Spice
仕事を終えて、サッとチャーハンとわかめスープを作りYoutubeを見ながら晩飯を食べる。
最近のお気に入りは、外国人が日本で日本食を食べる動画。日本に来て初めて食べる和食に心から感動している姿を見るのは、日本人にとって素晴らしく誇らしいなぁと思いながら、殆ど具の入ってないチャーハンを食べるのだ。
島にここ1ヶ月貨物船が入ってないので、スーパーの野菜売り場はなにひとつない。卵もここ2週間は見ていない。肉は冷凍されているので大体いつでもあるが。
珊瑚が隆起してできているこの島は南北1.5km東西200-300mに1万人以上住んでいて、世界有数の人口密度の高さだ。当然農業をするスペースがない。Ebeyeの北にある島に台湾のfundで作られた農園があり、台湾人の指導の元、少し野菜を作っている。たまに大根やなすなどお裾分けしてもらうのだが、スーパーで売っている食料はほぼ100%輸入品なので、物価は高い。卵は1パック12個入りで$6からひどい時は$8。今のレートで言ったら900円以上だ。とても新鮮とは言えない卵はたまに腐っていたりして、何度も腹を壊したので正直あまり買っていない。そんな訳で非常に質素な食生活だが、和食の映像を見ながら、気分だけでも上げて食事を楽しむ様にしている。
外国人を日本で食事に案内する機会は今の仕事になってからももちろんあるのだが、世界選手権のオーガナイザーだった時は、IRF (International Rafting Federation)会長のJoeをアテンドして、日本食を一緒に食べたことが何度もあった。
彼は、世界選手権の前に何度か来日したし、本大会の時を含めると4、5回日本に来ていてその度に、空港まで迎えに行き、四国までの車の中でいろいろな話をし、たくさん食事も共にした。市長などとの会食の時は、和食のコースだったり畏まった感じの料理が多かったので、僕と二人の時は、普通の僕らが行く様な回転寿司、ラーメン屋や讃岐うどん、焼肉なんかに連れて行った。吉野川のリバーガイド達にIRFのガイド認定コースをJoeにやってもらった時は、講習後、高知のひろめ市場にも行った。この時はJoeも旨い酒とうまい料理に満足していた。
僕自身、旅先での食事は思い出の一つになっていることが多くある。たくさん思い出があるのでまたいつか書くとして、今回は少しだけ。
食事は文化の一部なので自分が体験したことのない空間で初めて食べるものは感動する。ネパールにラフティングを教えに行った時、代表チームと4日間川辺でキャンプしながら、午前午後2時間くらいづつ合宿をした。飲み水は川の水をボイルして飲んだ。飯は自炊で基本カレー。三食とにかくカレー。ただカレーと一緒にだいたい生の唐辛子を食べていたおかげか腹は壊さなかった。最終的には現地人の様に手で食べていたし。もちろんマーシャルでもWorker達とlunch boxを食べる時は手でみんなと同じ様に手で食べている。仕事はどんな時でもチームで動く。一緒に働く仲間のことを知らなきゃ良い仕事はできないと思っているので、コミュニケーションにおいて言語は大切なツールだけど、それ以上に彼らの振る舞いに習い、食事の時間を共有することも大切なコミュニケーションだと思う。
海外に出て現地の人たちの日常的な食事の習慣を共にする経験が、人生にスパイスを加えてくれる。ありがたいことに、アスリート時代は試合や遠征で、今は出張や駐在で合わせると30かヵ国くらい行かせてもらった。台湾、ニュージーランド、オーストラリア、チェコ、スロバキア、ドイツ、イタリア、オランダ、オーストリア、ボツワナ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、UAE。韓国、中国、インドネシア、モンゴル、ネパール。ジンバブエ、レソト、南アフリカ。カナダ、アメリカ、コスタリカ、エクアドル、ブラジル。トンガ、シンガポール、レバノン、ミクロネシア、マーシャル諸島。。。すべての国で地元の人たちと食事ができたわけではないけど、印象に残っている経験はまた思い出した時に書くことにしよう。
2023年9月26日21:28