恋はがんばれば叶うとは限らない 〜20代女子よ、親世代の男性に油断しないで〜
・大阪カラオケパブ殺人事件
・ご当地アイドルと「交際」を主張し謝罪要求
どちらも最近(2021年6月時点)起こった事件です。
27歳・23歳・21歳の娘を持つ身としては本当に驚きなのが、被害者の女性が20代であるのに対して、加害者男性がそれぞれ50代、60代であったこと。
好きになるのに年齢は関係ない。
問題は、しつこく迫り続けること。
私は娘たちが職場の上司などから食事に誘われたりしたという話を聞くと、「『親世代だから大丈夫』と思わないこと。向こうは恋愛感情や性の対象である”可能性”があるのだから」と話しています。
また「絶対に二人きりにはならないように」と伝えてあります。二人で食事することはあるとは思います。でも、「個室」や「車」で二人きり……というのを避けるように伝えています。
なぜなら、私自身が親世代から口説かれたり被害に遭ったりしてきたからです。今回は、中高年の男性たちにも伝えたい思いで、厳しめに書きます。
この記事は、あくまでも「人と距離が近くなりがちな方」へのメッセージです。
親世代の男性から「おいしい店に連れてってあげる」「食事しながらゆっくり話そう」と言われてごちそうになると、なぜかカウンター席で隣に座って太ももを触られたり肩を抱かれたり、当たり前のように「スキンシップ」という名のセクハラに遭う。「今度二人きりで飲みに行こう」としつこく誘われる。そんなことが20代でたくさんありました。何度も何度も「信じては裏切られた気分」になりました。
私の父親はお酒も飲まないので、お酒を飲んで酔っ払った男性が急激に距離を詰めたりスキンシップが濃厚になるということすら知らなかったのも、私にスキを与えた一因なのだろうと思います。
20代の男子が「スキあらば深い仲に!」というすごいエネルギーなのは、男友達も多かったし共学出身だったので身近に感じとって慎重にしていました。でも、
おじさんとだったら、そんな心配はない!
娘のようにかわいがってもらっているのだろう。
……そう思っていました。
20代女子にとって40代以上の男性は、よほど身なりを清潔に若々しくしている人でない限り、失礼ながらやっぱり「おじさん」なのです。
20代前半や10代の女子にとっては、失礼ながら30歳でも「おじさん」という認識をしています。10歳以上離れた、年上の男性はやはり「おじさん」なのです(歳を重ねるとそのギャップは減っていきますが)。
こちらにとっては、恋愛や性的なことを求められることのない「落ち着いているはずのおじさん」なのです。
20〜30代の女子にとって、ほどんどの場合、アラフォー以上の男性は恋愛の対象ではありません。多くの女性がそうであるように、「性的な関係となる可能性のある対象」とは「恋する対象」の奥にあるものであり、地続きです。
もちろん、歳が離れていても魅力的な人もいますが、まず清潔感があること。そして、その年齢なりの落ち着きや懐の深さや、品、知識や経験からの深みが滲み出ていてこそ。ただ若く見えるだけでは魅力にはなりませんし、「なにか教えてやろう」みたいな説教をしたがる男性などはさらに……。
こちらは親世代に近いため安心して話せる相手……と思っていたら、告白される。突然、手を握られる。ホテルに連れていかれそうになる。何度断っても断ってもしつこく誘ってくる。
こういった強引さ、むしろ同世代よりも年上に多かったです。なんだろう。その男性たちは、昔はモテたのでしょうか? 妙に自信があるのか、相手が若いから強引に押せばイケると思っているのでしょうか。
社内の人は2〜3回断れば、社内でのイメージが悪くなるからか、私の勤めていた会社が優秀で頭の切れるデキる男が多かったからか、スマートに引いてくれました。
雑誌の編集者で、当時「情報ページ」を担当していたので、テレビ局のアナウンサーや、イベント掲載依頼の興行関係の代表者などと直接会うこともありました。彼らは、なぜか誘い方が強引であからさま。某アナウンサーは引き際もわきまえていましたが、「おれの女になれ」としつこい某劇団の代表(おそらく当時50歳前後)の方は、最終的に会社の固定電話に出ないという対策をして無視し続けました。
その人に
「いつか、必ず、おまえの背中を流してやる」と言われたときには、全身鳥肌が立ち、吐き気がしました。
「ないから! 絶対に!(泣)」。
モテることをうらやましがられることが多いけれど、怖い目に遭うことも本当に多いのです。断ることでどれだけ疲弊するか。どれだけしんどいか。
恋愛はがんばれば成就するモノではない
ひとつ日本人が間違えているなぁ……と思うのは(日本だけじゃないかもしれないけれど)、「がんばれば恋が実る」という勘違い。
違います。
「恋」は、「勉強」や「筋トレ」とは違います。
がんばれば成果として形になるわけではないのです。
なぜなら、相手は人間だから。
「好き」「嫌い」という感情・感性を持っているから。
よく青春群像劇や、少年漫画でもそういうことが描かれていることはありますが、「押しの一手」が通じるのは、
「恋愛経験の少ない10代の女子」
「女として自信がない女性」
……のどちらかではないでしょうか。
特に、モテる女子に対して「押しの一手」はあり得ません。
モテる女子は「断るしんどさ」を知っています。モテるだけに複数の人から告白されているのです。「押しまくる」という手法は「何度も断らなければならない」という迷惑行為です。相手は困っています。
自分の告白が相手を困らせ、逆に嫌われてしまう可能性がある……ということを自覚してもらいたいのです。
がんばることは「告白を繰り返すこと」ではなく、「身のほどをわきまえる」ことではないでしょうか。
本当にその人のことが好きなら、その人を大切に思うのなら「その人が幸せになること」を願うのが、大人というものではないのでしょうか。
好きだからこそ、身を引く。
それが本当の「愛情」だと思うのです。何回断ってもプレゼントが送られてきた時、帰り道に待ち伏せされた時、私は、だんだんそれが恐怖になっていきました。ただただ怖いです。仕事で会わざるを得ない時、ただただ苦痛です。
そんな経験をしてもらいたくないので、娘たちには「おじさんだからと安心するな」と言い続けています。少し親身に話を聞いてあげるだけで「イケる」と思わせてしまうからです。
20代女子たちよ、親世代だろうと既婚者だろうと安心するな
「だけど、その人、既婚者だよ」
と娘たち。
甘い!
既婚者だろうと彼女がいようと、そんなことはおかまいなしに距離の近過ぎる男性がいかに多いことか。
若い女子に片想い中の男性に、強く言いたい。
告白は3度まで。
嫌われるの覚悟なら、百歩譲って仮に5度までよしとしましょう。でも、可能性は限りなくゼロに近いうえに相手を苦しめる危険性が高いのです。
相手を想いやる優しさが少しでもあるのなら、思いを一方的にぶつけ続ける行為は、迷惑になっているかもしれないのだ、と、学んでもらいたいものです。そのうえ、冒頭の事件のように、手に入らないからと殺めるなんて、あまりにもひど過ぎます。
両想いになるには「相性」が大切。
スペック(条件)がどんなに良い男性(女性)であったとしても、好みじゃなければ恋愛感情は起きないものです。
好きだ好きだと伝えても好きになってもらえない理由は、ただひとつ。
「好みではない」から。
押しまくってうまくいくのは、異性としてたまたま【好み】のエリアに少しでも入っているから。でも、断られるのなら、そうではないということ。
男(女)として劣っているとか、なにかが足りないわけではありません。「採点」「評価」ではないのです。
恋愛は「好み」の問題です。カレーが嫌いな人もいれば、セロリが好きな人だっています。その好みを変えることは容易ではありません。
あきらめて遠くから眺めるか、友達や知人に戻るか。好きになってくれそうな別の人を探すか。
女性の場合の片想いで厄介なのは、そこで「恋愛は無理だけど肉体関係だけならOK」という男に捕まってしまうこと。でも、そこから「幸せな恋愛」に発展する確率は極めて低い。そう思ったほうがよいと個人的には思っています。
「食事に行くこと」は、それ以上でもそれ以下でもない
そして、男性がよく云う
「二人きりになると云うことはOKということ」
「食事を二人ですると云うことはOKということ」
「嫌がっていないと思った」
というのが、女子には理解不能なんです。
その「不文律(暗黙のルール)」は、
女子には無縁と思ってもらいたいのです。
なぜなら、多くの若い女子には性欲はなくて
ロマンチックなコミュニケーションを求めているから。
そして、性欲というのは、ある程度の経験を経て
初めて生まれてくるものであって
「二人きりになる」という状況から
「肉体関係になってもいいよ」には
すぐには、つながらないのです。
詳しくはこちらの記事
「性的欲求」を感じるまでキスから18年経っていた」も
読んでみてね。
女子がいかに性的欲求の成長に時間がかかるか
いかに男性と異なる人間か、知ってもらいたいのです。