【壱岐新報 2021.1.22】 壱岐市の財政は大丈夫か?
昨年末、壱岐市は今年度から5年後までの中期財政計画を公表した。しかし、その内容を見て驚愕となった。今年度の財政調整基金10億円が、令和6年度には6千万円まで目減りする見通しだった。新型コロナ感染拡大の対応といい、市の財政面といい、これまでの市政運営は正しかったのか。島の将来はどうなるのか。
【財政調整基金】5年後、わずか6千万円に。
今年度から5年後までの市中期財政計画を公表。
市は昨年末、今年度から令和6年度まで5年間の市中期財政計画を市ホームページで公開した。その中で現在、約10億円ある財政調整基金残高が、5年後の令和6年度には6千万円にまで減る見通しがわかった。本市はコロナ禍により、観光業や飲食業を始め、農漁業や商業関連にも経済的影響の爪痕が残る。感染第3波が叫ばれる現在、財政の確保や長期的視野を見据えた事業の見直しなどの対応が必要とされる。さらに人口減少が進む中、市税や地方交付税などの収入が落ち込む予想などもあり、将来的な楽観はできない。積立基金としての財政調整基金も3年連続で取り崩しをするなど、財政健全化への課題は多い。
本市の財政などの指針を知る上で重要となる「市中期財政計画」の最新版が先月末に更新された。市の事業や施策計画などの検証と見直し、財政状況や将来的な予算編成など財政運営の指針として策定されているものだ。計画は毎年、年末時期に更新され、5年間を見据えた計画とする。
計画書によれば、「本市の実質公債費比率や将来負担比率などの財政健全化指標はおおむね健全に推移している」とある。一方で「長引く地方経済の低迷や人口減少などにより地方税等の自主財源の確保が難しい中、地方交付税や臨時財政対策債などへの依存度が高い財政運営が続いている。
今後は、これまで整備してきたインフラ等公共施設にかかる維持補修や更新費用の増大、近年頻発する大規模自然災害、大型事業にかかる起債償還の本格化、加えて新型コロナウイルス感染症拡大防止対策など、さらに財政運営が厳しさを増す見込みであり、行財政改革は喫緊の課題」とし、厳しさが垣間見える。
さらに、人口減少の影響で、市税や地方交付税等収入の大幅な落ち込みが想定されている。
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