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猫を描く。猫は錨。
猫が来て1年半が経った。
8月生まれなので、4ヶ月後には2歳になる。
体重も3キロまで増えた。
PCの前で尻尾を立てられると、もう画面が見えない。
長毛種の猫の尻尾は僕の顔より大きい。ディスプレイに向かい始めると、それを立てて揺らしながら、わざわざ間を横切って歩く。手首を踏みつけていくので打鍵が止まる。穂先で撫でられた鼻の穴の周りに抜け毛がくっつく。くしゃみが出そうで出ない。
— 池谷和浩 (@iketanikazuhiro) October 18, 2021
毛玉を吐いた時、体力を消耗したのかしばらく元気が無かった。心配で仕方なかった。家を出ていく時に、置いていかれると分かると毎度びっくりして目を丸くする。帰ってくると拗ねている。
すっかり猫は僕の一部になってしまって、ちょっとしたことで胸が痛くなることが多くなった。大事なものは増えてくれない方がいい。それでも、現に猫はもう、僕の生活の中にいる。
一年間の執拗な観察により家主の行動を読めるようになった猫は、僕が一歩踏み出しただけで駆け出し、先を行くようになってきた。こっちだよ、と得意そうに言い残したようにも見える。気が変わって引き返すと、そっと戻ってきて心外だという表情を見せる。口が三角になっている。底辺が上、頂点が下。白猫の三角。森博嗣のVシリーズ第一作を思い出した。あれは『黒猫の三角』だった。
仕事で、猫を描いてもらうという幸せな与件が、ある案件に加わった。単に偶然のことなのだが、引き寄せられたように感じてしまう。
猫をおもうと私の心はそこに留まって流されずにいられる。
猫を/描く。猫は/錨。
— 池谷和浩 (@iketanikazuhiro) November 28, 2021
未だに箱に飛び込むし、
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76566340/picture_pc_4053ea6b9053657e7a755ab956d19bbb.png?width=1200)
すり鉢状のダンボール(通称ディッシュ)を愛しすぎているし
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76566482/picture_pc_1843c2a702b37d945ca5c8a3079ba0a7.png?width=1200)
仕事を邪魔するのが好きで
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76566631/picture_pc_6cb3838da631b6c6d2020023bfe2b003.png?width=1200)
新しく家に来た物をつけ狙い
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76566764/picture_pc_3b812d5bd1fb7e7fbf178a8047429a78.png?width=1200)
振り返れば見張っている。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76566816/picture_pc_5384143f44cd8a22d664e48f1b408e17.png?width=1200)
Twitterで猫
僕と世界の間を猫は尻尾を立てて横切る。向こうに居てはこちらを見張り、キーボードを踏みつけて向こうへ去っては物陰からまた見張っている。そういう猫の佇まいで、目にして初めて知ったことを僕はいつの間にか短い文章で書いてみるようになっていて、僕は自分の変身を感じることがある。かれは具体的な一個の生物だが、他者ではない。かれが僕と世界の界面にいて、その向こうの他者に視線を送るときの解像度の、上げ下げをする練習に付き合ってくれているような感じがしている。
そうやって時々ツイートしている。
以下、前回のnote記事からの間でつぶやいた猫のこと。
僕が知らない人と話しているのが気に入らないのか、質疑応答で発言を始めた途端に猫が騒ぎ出す。何度もノックして室外から呼びかけてくるので、カメラオフにしてからドアを開けたらこっちを見上げてひとこえ鳴いて去った。尻尾を掲げて歩くのでお尻が見える。廊下は寒い。
— 池谷和浩 (@iketanikazuhiro) December 15, 2021
ペットボトルの蓋を外したまま置いておくと、無くなっていることが増えた。猫が目を盗んでどこかに運んでいる。咥えて去るのを見かけたことがあるが、いかにも真剣な様子だった。
— 池谷和浩 (@iketanikazuhiro) December 20, 2021
昨晩、猫に唇を噛まれました。痛いです。
— 池谷和浩 (@iketanikazuhiro) December 24, 2021
猫が机から飛び降りて去る。颯爽というには程遠く、ぼてっと落ちている。どんどん丸く膨らんでいくお尻が重そうだ。しばらく「ぼてじゅう」と呼ぶことにした。じゅうは怪獣のじゅうである。
— 池谷和浩 (@iketanikazuhiro) January 8, 2022
出かける時、振り返って見ると猫が物陰から顔を半分だけ出してこちらを窺っている。戸を締めてから、僕を追って駆けてくる足音が聞こえてくる。ないたりもする。もう戻る時間は無いのでそのまま出かける。寂しい思いをさせるために連れてきたようで申し訳ないような気持ちになることがある。
— 池谷和浩 (@iketanikazuhiro) January 20, 2022
まじめにコロコロをかけて出てきたが、全身に猫の毛。長毛種の存在感。
— 池谷和浩 (@iketanikazuhiro) February 2, 2022
で、人が机に向かって集中し始めるとトイレで音をあれこれ立てて気を引く猫。わざとだろう。早く片付けに来てよと鳴く。
— 池谷和浩 (@iketanikazuhiro) April 13, 2022
Instagramで猫
Instagramも続いている。開設してから一度も止めずに、毎日、写真を一枚だけ投稿している。実名で、アイコンも僕自身だが、猫の写真しか載せず、猫のことしか書かない。フォローするのもガチの猫アカウントだけ。ガチの猫好きの先輩たちが褒めそやしてくださるし、何か困ったことがあると助言をくれる。
このスタイルで、今日、ついに365枚になった。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76567790/picture_pc_dcd969a3461bf0274bc95b0a137cd4bd.png?width=1200)
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76567806/picture_pc_101e626435eca74e81d05cda537056e5.png?width=1200)
365日連続投稿を達成したら、あとは気の向いた時にやろうと思っていたのだが、日々撮り溜めているものからピックアップしていって、全然現在に追いつかない。たとえば今日更新した365枚目は、まだ2021年8月の写真である。
ということで、現在に写真の投稿が追いつくまでは、毎日投稿するのを続けようという気になっている。朝のコーヒーを淹れながらのルーチンとして完成しつつある。
という、節目でのnote記事をつくったのでした。
猫が幸せに生きてくれますように。
過去の2回のnote記事。
関連note記事をまとめたマガジン
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