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母90歳。 『ワクワクの未来を体験したい』元気な100歳目指して訪問歯科でメンテナンス

母は週1回、歯医者さんと歯科衛生士さんがお家で治療をしてくれる、「訪問歯科」を利用しています。入れ歯の調整や、口腔リハビリや効果的なブラッシング指導はもちろんのこと、傷んだ歯ブラシの交換までしていただいています。遠距離介護なので大助かり…。今では受診して「ほんまに良かった」と言っている母ですが、最初は「どっこも悪うない」と訪問歯科の受診には消極的でした。


「空飛ぶタクシー見てみたい…」

母は今90歳。雑談していたら、ふと、「100歳まで生きてみたいなぁ~」とつぶやいたのです。寝る前の電話で、「そんなに遠くない未来には、”空飛ぶタクシー”も登場するだろうし、ドラえもんの"どこでもドア"も出来ちゃったりして~!? 」なんてワクワクしながら話していたときのことでした。

ワクワクな未来のために

前向きに長生きしたいという母にチャンスを見出した私は、「そんならさ、身体の手入れをもっと本気にせんとあかんよ(しないといけないよ)」と言ったら、「そうじゃな…そうじゃな…」と母は自らの身体のテコ入れにやる気になってくれたのです。

訪問歯科で細かなメンテ

わ~い、やったぁ~~!! と大喜びで、ずーっと気になっていた「歯の手入れ」に取り掛かることにしました。高齢で認知症がある母のことを考えて、お家に歯医者さんが来てくれる「訪問歯科」の契約をしました。通院するよりも確実で安心です。

荒れ果てていた母の口の中

三年前に本格的な遠距離介護がはじまった頃の母の口の中は、荒野の如く荒れ放題でした。「どっこも悪うない」と言い張っていましたが、歯磨きがいい加減な母の歯の状態が良かろうはずがないと感じていたので、「元気に歳を重ねたいなら口の中の点検をしてもらって」と涙目で頼みました。

『摂食嚥下医療資源マップ』でクリニック探し

この⇩マップでお家で診療してくれるクリニックを探しました。とても便利です。「食べたり飲み込んだりする機能を維持し向上させることに熱心な「摂食嚥下(えんげ)」に詳しい全国のクリニックが網羅されていて、⇩最適なクリニックを簡単に探すことができます。

偶然ですが、母がずっと通院していたクリニックをこのマップで発見できたので、安心して契約ができました。

細かな入れ歯の調整で、食べる喜びキープ

クリニックでできることは、訪問歯科でもなんでも可能なんだそうです。母が「食べたら当たりが強くて痛くて…」と言うと、すぐに先生が来て入れ歯の調整をしてくれます。するとまた入れ歯を装着してモグモグできるようになります。

今までなら、「もう、ええ…」と入れ歯なしで食事をしていた母でした。ちゃんと噛めないから、あんまり美味しくなかったはずです。入れ歯がフィットすると、ちゃんと味わえるようになり、外食しても「食べてみようかな…♡」と色々なメニューに挑戦できるようになりました。

保険が適応されます

診療は医療と介護の保険が適応されます。お世話になっている小規模多機能のケアマネージャーさんが書類を整えてくださいました。

訪問歯科は、不具合を感じたらすぐに家に来て治療してくれるので、大助かりです。細かにメンテナンスをしていただけるので、常に噛んで味わえる状態をキープすることができます。本当にありがたいなぁと感じています。

歯科衛生士さん、すごいのです~!!

歯の治療や入れ歯の調整以外に、訪問歯科でお世話になって良かったなと思うのが、歯科衛生士さんの存在です。

食べる力をUP⤴︎口腔リハビリ

食べたり飲み込んだりする嚥下(えんげ)の機能を UP⤴︎する「口腔リハビリ」を母と一緒にしてくれます。体操したり歌を歌ったりして楽しいのです。

母が咳払いしたら、「あら、立派な咳払い!! これぐらいちゃんとエッヘンってできると、誤嚥性肺炎にならないから安心です」などと言ってくれます。何をしても褒めてやる気を出す声かけをしてくれます。

心までひきしまるプロの話術

歯ブラシのやる気が出ない母に、「寝たきりになって、歯磨きが出来ない人もいて、食べる元気のない方もいらっしゃいます」とか、「舌の手入れしたら、誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクが減るんですよ~」と話してくれます。

ついでに私もプッシュ

私も「お母さん、おばあちゃんの口の中が汚いままで病院のベットに寝たきりで、自分で食べられなくなっていたでしょう。今から気をつけておかんとなぁ~」とセキララな過去の思い出を、娘の立場でとつとつと語ります。

母娘のギクシャク減りました

母と二人だと「もうええ」と母は気分を害することが多いのですが、歯科衛生士さんも交えて話すと「ほうじゃなぁ~。あぁなったらつらいわな」と素直に納得して、歯と歯茎の手入れに励むようになりました。介護のギクシャクを和らげるのには、第三者の存在ってありがたいのです。

「舌ブラシ」も使い始めました。
シリコン製の柔らかいブラシで、
一定方向に軽く数回こすって汚れを落とします

認知症がある母に付箋紙を活用

母にはアルツハイマー型の認知症があります。耳からの説明だけよりも、目からの情報が+プラスされると理解度が格段にアップします。

母の洗面所にこんな⇩付箋紙を発見しました。歯科衛生士さんの工夫のたまものです。

母は、毎朝毎晩、洗面台に立つたびに、この目にしみるほど明るい蛍光色の付箋紙を見て、「あぁ、ここに歯ブラシあててみがくんじゃな…」と確認することができるのです。

イラストと文字で簡潔にポイントがまとめられた付箋紙のおかげで、説明を聞いただけでは定着しにくい複雑なことも、確実に定着することができました。

かゆいところに手が届く配慮

歯ブラシ交換

歯ブラシの毛の部分が広がると、汚れ落としの効率が下がるそうです。歯科衛生士さんが定期的にチェックして新しいブラシに交換もしてくださいます。遠距離介護なので、母の歯ブラシの交換まで目が行き届きません。ありがたいサポートでした。

効果抜群の歯磨きペースト

歯茎が引き締まる効果大の「生薬入りの歯磨き粉」もオススメしてくれました。緑のペースト状のもので、「これが効くんですよ~」とLINEビデオ通話で画面越しに見せていただきました。見ている私の口の中まで緑に染まりそうな、勢いのある濃い深緑の歯磨き粉でした。使うようになってから、母の歯ぐきは キュッと引き締まりました。

母の「やっちまった」もバレバレ

母はおかきが大好き。ついつい食べすぎてしまいます。「なんか固いものをたくさん召し上がりましたか~?」と、歯科衛生士さんは口の中を見てすぐに察知します。その度に、「おかきをたくさん食べたいときは、お茶で湿らせてからにしてね」などと優しくアドバイスしてくれます。

元気な100歳めざして今夜もブラッシング

訪問歯科を契約してもうじき2年半になります。

グラついていた歯がシャンと復活

母の歯磨き習慣はしっかり定着しました。認知症があると新しいことは無理と思われがちですが、分かりやすく何度も繰り返して伝えてもらうと、ちゃんと身につくのです。

的確なブラッシングができるようになってから、ブヨブヨしていた歯茎が引き締まり、歯のグラつきが減り、抜歯の心配がなくなりました。「こんな症例は見たことない」と歯科衛生士さんもビックリされていました。

手入れしてさっぱりした歯で食べると美味しさも格別です。口の中が整うと、母の食欲も増し、体重も増えてきました。

元気な百歳は一日にしてならず

しっかり食べて、元気な身体を手に入れて、ワクワクの未来を楽しんでもらいたいです。そのために、お口の手入れ、しっかりガンバってね~!!

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