見出し画像

それぞれの卒業式

私の卒業式は、曇天模様の1日だった。

なぜ、それを覚えているかと言うと、なにがしかの思いを馳せる時、天を仰ぐんだけど、その時、その場所の空が桜と不似合いだったから。

それに、卒業式には家族は誰も来ないから。

自分の心のモヤモヤを、そのまんま現わしているような空模様だったから、卒業式の天気を覚えていた。
仕方ないと分かっていたけど、納得しきれていない自分がいた。やっぱり、門出には、母がいて欲しかった。看護師の母に、簡単に休みが取れない事情も理解している。保護者会にもなかなか出られない母には、ママ友も少ないように見えていた。

この門出を残す写真を撮ってくれる人はいない。

この卒業式は、それ以上の思い出は残っていなかった。
今思うと、なんてちっぽけな感情なんだと思う自分がいる。それでも我慢した自分がいたことには変わりはない。だからこそ、自分の子どもの門出の際には、目一杯祝ってあげようと思った。

そして、3月18日次男坊の卒業式。
コロナ期の卒業式は、1時間少々の簡略化した卒業式だった。在校生不在、保護者は2名まで、来賓は無しなど、先生方は、たくさんの制約に、さぞかし頭を悩ませたことでしょう。でも、いろいろ限られ制約はあったものの、工夫を凝らした卒業式となった。

笑顔いっぱいで終えた卒業式は、次男坊にとっても、同席できた私たち家族にとっても、感慨深いものになった。


マサ、卒業おめでとう!!


私は、目一杯次男坊の卒業を、中3の自分に重ねてお祝いした。

いいなと思ったら応援しよう!