ゲノム編集 【クリスパーキャスナイン編】
みなさん、こんにちは。塾長です。
今回は「ゲノム編集」についてシェアしていきたいと思います。
◆ゲノム編集とは?(簡単に)
遺伝子の配列を自在に操作できる技術のことです。つまり、遺伝子操作によって、あらゆる生物の特徴を変えてしまうことができるということです。
実はこれ、比較的簡単にできてしまうんです!
カリフォルニア大学のジェニファー・ダウドナ教授が「Crispr Cas9 クリスパーキャスナイン」という遺伝物質を開発し、このクリスパーキャス9を組み込むだけでゲノム編集できてしまうということを発表しました。特別な機械は必要なく、組み込む時間は約2秒。
この技術をもう少し詳しく説明すると、
クリスパーキャス9というのは「クリスパー」という遺伝子に「キャス9」というタンパク質のハサミがくっついています。これを細胞の核(受精卵)に注入すると、問題となる遺伝子だけをクリスパーキャス9が切断するという技術です。また切断した箇所に新たな別の遺伝子をはめ込むことも可能です。
このように比較的簡単にゲノム編集ができてしまうため、この技術を世界中の研究者やビジネス目的の人たちが乱用してしまうことを心配しています。
◆ゲノム編集はどんなことに使われているの?
医療・農業・動植物・工業などあらゆる分野での研究開発がすすめられています。
有名なものを上げると、
・血友病患者の治療
・日持ちしたり、害虫に強いトマト
・大きなマダイに成長する
・アレルギー物質のない卵
・収穫量の多いイネ
などがあります。
他にもエイズ患者(HIV感染者)の治療や先天的な病気の治療、ガンの治療にも期待されています。
◆ゲノム編集の問題点は?
① 安全性の問題
ゲノム編集された作物については、厚生労働省が、
と発表。
今まで、農家さんは何年も改良を重ねて害虫に強い農作物や甘いくて大きい農作物を作り出してきたのです。しかし、これは突然変異を起こした農作物を使用して増やしていくという方法をとっていました。
これとゲノム編集作物とはほとんど変わりがなく、安全性にも問題ないだろうと判断されたためです。
もちろん、他の医療・工業などでは人体への影響が未だに議論されている最中です。
② 生態系を脅かす問題
これは、動植物に関していえることですが、新たな特徴を持つ生物が誕生すると、その管理しだいでは生態系を脅かす可能性があります。
例えば、
2倍の大きさのマダイや2倍の筋肉を持つ牛はすでに誕生しています。
これらが自然界に存在するとなると、到底もとの大きさの生物は勝てません。
また、肉食動物以上に草食動物が優れた瞬発力、速さ、筋肉、歯などを備えると、肉食動物が獲物をとれず減少し、生態系が崩れますよね。
動植物のゲノム編集に関しては、ベンチャー企業が参入しやすい傾向があります。利益ばかりを追求せず、こういった問題が起こりうるという背景を考慮して研究開発してほしいと思います。
③道徳的、倫理的な問題
ゲノム編集は、犬やサルなど身近な生物にまで盛んに実験が行われています。今のところ、全ての生物でゲノム編集が可能だとされていますので、ヒトに関する研究ももちろん盛んです。
その研究が医療の枠を超えて、ついには、ゲノム編集で親の望む特徴をもつ子供
「デザイナーベビー」
を誕生させてしまうということが問題視されています。
今のところ、その行為は禁止されていますが、未来はどうなっているのかわかりません。
このデザイナーベビーについては、次回、もう少し掘り下げてご説明させてもらいたいと思います。
ということで、今回は「ゲノム編集やクリスパーキャスナイン」についてシェアさせていただきました。
ご理解いただけましたでしょうか?
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではまた、次回のブログで。