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終わる日記(2024/12/08)

2024/12/08

起きて卓上ケトルのスイッチを入れる。いつまで経ってもパチッと言わない卓上ケトル。けたたましくごおごお鳴りながらぶくぶく沸いているのに、ずっと光っている。カーテンで閉ざされた暗闇でブルーに光る卓上ケトル。見に行くとかさがありえないくらい減っていて水を足してからセットし直す。鍋の水をコンロで加熱するときも沸騰の音が換気扇の音にかき消されて気づかないことがある。お茶を入れる。今日は神夢露。吉田アイアムから出ている鹿児島茶。茶筒ぽッ・かんに入れてある。かりがね茶は茎がざっくりそのままだが、神夢露はもっとパラパラしていてきめが細かい。蓋を開けて匂いをかぐ。栗よせを開けた。入れすぎたから出涸らしであと3杯はいける。

ミスドが食べたくなって電車で隣町まで行った。ポケモンのコラボをやっていた。前の親子連れの子がポン・デ・ディグダをねだっていた。まだ選んでるんでさき買ってもらっていいですよと親子連れが言った。ありがとうございますと言った。言ったものの、注文で時間をかけてしまった。選ぶ時間は潤沢にあった。僕もまだ選んでいるところだった。かつての僕ならそれを言っていたはずだと店を出てから思った。

マクドナルドでポテトを買って、食べながら駅周辺を歩いた。キャッシュ決済不可と書いてあり、カートに注文してから、一点、フライドポテト、Sサイズ、190円と出ていて、今、キャッシュレスがなかったかもしれないと思った。交通系の残高は確認していなくて怪しいし、PayPayはすっからかんだしで、ここまで追加注文の提案をことごとくスキップでくぐり抜けてきたが、もしそうなら、九仞の功を一簣に虧くとはこのことだと思った。交通系の残高を見たら買えるようだった。番号が呼ばれて、店員が準備している途中、袋を折りたたんでいる最中に手を伸ばして待っていたことに店を出て気づいた。

駅を外周した。クリスマスソングがかかっていた。パラパラと連想が広がっていったり、なにかをきっかけに過去の引き出しが突然開いたりして、それが楽しいが、沼にのみ込まれてずっぷりと足がかためられたみたいに何も浮かんでこない。去年の今ごろも同じように街を歩いたが、去年はそうではなかった。いろんなことをジャンル横断的にあれこれ考えていて、アイデアが同時多発的に石油みたいにブクブク湧いてきた。人とすれ違うときにフェイントを入れているつもりはないのにフェイントを入れたみたいに騙されていったん見合ってから頭を下げる。それで別々のところへ歩き出せればいいが、運が悪いと同じ側に足を出してしまう。

帰ってコーヒーといっしょにドーナツを食べた。ポン・デ・ダブルショコラとエンゼルクリームをペーパーに並べて交互に手にとって食べた。

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