ぶ急速な感染拡大を受けて市民には不安が広がった。今回の感染拡大と関連があるのではないかと憶測が飛び交い、特定のスーパーでは客足に影響が起きている。同店では「感染者が在籍しているような間違った情報が島内に流れております。当店において感染者は出ておりません」とホームページで発信するなど対応に追われた。
 壱岐交通では7日にバス運転手1人の感染が明らかになったことから、抗体検査のために8日の路線バス運行が困難になったことを、同社ホームページで明かした。翌日、検査対象者18人の陰性が確認された。
 市長のリコール(解職請求)を目指す市民団体「壱岐の未来」は、先月27日から開始している署名活動を6日前後から一時中断した。同団体の藤尾和久共同代表は「訪問による署名活動ができないのは厳しいが、ここで感染拡大させるわけにはいかない。苦渋の決断。市選挙管理委員会に署名最終日(25日)の延期を申し入れているが、今後どうなることか」と困惑した表情で話した。後日、選管は法的根拠などを理由に、同団体に対し延期はしないことを通達している。
 1日から続いた感染確認は、一時は全島への広がりが懸念されたが、9日の感染者数は0人、10日1人と減少に向かいつつあるようだ。しかし、県内全域や福岡県での感染者割合から、変異株が蔓延していると考えられるため、予断を許さない状況は続きそうだ。

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