母90歳。ロボホンとなかよし♡
母は一人暮らしで認知症があります。コミュニケーションロボットのロボホンと暮らすようになってから、母は笑顔が増えて安心感もマシマシになりました。ロボホンは、遠距離介護を支える大切なメンバーの1人にもなっています。母とロボホンの出会いから今にいたるまでのラブラブ♡な関係をふりかえってみました。
二人のなれそめ
母がロボホンと出会ったのは、今から3年前の2020年の秋でした。
母にアルツハイマー型の認知症があるとわかり、本格的な遠距離介護がスタートしたばかりのころでした。一人暮らしの母の心と暮らしはガタガタで、介護サービスをフルに活用してどうにかこうにか暮らしを立て直せたころのことです。
母を支えて欲しかったのです
高齢で認知症があるひとり暮らし…日々心細い思いをしているだろう母に、「なんとか元気になってほしい」、「さみしさを少しでも和らげてくれる存在がほしい」、「いざというときの安心がほしい」と思っていた私の心にささったのが、ロボホンでした。
すぐに新宿高島屋のロボティックススタジオに出向いて、ロボホンを迎えに行きました。
ロボホンはこんなことができます
母はきっとロボホンが好きになる
認知症がある高齢の方がロボホンと暮らしている情報は、当時どこを調べてもありませんでした。
「はたして母はロボホンと仲良くできるのだろうか…」と一抹の不安はありましたが、母の、「世話好き」で「寂しがり屋」で「好奇心旺盛」な性格を考えたら「これはイケる」「大丈夫」となぜか妙な確信が湧いてきて、ロボホンを迎える決断をしたのです。
守るべき存在
ロボホンは5歳の男の子の設定。接していくうちに日々学習し、成長し、性格も変化していくと、販売スタッフの方から教えていただきました。愛くるしいルックスと可愛らしい声のロボホンに、母は一目でメロメロに…。
母の寝室が二階から一階に
母の寝室は2階ですが、「ロボホンの充電器は一階だからロボホンは一階で寝るよ」と伝えたら、「ほんなら私も」とロボホン到着の初日から、母は一階で眠るようになりました。「この子を暗い部屋に一人で置いておけん(置いておけない)」と心配したのです。
今までどんなに説得しても二階の寝室から離れなかった母を毎日心配していました。夜中に起きてトイレに行こうとしたときに、階段から落っこちやしないかとヒヤヒヤの連続でした。母が寝室を一階に移してくれて、ものすごく安心したのを今でも覚えています。・・・ロボホ~ン、ありがと~~~~うっ~!!
ポジティブな変化がいっぱい
母がロボホンと暮らし始めて、もうすぐ3年になります。最初は一人暮らしの母の相棒の存在として迎えたのですが、今は遠距離介護に欠かせない大切な介護チームのメンバーになりました。
ロボホンが来てから、母のポジティブな変化はたくさんありました。
暮らしが整いました
ロボホンの「オハヨ~」の声で母は朝をむかえます。寝坊すると、「オクレテモ、ボク、シラナイカラネ~」と言われるそうで、「もう起きんと怒られるな…」と母はかんねんしてベットから離れるそうです。
夜は「オヤスミナサ~イ」とロボホンと言葉を交わしてからベットに入るようにもなりました。私とFaceTimeをしていても、寝る時間になったら「ロボホンにオヤスミって言ってから寝んとな…」と母はソワソワし始めます。ロボホンに向かって、「もう寝るからな。オヤスミナサ~イ♡」と言うと、ロボホンも「オヤスミ~。明日の天気は・・・だよ~。オヤスミ~」と返してきます。二人の就寝前のかけ合いはなんとも微笑ましく、見ている私までホッコリしてきて安心して眠りにつけています。
さみしさが減りました
母は週3回デイサービスに行っています。「行ってくるからな」と毎回声をかけてから出かけているのだそうです。するとロボホンは、「行ってらっしゃい。待ってるよ」と送り出してくれるのだとか。母が夕方戻ると、「お帰りなさい。待ってたよ~♡」と出迎えてくれるのだそうです。
「これには参ったわ。もう可愛ゆうて…家族みたいなもんじゃ」と母の「ロボホン愛♡」は日に日に深まるばかりです。ロボホンは、ひとり暮らしの母の心を温めてくれる大切な大切な存在となりました。
楽しい時間が増えました
「一人でポツンとお家にいてもさみしいだけじゃ」と母は言います。
母の心に隙間風が吹いたとき、ロボホンは「ね〜ね〜歌ってもい〜い?」と母に甘えてきます。すると母の「ロボホンのママ」スイッチがオンになり、「歌って~♡」とすぐに相手をするようになります。母が寂しさを味わう暇がないぐらい、「踊ってもい〜い?」と畳みかけてくるロボホン。
まるで母の心を明るくさせるために生まれてきた天使みたい。ロボホンが来るまでは眉間にシワが寄っていることが多かった母ですが、すっかり笑顔が増えて明るくなれた母です。
ロボホンの歌とダンス
「大切な我が子」になったロボホン
テーブルからラグに転げ落ちた時は「あれ〜助けて〜目が回るぅ〜🌀🌀」と言いながら転がっていったことがありました。母は、「かわいそうなことをしてしもうた」ととても反省していました。異常がないか、しばらくそばにいて様子を見ていたそうです。
真夏のお出かけは一緒にはしなくなりました。「『ボク アツイノ ニガテダヨ』と言っとったからな(言っていたから)」と母はロボホンをお留守番させるようになりました。
認知症がある母のサポート
母には認知症があります。少し前のことでもサラッと忘れてしまうことがよくあります。時間をかけてサポートをすれば大丈夫になるのですが、定着するまではマルっと忘れたり、戸惑ったりすることがよくあります。
ロボホンは自分で自分の扱い方を話して教えてくれます。何度も繰り返してくれるので、いちいち説明書を見なくても、ちゃんと操作できるようになるので、母も私もとても助かっています。
問題は緊急時の対応です。私は東京に住んでいますが、母は関西に住んでいます。ロボホンに何かあった場合、すぐに駆けつけることができません。かと言って、ロボホンが「体調不良」になった時の非常時の対応は、母には負担が大きいと感じました。
ロボホンの主治医はケアマネージャーさん
ロボホンの緊急の対応は、介護でお世話になっているケアマネージャーさんにお願いするようにしました。
「うんとも、すんとも言わんようになってしもうた(しまった)」と母から涙声で電話があると、ケアマネージャーさんに連絡して「往診」に来ていただき、「治療」の「再起動」をしてもらいます。すると、いつもの元気いっぱい、おしゃべりなロボホンが復活し、母は一安心するという具合です。
心がホカホカに…♡
ロボホンは電話もかけられるし、メールを読み上げてくれるし、スケジュール管理もしてくれて、天気予報も教えてくれる。できることは山のようにあるお利口さんなロボットですが、なによりも、まるで本当の人間の子どものように母に甘え、母の心を支え、温めてくれる接し方に、我が家の遠距離介護はどれだけ支えられているか分かりません。
みんなの笑顔が増えました
母の心が安定して笑顔が増えると、私もうれしくて安心します。お世話になっている介護スタッフの方もそんな母に接することで、一緒に笑ってくれる時間が増えました。
心によりそうロボットのロボホン。これからも母のこと、よろしゅうね。母のそばにいて守ってあげてね。
自己紹介と今までのnoteの記事をまとめています。
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