受験の夏休み 何でも面倒だと思っていたから、努力もしなかった
中3の夏休みになった。友達は夏期講習に追われてる。
私が通っていたそろばん塾の延長の学習塾では、受験対策の夏期講習はなかった。
今思うと、そろばん教室をサボった経緯の義理で通う塾だった。そこの塾は、受験に対する情報もないし、学校の課題に対して丸つけをするだけの塾で、わからない箇所があっても、納得できる説明のない学習塾だった。
塾のせいじゃない、自分でそれを選んだのだから。自分でちゃんと対策すればいいだけのこと。なのに、何もかもが面倒くさかった。
高校はどんな勉強をするのかを見ておきたくて、センパイの高校の教科書を見せてもらった。高校の教科書は、中学生のものと大して変わらない内容だった。
そんな大して変わらない勉強をしに行く高校とは、その高校に通う目的は何なのか、普通科で普通を学ぶことの価値がどれだけあるのか、私にはわからなかった。
他で学ぶ選択肢もあったみたいだけど、この頃の私の周りでは、高校に行かねばならないの一択だった。
自信のあった体力も落ちて、成長期なのかだいぶ丸くなってしまった。体育会系の部活にも、サークルにも入らずいたので、筋力がつく最高のタイミングを逃した。
気がつけば、自分に自信のあるものは何もない。
この頃好きだったのは、高校サッカー(小倉さん、中田さん、中西さんがいる四中工、日比さん、阿部さん、松波さんがいる帝京、前園さん、城さんがいる鹿実など)とバイク(ZZ-RなどKAWASAKI)くらい。
高校サッカーを見ていると、選手のみなさんはキラキラしていた。すごくかっこよかった。強豪校に行くことも1度は考えたけど、遠くて通いきれないとすぐ断念した。
周りからは高校は行くべきと言われ、自分の中では高校生活での自己成長と目的が見いだせず、最終的にだらけた夏休みを送ってしまった。
ジリジリと偏差値が落ちて、高校の選択枠もどんどん狭くなっていった。