思い出のラーメン
以前、生まれて1週間、初めて行った店がラーメン屋だったことを書いたが、小さい頃からラーメンが大好きだ。子供の頃は家で母が作る味噌ラーメンが主だったが、高校生になり隣の上田の高校に行き始め、自分で店を選んで行くようになった。
高校生の頃、一番通ったのは「こうや」。初めて背脂ちゃっちゃ系を食べたのは衝撃だった。ここはカウンターが5席くらいとこの字型のテーブルがある小さな店で飲んだ後のシメに行く人も多い。僕は回転寿司のバイト帰りに乗る電車を一本送らせて食べるほどここのラーメンにハマった。田舎で電車を一本遅らせると言うことは1時間後の電車になると言うことだ。普通に考えたらアホみたいな発想だが、それでもラーメンを食べたかった。僕が一番食べたのは「ネギ塩ラーメン」。メニューには塩ラーメンしかなかったが、いつもネギをトッピングしてもらっていた。今はこのメニューもある様だが、当時は裏メニュー的な感じで、生意気にも「いつもの」なんて言うとこれが出てきた。高校卒業前には本気でここで働けと誘ってもらうほど、店長にも可愛がって貰った。
学校の近くでたまに行ってたのは学生ラーメンがある、信大繊維学部の正門前にあったラーメン屋。名前が思い出せないが、300円くらいでラーメンが食べられた記憶がある。普通の醤油ラーメンだったが2玉くらい麺が入ってて腹いっぱいになった。
あとは駅前にある中華もりた。多分まだあると思うが、ここのタンメンもよく食べに行った。所謂町中華的な店で、車の教習所に行っていた頃もよく行った。
父親とたまに行った「アタミ」も懐かしい。おじいちゃんがやっているお世辞にも綺麗な店ではなかったが、ラーメンは旨かった。最後に行ってから30年くらい経ち、もう店もないみたいなので食べることはできないけど、親父と二人でラーメンを食べる機会はあまりなかったので、何となくその記憶がいつまでも残っている。
家族で一番行ったのは地元の18番ラーメン。残念ながらここも今は無くなってしまったが、手打ち麺ですり鉢の様などんぶりでくるラーメンは大好きだった。明るいおばちゃんと寡黙なおじさんがやっている店は、ログハウス風でテーブルや椅子も木でできていて、雰囲気も好きだったし会計の時かなりの確率で自家製麺をくれるので家でもその味を楽しめた。
ラーメンはその味だけでなくその店の雰囲気や店員さんの印象、誰といつ行ったかによって記憶に刻まれる。地元を離れて26年の月日が経ち、思い出の店はずいぶん無くなってしまったけど、美味しいラーメンと懐かしい思い出はいつまでも心の中に残っている。