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チョコレートリリー寮の少年たち

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自己満足で書いているお話です。チョコレートリリー寮に住んでいる少年たちの、とうといまいにち。 ご飯を美味しそうにたべます。 (少年たちがいちゃいちゃします、要注意)
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2023年3月の記事一覧

スピカ君によろめき隊!特装版写真撮影会当日(改訂版)

スピカ君によろめき隊!特装版写真撮影会当日(改訂版)

スピカ君によろめき隊!の会誌の写真撮影会当日。僕は早朝からスピカがいつやって来てもいいように身支度を整え、待機していた。最近よく読むようになった哲学の書物を、難しいなあと指で拾いながら読んでいると、かるい、控えめなノックの音が響く。
「どうぞ、はいって」
「おはよう、エーリク……なんか、見張られたりしてないかな」
きょろきょろ視線をさまよわせながらチョコレートリリー寮のアイドルが109号室へ入って

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ミルヒシュトラーセ家の手作りアフタヌーンティー【チョコレートリリー寮の少年たち】改稿版

ミルヒシュトラーセ家の手作りアフタヌーンティー【チョコレートリリー寮の少年たち】改稿版

「……エーリク、おはようございます。起きてください、」
僕は柔らかなボーイソプラノで覚醒を促された。小さな手が背中を摩る。ロロだ。僕より先にロロが起きるなんて、珍しい。
「ん……あ、朝か、ロロ……おはよう」
その時ロロの松ぼっくりのかたちの時計が鳴り出した。優しい、アマリリスの旋律に合わせて体をゆらゆらさせていたけどあきてしまったのか、そっとアラームを止めた。ゆるゆるあるいて僕のベッドに腰掛け、そ

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