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【壱岐新報2022.6.24】転作金改正、農家の苦境と理解を訴え

 市議会定例会6月会議の一般質問で16日、中田恭一議員は国の制度改正による水田活用直接支払交付金(転作金)で、本市の農家が苦境に陥っていることを力説し、農家の思いを代弁した。中田議員は「市内の農漁業者は、昨今の経済状況や国の施策の影響で、経営がままならない事態が起きている」として、「転作金の改正は、本市や地方の農家の実情をわかっていない。市は取り返しがつかなくなる前に何か手立てをすべき」と市に対して意見した。白川博一市長は「国や県に要望していく。私も農家の出身で農業の苦しさはわかっているつもりだ」と理解を示し、対策への意志を示した。


中田議員、転作金改正で苦しむ農家に市独自で国への働きかけ要望


 中田議員の一般質問は、農家の現状がただならない事態にあることを知るには十分な内容だった。国は2022年度から今後5年間、水田に水張り(水稲の作付け)をしない農地に対し、転作金の交付をしないとの改正を行う。中田議員は、この改正により本市の農家は甚大な苦境に立たされるという。

 中田議員は「5年に一度の水張りができない農家が多いのが現状。後継者もおらず、水路補修も自己負担金が払えない状態で補修もできない。他にもさまざまな支出があり、5年後には荒廃地が出てくる」と危惧する。

 国や県など行政は、荒廃地ができないようにと農家に対し要求していることについても「組合組織などに荒廃地ができないようにとは言うが、組合は魔法の組織ではない。人がいないとできない。農家は手一杯でやっている。法人、生産組合、地域の保全組合などが一生懸命に荒廃地をなくすようにやっている」とし、「高齢者が草切りなどをしているのが現状。いくら法人を作っても人がいなければ管理はできない」と、農家が抱える根本的な問題を挙げた。

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